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〈はじまりの美術館〉の企画展「わたしがつくる 森陽香美術館」が2023年4月2日まで開催中
展覧会情報

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森陽香さんの絵が周りに配置され、真ん中に赤字で展覧会タイトルが書かれている
「わたしがつくる 森陽香美術館」が2月4日〜4月2日まで〈はじまりの美術館〉で開催中です

福島出身の作家、森陽香さんの初個展が開催

福島県猪苗代の〈はじまりの美術館〉で企画展「unico file vol.4 わたしがつくる 森陽香美術館」が2023年2月4日(土)から4月2日(日)まで開催中です。

「unico file」とは、〈はじまりの美術館〉の展覧会シリーズのひとつ。美術館を運営する〈社会福祉法人安積愛育園〉で取り組む創作活動プロジェクト〈unico(ウーニコ)〉に所属する作家を紹介する企画展です。

今回紹介する森陽香さんは、過去にイタリアやフランスでも作品が展示・紹介された経験がある、福島県出身・在住の作家。森さんの美術館での初個展となる本展では、初期作品から最新作まで幅広い作品を紹介するほか、会期中にギャラリートークやライブドローイング、民話語りなどのイベントも開催されます。

創作活動を支援するプロジェクト〈unico〉

森さんが所属する〈unico〉とは、〈社会福祉法人安積愛育園〉が運営する施設やサービスを利用する方の創作活動を支援するプロジェクトです。メンバーの日々の活動に寄り添いながら、展覧会の開催や作品の商品化などを通して、所属作家と社会をつなぐ活動を行っています。

unicoとは、イタリア語で「唯一」「個性的」「ひとつ」を意味する言葉。障害の有無に関わらず、誰もが「唯一」の存在であり、様々な「個性」が集まって、「ひとつ」の社会になる、という想いが込められています。

カラフルな作品と右下に作者の紹介が載っている、ウェブサイトのトップ画像
「unico file」は活動から生まれた作品をアーカイブする、ウェブサイトの名称でもあります

躍動感あふれる森陽香さんの作品

今回の出展作家である森さんは、過去に国内で受賞歴が多数あるほか、海外でも作品の展示・紹介がされたことがある福島県在住の作家です。週に4日、福島県郡山市にある福祉事業所、地域生活サポートセンター〈パッソ〉で制作を行っています。

首元に花の刺繍がある赤いTシャツを着て、笑顔の森さん
森陽香さん

脳性麻痺のために手足にこわばりがあり、車椅子に乗りながら、主に右足の指で筆を握って絵を描く森さん。その作品は、画面からはみ出すようにのびやかに描かれるモチーフが印象的です。

鮮やかな色とのびやかな筆使いで描かれた、愛嬌ある風神と雷神
森陽香《風神雷神》2022年
※こちらの作品は「Art to You ! 東北障がい者芸術全国公募展 仙台巡回展」に展示されるため2023年2月20日~26日の期間はご覧いただけません。ご注意ください。

多くの場合、輪郭線がない形で表現されるモチーフは、動物、魚、神獣、民芸品、肖像画など多岐に渡ります。愛嬌あふれる表情と大胆な筆致、そして鮮やかな色使いで表現される生き物たちは、まるで今にも動き出しそうです。

横を向いたキリン。水色と紫や赤が混じったような斑点が首から体かけてランダムに描かれている
森陽香《きりん》2008年
にっこりとした顔でこちらを向いているイモムシ。黒い足は体より大きく描かれている
森陽香《カラフルいもむし》2009年頃

森さんの初期の作品から最新作まで、約170点が展示される本展覧会。「作家として活動を続け、たくさんの人に作品を知ってもらいたい」という森さんの願いが、森さんの名前を冠した美術館というタイトルのアイデアへつながりました。

ギャラリートークや民話がたりなどイベントも

3月4日(土)と4月1日(土)には、森さんと企画担当者が一緒に会場を巡るギャラリートークが開催。3月18日(土)には、森さんのモチーフに関係する民話も語られる、民話がたりが行われます。

さらに会期中は、森さんが展覧会初日の公開制作で取り組んだ作品に筆を重ねる形で、来場者がライブドローイングに参加することもできます。作品の変化は〈はじまりの美術館〉のTwitterやInstagramなどで随時発信されます。

森さんの作品である、風神雷神、キリン、赤べこが配置されたチラシの表面

展覧会タイトル「わたしがつくる 森陽香美術館」の「わたし」には、森さんだけでなく、美術館のスタッフや訪れる人など、さまざまな人を含んでいると言います。

“森陽香という「わたし」と、それを取り巻くたくさんの「わたし」が関わり合い、思いを重ねていくことで、この美術館は実現します。あなたもぜひその一人になって、この景色を実現しませんか。

本展が、この世界にただ一人の「わたし」に届き、たくさんの「わたし」へと想像が広がることを願います。”(〈はじまりの美術館〉より)

ぜひ展覧会に足を運び、森さんの絵の世界を体験してみてください。