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展示、トーク、マルシェ、ワークショップなど“ケア”を楽しむイベント大集結! 下北沢BONUS TRACK「ケアリングノーベンバー2025」
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ペンのような線で描かれたイラストとともに、イベントタイトルと日付が書かれたイベントバナー画像

ケアをテーマにしたさまざまなイベントが開催される1ヶ月

子どもや動物の世話、髪や肌の手入れ、そして介護や福祉の仕事。日々の暮らしのさまざまな場面に「ケア」はあります。

そんなケアをテーマにしたイベント月間「ケアリングノーベンバー2025」が、東京・下北沢の〈BONUS TRACK〉で2025年11月11日(火)〜29日(土)に開催されます。会期中は、「ことば」と「暮らし」をテーマにした体験型展示、「老い」にまつわる演劇ワークショップ、「福祉」や「介護」に関わる商品が集まるマルシェ、「ケア」をテーマにしたトークショーなどの企画が多数開催。

〈こここ〉を運営するマガジンハウスも、一部共催として参画します。

中庭のような場所で、出店する人、買い物する人、テーブルの前の椅子でくつろいでいる人などが集っている
個性豊かな飲食店や物販店がいくつも連なる、下北沢のBONUS TRACK(運営:株式会社散歩社)

介護の日と「ケアリングノーベンバー」

「ケアリングノーベンバー」は、11月11日の「介護の日」にちなんで、2021年から〈BONUS TRACK〉(東京都世田谷区)でスタートしたイベントです。ケアを生活の中や暮らしの延長線上にあるものと捉え、「#11月はケアをしよう」をテーマに、ケアを知り、ケアを楽しむためのイベントを展開してきました。

〈こここ〉も初年度から企画等で参加し、ケアを仕事にするゲストとのトークイベント「スナックふふふ」や、介護や高齢者ケアに関わる仕事と働く人を取材した記事を紹介する展示「ケアするしごと展」、屋外マーケット「こここなイッピン市」の出店、ケアにまつわる書籍の選書企画「こここブックフェア」などを行ってきました。

カラフルな雑貨が並んだテーブルの向こうで、出店者の二人が微笑んでいる
2022年のケアリングマーケット「こここなイッピン市」の様子

今年度もさまざまなイベントやコラボ企画が開催される「ケアリングノーベンバー」。その一部をご紹介します。

【展示】 “わたしの暮らし”をノックすることば展 など

4つの扉の絵のうえに、展覧会タイトルと日程や場所が書かれたバナー画像

イベント期間中毎日開催されているのは、「“わたしの暮らし”をノックすることば展」です。展示期間中、〈BONUS TRUCK〉の中のさまざまな場所に、思いがけない形で暮らしをノックする「ことば」が置かれています。

これらのことばは、マガジンハウス『anan』『POPYE』『こここ』編集部が「ケアという営み」を大事にしている人たちや「介護のしごと」に携わる人へ取材し、生まれたもの。自分の暮らしや誰かの暮らしを問うことばたちに出会いながら、わたしたちの暮らしに必要なケアについて考えてみましょう。展示はBONUS TRACK GALLERY 1 & 広場にて。

また同展以外にも、11月11日(火)〜16日(日)には京都府亀岡市の〈みずのき美術館〉による展示「つくるを支える -みずのき絵画教室から巡り堂まで-」が、26日(水)と27(木)には〈NPO法人PIECES〉による体験型の展示企画「名前のつかないケア展」の開催が、BONUS TRACK GALLERY 2にて予定されています。

【ワークショップ】 OiBokkeShiによる老いと演劇のワークショップ

椅子に座ったワークショップ参加者5人が顔を見合わせて笑っている。右端には、菅原さんがしゃがんで両腕を前に出し、なにかアドバイスをしている様子
撮影:松原豊

岡山県を拠点に高齢者や介護者と共に作る演劇公演などを手掛ける、OiBokkeShi主宰の菅原直樹さんによる演劇ワークショップが、〈BONUS TRUCK〉に隣接する〈世田谷代田仁慈保幼園 Piazza〉で開催されます。

ワークショップでは、ゲームや演劇体験を通して、認知症のある人の世界に近づきながら、向き合い方や関係性のつくり方を考えます。参加費は無料で、事前の申し込みが必要。演劇や介護経験は不問です。

【マルシェ】 福祉や介護に関わる商品が並ぶマーケット

オレンジや黄色をメインに、人の顔や手、犬、家、などが描かれたイラストともに、イベントタイトルと開催日時などが書かれているバナー画像

11月23日(日)・24日(月)は、〈BONUS TRACK〉の 広場でさまざまな「福祉」や「介護」に関わる商品をつくる出店者が集まる「ケアリングマーケット」が開催されます。

今年も〈こここ〉編集部は「こここなイッピン市」として、福祉施設がつくるユニークなアイテムなど全国の“福祉初のプロダクト”の「イッピン(一品/逸品)」をご紹介するコーナーを出店。ぜひ商品を手に取り、会話をしながら、プロダクトが生まれた背景や作り手のこだわりを感じてみてください。

【クロストーク】 ケアをさまざまな視点から考えるトークイベント

期間中、本屋B&Bでは「ケア」をテーマにしたさまざまなトークイベントが開催されます。すべて来店、またはリアルタイム配信と見逃し視聴で参加できます。

・11月12日(水)19:30-21:30 向坂くじら×吉田真一「“セルフケア”は矛盾をはらんでいる?」

「“わたしの暮らし”をノックすることば展」の関連トークです。詩人の向坂くじらさん、訪問介護事業を経営する〈株式会社でぃぐにてぃ〉代表の吉田真一さんとともに、「自分の機嫌をとれないのは自分の問題」という自己責任的な思惑に利用されない「セルフケア」や「ケア」のあり方を考えます。

お二人それぞれのポートレート
向坂くじらさんさん(左)と吉田真一さん(右)

・11月13日(木)19:00-21:00 奥山理子(みずのき美術館)×星野概念「作業と居場所」

展示「つくるを支える -みずのき絵画教室から巡り堂まで-」の関連トーク。文化施設が「よりどころ」になるために、 その周りにある問題点に迫ります。

・11月19日(水)19:00-21:00 中村佑子×小林エリカ「今の世界でケアを考えるってどういうこと?」

シリーズ「ケアをひらく」として刊行されている中村さんの著書『わたしが誰かわからない』や、小林さんの最新刊『おこさま人生相談室』に触れながらのトーク。性別や立場など、あらゆる属性に関わらず本来は誰しも持ちうる「ケアの可能性」や、そうしたケアのあり方が社会に不足していることについて、お二人が今考えていることをお話します。

赤い服を着た子ども、イチゴ、イチゴのヘタを切るナイフなどが描かれ、イベントタイトルが掲載されたバナー画像

・11月20日(木)19:00-21:00 内藤正典×金井真紀「移民と難民ーーあなたとわたしの境とケアのはなし」

長年にわたりイスラム社会や移民問題を研究し、見えない境界が生まれるしくみを明らかにしてきた地理学者の内藤正典さんと、仲間と立ち上げた「難民・移民フェス」を通して日本の現実に光を当て続ける、文筆家・イラストレーターの金井真紀さん。移民や難民の問題を通して、私たちの社会や心のあり方はどのように変化するのか、一緒に探っていきます。

お二人それぞれのポートレート
内藤正典さん(左)と金井真紀さん(右)

・11月24日(月・振休)19:00-21:00 鞍田崇×熊井晃史「『見守る側の創造性』を育む練習場としての公園や広場について」

『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』の著者、哲学者の鞍田崇さんと東京・小金井で障害の有無に関わらず誰もが利用できる公園づくりを行う「play here」を進める熊井晃史さん。「見守る」をキーワードに、よりよい公園や広場の運営について考察する時間を過ごします。

お二人それぞれのポートレート
鞍田崇さん(左)と熊井晃史さん(右)

この他にも、BONUS TRACK GALLERY 2では、VR技術を用いて認知症の症状を本人視点で体験することができる「VR認知症体験会」が開催されたり、本屋B&Bでは「ケアを感じたマンガ」のブックフェアが〈こここ〉の記事と連動して展開されたりするなど、期間中はイベントが盛りだくさんです。

ぜひ、体験したり、話を聞いたり、ものに触れたりしながら、自分を、身近な人を、そして社会を取り巻くケアに思いを馳せてみませんか。