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北海道の大自然で、難病の子どもたちの“非日常”をまなざす。「そらぷちキッズキャンプ」写真展開催中、3月にトーク&フォーラムも
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【画像】写真展のサムネイル。
主催:公益財団法人そらぷちキッズキャンプ、協力写真家:小西貴士、協力:聖心女子大学グローバル共生研究所

森の案内人が写す、「命」と向き合う子どもたちの姿

自然の中で、子どもたちが夢中で遊ぶ姿を見る機会は、どのくらいあるでしょうか。

転びそうになりながら野原を駆け、時に風の音に耳を澄ませて、冷たい水に手をひたす。人間のコントロールが及ばない世界に、言葉ではなく全身で触れていく姿は、私たちに「生きる」ことの意味をさまざまに想起させてくれます。

〈聖心グローバルプラザ〉で開催中の「そらぷちキッズキャンプ 写真展」に展示されているのは、日々難病と向き合う子どもたちが、3泊4日の自然体験で見せた表情を捉えた写真たち。撮影したのは、森の案内人/写真家の小西貴士さんです。

会期中は、展示パネル2回の入れ替えも予定。また関連して、2026年3月8日(日)には保育研究者・大豆生田啓友さんとのトーク、3月22日(日)には過去のキャンプ参加者や教育関係者が集う「教育フォーラム」も開催されます。

【写真】雪遊びやしゃぼんだま遊びの様子が映った、3枚の展示パネル
小西貴士さんの写真展示。聖心女子大学4号館(東京都渋谷区)にて

日本初、医療ケア付のキャンプ場とは?

写真の舞台である「そらぷちキッズキャンプ」(以下、そらぷち)は、北海道滝川市にある、日本で唯一の医療ケア付きキャンプ場です。

おとずれるのは、国内約20万人の、普段は外に出ることすらままならない日常を送っている難病の子どもたちと、その家族。同じような病気の子どもや家族が集まる「ファミリーキャンプ」をはじめ、年十数回の宿泊プログラムを、約16ヘクタールの広大な土地を使って開催しています。

合言葉は「Serious Fun! =真剣に楽しもう」。一人ひとりにとって、かけがえのない時間となる“4日間の非日常”を、医療や遊びのプロ、そして全国から集まるボランティアが支えてきました。

【写真】冊子の表紙と見開きページを上から納めたもの
職員の思いが綴られた冊子は会場で入手可能。インタビューはWebサイトでも閲覧できます

そらぷちの始まりは、小児医療者たちと公園づくりの専門家たちが出会った2000年ごろに遡ります。そこから、医師・細谷亮太さんたちを中心にテストキャンプを重ね、施設が建設され始めたのは2007年でした。

以来、多くの子どもたちに、ここでしかできない体験への喜びや、家族との大切な思い出を届けてきたそらぷち。想像を超えた変化が子どもにも大人にも生まれるなか、その一端を記録してきたのが、写真家の小西貴士さんでした。

3つの会期にまたがる「そらぷちキッズキャンプ写真展」

【写真】お風呂場であそぶ子どもたちと、髪をとかしあう子どもたちの2枚の写真パネル
小西貴士さんの写真展示より

撮影のきっかけは、そらぷちが動きだした頃、代表の細谷さんが別で開催していた、小児がんの告知をされた子どもたちが参加する「スマートムンストンキャンプ」の自然体験プログラムを小西さんが担当したこと。

その後、森や野原で育つ子どもたちの撮影をしていく小西さんは、「教育」と「持続可能な社会」とを結ぶ活動をさまざまに行う傍らで、施設整備が進むそらぷちにも関わり続けます。そして細谷さんとの出会いから20年以上に渡り、森の中で、食堂で、夜の焚き火の傍で、子どもたちにおとずれる奇跡的な瞬間を捉えてきました。

“撮れば撮るほどはっきり見えてきたのは、「子どもに対する、私たち大人のまごころ」でした。子どもたちが「遊ぶ」「食べる」「休む」「しゃべる」ってどういうことだろう? 子どもたちが「生き生きと生きる場」、そのそばにいる大人もまた「生き生きと生きる場」ってどんな場なんだろう? そんなことがとても素直に見えてくるのです”

(「そらぷちキッズキャンプ写真展」ステートメントより)

そんな小西さんの撮影写真が展示される、2026年1月8日(木)~4月25日(土)の写真展。会場では、そらぷちでのさまざまな場面を表す写真に、小西さん自身が言葉をつけたパネルを見ることができます。

【写真】感謝の言葉が手書きで綴られている
会場には、訪れた感想を書き込めるコメントノートも

会期は2月24日(火)までの「Part1」と、3月21日(土)までの「Part2」、以降の「Part3」の3つ。それぞれの期間で、写真の入れ替えが予定されています。

関連イベントとしての、トークショー/教育フォーラム

【写真】広大な大地や空とそらぷちを納めた2枚の写真パネルが、小さなキャビネットに乗っている
小西貴士さんの写真展示より

また会期中には、小西さんが登壇するイベントも2つ用意されています。

3月8日(日)13:30〜16:00に行われるのは、保育研究者である大豆生田啓友さん(玉川大学教授)とのトークです。東日本大震災以降、毎年2人が開いてきた「Slide & TalkShow 小さな太陽」の2026年版として、聖心女子大学の宮代ホールで開催されます。

会場を交えながら、子どもとともに生きる奇跡や幸せを、一人称で語り合っていく本イベント。運営を、教育学者の汐見稔幸さん(東京大学名誉教授)と小西さんが主宰するエコカレッジ「ぐうたら村」が担い、収益の一部はそらぷちに寄付されます。

【画像】原っぱで遊ぶ大人と子どもの写真をつかった、イベントサムネイル
ぐうたら村会員向けの講座ですが、会員以外も参加可能。共催となる聖心女子大学の学生さんは無料です

3月22日(日)14:00〜16:30には、聖心女子大学教育学科主催「教育フォーラム」も開催。こちらは冒頭に、そらぷちの現場責任者である佐々木健一郎さんが登場し、キャンプ場の実践を紹介します。さらに小西さんのスライドショー、過去のキャンプ参加者でもある河邉貴子さん(聖心女子大学名誉教授)の講演と続き、最後は3人と会場を交えたクロストークが予定されています。

参加は無料で、会場は同じく宮代ホールです。ふだんは日曜と祝日が時間外となる写真展も、この日のフォーラムの前後だけは特別に開館されます。

展示とあわせて、これらのイベントへの参加も検討してみてください。

〈こここ〉のそらぷち訪問記事

2025年初夏のそらぷちで、職員の方々にお話を伺いました。ボランティア参加など、スタッフの仕事に関心がある方は、こちらもぜひチェックを。