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英国に学ぶ、美術館発ウェルビーイングへのアプローチ。「共創フォーラム Vol.1」が国立新美術館とオンラインで10月8日開催
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右側に美術館の周りで様々な動物が絵を描いたり、ダンスをしたり思い思いに過ごしている様子のイラスト。左側にイベントタイトル
現地参加の締め切りは9月4日(月)、オンライン参加の締め切りは9月29日(金)です

英国の健康や福祉への取り組みを知るフォーラムが開催

アートや文化を通した、健康とウェルビーイングへのアプローチについて語り合う「共創フォーラム Vol.1 Art, Health & Wellbeing − ミュージアムで幸せ(ウェルビーイング)になる。英国編」が〈独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンター〉と〈国立大学法人東京藝術大学〉の主催で、2023年10月8日(日) に開催されます。 

「英国編」と題した今回のフォーラムでは、文化活動と健康の分野において先進的な取り組みを続けてきた英国の専門家が登壇。美術館などの文化施設による健康や福祉への取り組みを紹介します。事例や背景にあるストーリーを知り、今後の活動や未来像について、日本の専門家や会場の参加者も共に考えます。

参加費は無料で、〈国立新美術館〉(東京都港区)とオンライン中継のハイブリッド開催。会場参加は9月4日(月)まで、オンライン参加は9月29日(金)までに申込みが必要です。

〈国立アートリサーチセンター〉とは

〈国立アートリサーチセンター〉は、2023年3月にアート振興の新たな拠点として設立された組織です。「アートをつなげる、深める、拡げる」をキーワードに、国内外の美術館や研究機関をはじめとする様々な人々をつなぎ、専門領域の調査研究や国内外への発信、ラーニングの拡充、アーティストの支援などに取り組んでいます。

先日ニュースで紹介した「ソーシャルストーリー はじめて美術館にいきます。」も、美術館へのアクセシビリティを高める事業として、〈国立アートリサーチセンター〉が企画・編集を行いました。

2023年に〈東京藝術大学〉が始動した、国立美術館や企業、自治体等との協働プロジェクト「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点事業」の一環として、今回のフォーラムが開催されます。

英国で最先端の取り組みを実践する専門家が登壇

2019年に世界保健機関(WHO)の報告書(※注)で、心と身体の健康にアートが良い影響を与える可能性が示されるなど、人々の健康とウェルビーイングに対する役割について、欧米を中心に研究が進んでいます。

※:「 What is the evidence on the role of the arts in improving health and well being? A scoping review 」 (英文 https://apps.who.int/iris/handle/10665/329834

今回はアートとウェルビーイングに関わる領域で先進的な取り組みを続けてきた英国に焦点を当てます。文化施設やアート系NPOによる健康や福祉への取り組みがこの20年で大きく広がってきたという英国。どのような活動があり、実際にどのような変化が起こっているのでしょうか。

当日のプログラムは、「インスピレーション・トーク」と「ダイアローグ・セッション」を中心に構成されています。

前半のインスピレーション・トークには、インクルーシブで想像力とケアの精神に富むミュージアムとなるための変革を主導する〈マンチェスター大学マンチェスター博物館〉館長のエスメ・ウォードさん(ビデオによる出演)と、仕事と高齢化にまつわる差別や不平等の現状に取り組む共同プロジェクトをキュレーションする〈マンチェスター市立美術館〉ラーニング・マネージャー、ルス・エドソンさんが登壇。

二人のポートレイト
エスメ・ウォードさん(左)とルス・エドソンさん(右)

さらに、〈ナショナル・ミュージアムズ・リバプール〉の代表的な認知症啓発プロジェクトであるハウス・オブ・メモリーズを率いるキャロル・ロジャーズさんや、〈テート美術館〉で若者プログラムの責任者を努め、学校外の学びの分野で25年以上の経験を持つマーク・ミラーさんもスピーカーとして登場。英国の美術館で精力的にこの分野を切り開いてきた第一人者たちが、具体的な事例やその背後にあるストーリーを共有します。

二人のポートレイト
キャロル・ロジャーズさん(左)とマーク・ミラーさん(右)

後半のダイアローグ・セッションでは、〈東京藝術大学〉社会連携センター 特任教授の伊藤達矢さんと〈国立アートリサーチセンター〉主任研究員の稲庭彩和子さんがファシリテーターを務めます。

スピーカーには、新たな利用者の創出や関係性づくりに取り組む〈ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー〉のプログラム・エンゲージメント長であるジェーン・フィンドレーさんが登場。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ修士課程を修了し、現在はミュージアムでの社会的処方の調査や、認知症の方とその家族を対象にしたプログラムの企画などを行う〈東京都美術館〉学芸員の藤岡勇人さんとともに、イギリスと日本それぞれの取り組みに触れながら、参加者と語り合う時間を持ちます。

二人のポートレイト
ジェーン・フィンドレーさん(左)と藤岡勇人さん(右)

いずれのセッションも、参加費は無料。〈国立新美術館〉の現地会場とオンラインのハイブリッド開催で、会場に参加したい場合は、9月4日(月)までに抽選の申込みが必要です。オンライン参加を希望する場合は、9月29日(金)までにお申し込みください。

〈国立アートセンター〉センター長の片岡真実さんは、開催に寄せてこのようなコメントを寄せています。

 

“数年にわたるパンデミックの間に、身体と心、そして社会の健康を考えるウェルビーイングへの注目が高まり、アートの力も問われました。オンラインでアートに触れる機会も増え た一方、ミュージアムでリアルに作品に出会う感動や興奮も実感されました。アートで良く生きる ってどんなこと?ミュージアムで一緒に考えてみましょう。”

ポートレイト
片岡真実さん

アートとウェルビーイングにまつわる最先端の取り組みに触れ、それぞれの現場でどのようなトライができるか、一緒に思い描いてみませんか。