ニュース&トピックス

「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」の観覧チケット販売開始! “ろう”にアプローチした映画、マルシェ出店者も募集中
イベント情報 公募情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」の観覧チケット販売開始! “ろう”にアプローチした映画、マルシェ出店者も募集中

「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」というタイトルとロゴによる芸術祭のイメージ画像

多様な“目で見ることば”に出会える4日間

「手話」「視覚言語」「身体表現」といった“目で見る舞台芸術”を集めた国際舞台芸術フェスティバル「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」が、東京・杉並区の〈座・高円寺〉にて、2025年11月6日(木)~9日(日)の4日間で開催されます。

主催は〈一般社団法人日本ろう芸術協会〉。同協会の代表理事であり、ろう者の牧原依里さんが総合ディレクターを務め、世界各国の手話パフォーマンスをはじめとした多様な“目で見ることば”や新たな表現に出会える、国境・言語・文化を超えた祭典を目指します。

そして、今年4月に発表された本芸術祭の「第一弾プログラムラインナップ」の観覧チケットの販売が、5月17日(土)よりスタート。現在11のプログラムが確定しており、各観覧希望者を受け付けています。また、 “ろう”にアプローチした映画、マルシェ出店者も6月30日(月)まで募集中。

上映・上演される4つの作品のメインビジュアルが並んでいる画像
4月に発表された第一弾プログラムの一部。左上から時計回りに、国際的な手話バトル大会「SIGN SLAM」。グリム童話『眠り姫』から着想を得た無言演劇「100年の眠り」。視覚的に構築された詩的な手話表現とテクノロジーで探求するレクチャーパフォーマンス「マーク・オブ・ウーマン」。ろう者のための公立劇場「劇団マヌ」(ノルウェー)の創設者・演出家によるトーク「ミラ・ツッカーマン:劇場を築く」

渋谷での「映画祭」から、高円寺での「芸術祭」へ

“ろう”にまつわる作品の上映や、聴覚に障害がある人の人材育成、ろう者と聴者が集う場のコミュニティづくりなどを目的に、牧原さんを中心に2017年に立ち上げられた「東京国際ろう映画祭」。2年ごとに国内外の監督や俳優を招待し、東京・渋谷を舞台に開催されてきました。

そして今年、拠点を高円寺に移し、映画に限らない多様なプログラムを展開する「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」として新たにスタートすることに。

さらに、マルシェの開催や、パフォーマンス、トーク、ワークショップといったフリンジプログラムを盛り込むことで、誰にでもひらかれた場を創出し、人々が出会い、聴者・ろう者・難聴者の相互交流が生まれる場を目指して、「手話のまち」と名づけられました。

映画、手話演劇、イマーシブシアター、海外劇団のトークまで

本芸術祭の開催は、今秋11月6日(木)~9日(日)の4日間。現在「第一弾」として発表されているプログラムは11演目。まず、初日となる6日は、主催者・牧原さんの挨拶を皮切りに、ろう俳優たちの手話パフォーマンス、今回特別に結成された“目でおどる”阿波踊りグループの発表、日本ろう者太鼓同好会による演奏の披露といった「オープニングセレモニー」からスタートします。

オープニングセレモニーのイメージ画像。阿波踊り、太鼓同好会の舞台の写真などが写っている

11月6日~9日の全日にわたって公演されるのは、観客が登場人物とともに事件の謎を追うイマーシブシアター「交差」。言語の壁を超える新しいコミュニケーションを創り出してきた〈異言語Lab.〉が、一般から募った出演者とともに、新たな“伝え合う”体験型エンターテイメントに挑みます。

「異言語イマーシブシアター・交差」と書かれたビジュアル画像
異言語イマーシブシアター「交差」(11月6日、7日、8日、9日)

11月9日は、聴者を含む多様な観客がともに楽しめるパフォーマンスを目指す、デンマークの注目劇団〈Teater5005〉の来日メンバーによるトーク。「手話と共に創る舞台芸術」をテーマに、芸術のアクセシビリティと創造性の新たな可能性について語ります。

男性2人が手話の手の形で手を重ねている写真
トーク「Teater5005:手話と共に創る舞台芸術」©Belinda Stoe(11月9日)

ほかにも、1995年の初演以来、全国各地で上演されてきた、ろう者の歴史を辿る不朽の名作演劇「終着駅への軌跡」、現実と幻想の境界に揺れ、精神世界を描く手話劇「オン・ザ・エッジ」」、アメリカと日本における手話監修(アメリカではDASL(※注1))の役割の違いや共通点を探るパネルディスカッション「手話監修とDASLの現場から」などが予定されています。

ちなみに、各プログラムで使用される言語は、日本語、日本手話、国際手話、イギリス手話、アメリカ手話が中心となりますが、どのプログラムにも日本語(音声・文字)、英語(文字)、日本手話、国際手話などによる通訳・文字起こしが用意されます。「手話がわからない」という方でも安心して観覧できます。

※注1「DASL」:ディレクター・オブ・アーティスティック・サイン・ランゲージの頭文字をとったもの。演劇への理解、ろう文化やその歴史への造詣が深く、作品に応じて適切な手話の翻訳や指導を行うなど、作品制作において全面的なサポートをする専門家のこと

“ろう”にアプローチした映画、マルシェ出店者、募集中

現在「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」では、「第二弾プログラム」の上映候補となる映画作品の公募を行っています。ろう視点でつくられた映像作品、もしくはろうにアプローチした映像作品など、フィクション・ノンフィクション(ドキュメンタリー)、短編・長編を問わず募集中です。

エントリーは6月30日(月)まで。概要や応募条件は公式サイトよりご確認ください。

「映画を公募します!」と書かれたGIFアニメ画像

また、芸術祭の期間中に行われるマルシェ「手話の市」への出店者も募集しています。食べ物、ドリンク、雑貨、アクセサリー、ワークショップなど、多種多様な出店者が集まり、手話、筆談、指差し、ジェスチャーを交えながら、誰もが買い物を楽しめる場づくりを目指しています。

こちらもエントリーは6月30日(月)まで。出店概要、区画、料金については公式サイトよりご確認ください。

「手話の市」出展者募集!とかかれたGIFアニメ画像

ところで、今年の11月15日(土)から「東京2025デフリンピック」がスタートします。日本では初の開催となり、1924年にパリで行われた第1回から100周年を迎えます。

また、本芸術祭が行われる杉並区は、令和5年4月1日に「杉並区手話言語条例」が施行され、手話に対する理解促進、普及啓発、環境整備などを通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

手話をはじめとした“目で見ることば”は、今後ますます注目されていくはず。まずは「手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025」に参加し、ろう文化や多様な身体表現に触れてみませんか?

フリンジ企画や映画部門などの「第二弾プログラムラインナップ」の発表は、7月末~8月頃に公開予定。最新情報や当日の見どころなどは、公式サイトやSNSでも随時発信していくといいます。ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。