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韓国と日本から「『バリア』ってなんだ?」を考える。キム・ウォニョンさん×川内有緒さんトークイベント
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車椅子で韓国からやってきたウォニョンさんと考える:「バリア」ってなんだ?【K-BOOKフェスティバル サテライトイベント
主催:一般社団法人K-BOOK振興会

障害をテーマにした書籍を刊行した2人の作家によるトークイベント

社会のなかで生きていると、さまざまな不便さや困難に出会うことがあります。それらを生む壁、障害物、境界など(バリア)を少しでも除去(フリー)し、多様な人が自立した日常生活を営めるように、物理的・心理的な環境、制度や情報面での「バリアフリー」化が近年進められてきました。

ですが、いま一度立ち止まって考えてみると、「バリア」って一体なんなのでしょう? どんなところに障壁があり、どのような人がそれらを困難と感じ、どうやったらそれらを無くすことができ、それによってどんな社会が実現できるのでしょうか?

東京都・神保町の〈日本出版クラブ〉で開催される「K-BOOKフェスティバル2023」のサテライト・イベントとして、2023年11月3日(金)に「車椅子で韓国からやってきたウォニョンさんと考える:『バリア』ってなんだ?」と題したトークが開催されます(ライブ&見逃し配信あり)。

登壇者は、作家、弁護士、パフォーマーとさまざまな顔を持つキム・ウォニョンさんと、作家であり、映画監督の川内有緒さん。2人が障害をテーマに執筆した書籍は、日本と韓国で互いに翻訳出版され、いま話題を呼んでいます。

書籍表紙画像。『希望ではなく欲望』(クオン刊)、『サイボーグになる』(キム・チョヨプとの共著/岩波書店刊)、『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』(小学館刊)、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社インターナショナル刊)

翻訳出版されている3冊が話題! キム・ウォニョンさん

モノクロ写真、車椅子に乗るウォニョンさんの横顔
撮影:LeeJEEYANG

骨形成不全症により、日常的に車椅子を使用しているキム・ウォニョンさん。社会学と法学を学び、弁護士として韓国の国家人権委員会などで働いていましたが、現在は主にパフォーマー、作家として世界各国で活動しています。

2022年8月にはドイツのダンスフェスティバルに、今年6月にはスロベニアの野外フェスティバルに、それぞれダンサーとして出演しました。

2022年8月に行われたドイツのダンスフェスティバルTanzmesse(タンツメッセ)にてパフォーマンス「Becoming-dancer」披露するキム・ウォニョンさん

そして、書籍も多数上梓しています。なかでも、テクノロジーや障害、未来の姿などについて幅広く語った『サイボーグになる』(キム・チョヨプとの共著/岩波書店)、誰にでも尊厳と同等な権利があり、美しい存在であり得ることを理性的に論じた『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』(小学館)、“身体”は変えられないが“社会”は変えられるということを、子どもの頃からの実体験を踏まえて綴った自伝的エッセイ『希望ではなく欲望』(クオン)の3冊は、2022年に相次いで日本で翻訳出版されました。

以前、〈こここ〉で連載を持つ森田かずよさんとの対談で、幼い頃から「自身の身体経験と社会との関係性を表現したいと考えていた」と述べていたウォニョンさん。今回の来日では、どのように「バリア」について語るかが注目されます。

映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』でも話題の川内有緒さん

写真、自然の中に佇む川内有緒さん
撮影:齋藤陽道

2022年の「本屋大賞」ノミネート作品となった『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』の著者である川内有緒さん。

書籍執筆のきっかけは、「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」という友人の一言から。その後、全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんと日本各地の美術館を巡り、数々のアートを旅します。

さらに三好大輔監督と共同でメガホンをとり、長編映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』を制作。2023年2月の公開以来、今もさまざまな劇場で上映が続いています。

映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』(予告編)

この映画は「障害がある人が障害を乗り越える話」ではなくて、白鳥さんも含めた「いろんな人の、ごく当たり前の日々」を描いたものなんです。日常の中で、いろんな人と出会ったり話をしたりしながら生きて、影響しあうのが豊かな社会ではと伝えたくてつくったんですね。
ただ、観た人が楽になるといいなとは思っていて。これまで取材をしたなかで、「アートに出会って楽になった」という人がすごく多かったんです。
(「こここインタビュー vol.12」より)

〈こここ〉のインタビューでこのように語る川内さん。今年10月には韓国で書籍の翻訳出版が決定するなど、国内を飛び出して、白鳥さんとの活動が広く知られ始めています。その旅のなかで、これまでどのような「バリア」に気づき、何を感じたでしょうか。

会場とオンラインで開催! 書籍販売や展示・デモブースも

人権、多様性、包括性などがますます重視される昨今。各国でこれまで以上に注目度が高まっているテーマに対し、11月3日の「K-BOOKフェスティバル2023」サテライト・イベントでは、今こそ「バリア」とはなにかをウォニョンさんと川内さんが語り合います。

場所は〈日本出版クラブ〉で、13時半開場、14時スタート。約2時間のイベント中は、手話通訳も行われます。オンラインによるライブ配信や、見逃し配信も予定されているので、会場に出向けない方もチェックしてみてください。

会場内には〈葉々社 BOOKS&PUBLISHING〉の書籍販売ブースも登場。また、〈株式会社アイシン〉の音声をリアルタイムで文字化するアプリ「YYReception Window」など、アクセシビリティに関する展示・デモブースも用意されます。

「K-BOOKフェスティバル2023」のキービジュアル画像
2023年11⽉25⽇(土)・26⽇(⽇)の2⽇間、〈日本出版クラブ〉で行われる韓国文学に触れる祭典「K-BOOKフェスティバル2023」。日本国内で年々人気の高まる韓国の文学、エッセイ、絵本、人文書など、“K-BOOK”をこよなく愛する⼈たちの「もっと読みたい、もっと知りたい」という声に応える本のお祭りです

「バリア」に対する認識は人それぞれかもしれません。もしかしたら日本と韓国の間にも、考え方に対する違いがあるかもしれません。今一度「バリア」について考え、振り返り、発見し、新たな気づきを得て、自分にできることを見つけてみてはいかがでしょうか?