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ジェンダー論基礎講座「わたしたちの『キルジョイ』」が〈ウィングス京都〉で10月から開催、オンラインも
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【画像】チラシの画像データ

“わきまえ”から自由になるためのヒントを探る、3回連続講座

ジェンダーにまつわるトピックスを掘り下げていく、〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉主催のジェンダー論基礎講座が、2023年10月から始まります。テーマは「わたしたちの『キルジョイ』―フェミニズムに学ぶ、“わきまえ”から自由になるためのヒント―」。全3回の連続講座で、専門家による講義と参加者同士の対話から、じっくりと学びを深めていきます。オンラインでも参加できるほか、お子さんの預かり保育も利用可能です。

おかしいことをおかしいと言っただけなのに…「キルジョイ」とは?

今回のテーマとなっている「キルジョイ(killjoy)」とは、場の盛り上がりに「水をさす人」、「興ざめさせる人」を意味する言葉。職場で、学校で、飲み会で、家で。おかしいことをおかしいと言っただけなのに、周囲から白い目で見られてしまった。誰かの言動に違和感や怒りを抱いても、「場をしらけさせてしまうかも」と思い、何も言えなかった…こういった経験がある人は、少なくないかもしれません。

基礎講座ではフェミニズムについて学びながら、“わきまえ”から自由になり、「キルジョイ」に向かう方法を考えていきます。

10月14日(土)に開かれる第1回目のテーマは、「フェミニストとして生きるための『キルジョイ』入門―サラ・アーメッド『フェミニスト・キルジョイ』を読む」。日常の差別や理不尽に声を上げるフェミニストは、しばしばキルジョイだとみなされることがあります。この講座では、作家のサラ・アーメッドさんが記した、キルジョイとして日々を生き抜くためのヒントを読み解いていきます。著書の和訳を担当した、東京大学教養学部教養教育高度化機構D&I部門特任講師の飯田麻結さんが講師を務めます。

第2回目の11月23日(木・祝)は「『キルジョイ』の困難-〈からかいの政治〉を読み解く―」。女性による性差別への抗議運動が盛んだった半面、あざけりも激しかった1970年代。「ジェンダー」という言葉そのものがタブー視されるほどのバックラッシュが起きた2000年代。そして、SNSで差別に声をあげる人たちが可視化された一方で、「フェミ叩き」が行われている現代。時代の変遷を紐解きながら、自分たちらしい「キルジョイ」のあり方を考えいきます。講師は、関西大学他非常勤講師の堀あきこさん(専門:ジェンダー・セクシュアリティ、メディア文化)です。

【写真】女性講師が講義している様子
2022年度の講座のようす

最終回である12月16日(土)のテーマは「『キルジョイ』が描く連帯―障害とジェンダーをめぐって―」。障害のある人が公正な対応を求めると「ワガママ」とバッシングされてしまうことがあります。この構図は、「キルジョイ」に対する社会の反応と通ずる部分があると本講座では考え、障害のある人による運動の歴史をたどりながら、「合理的配慮」や女性の困難について、複合的な視点から考えます。この回を担当するのは、大阪公立大学他で非常勤講師を務める松波めぐみさん(専門:障害学、人権教育)。障害のある人のための条例をつくる際に、障害のある女性たちと共に「複合差別」に関する項目が盛り込まれるよう働きかけた経験があります。

男性・女性、あらゆるジェンダーに関する情報を発信

〈京都市男女共同参画センターウィングス京都〉を運営する〈公益財団法人京都市男女共同参画推進協会〉はこれまで、ジェンダーに関する講座やパネル展、ブックフェアなどを開催してきました。性暴力やDVに関する講座や、LGBTQ+への理解を深める講座なども実施しています。

女性に限らず、誰もが性別に関わらず能力を発揮できるための取り組みを実施しています。2022年11月には、男性に対する性暴力を考える講座を開催。また、男性の生きづらさ、そして支配や暴力にもつながりかねない「男らしさ」を捉え直すハンドブックを発行するなど、さまざまな情報発信に取り組んできました。

オンライン参加や、子どもの預かり保育も。9月末には無料説明会開催

基礎講座は〈ウィングス京都〉にて、90分の講義を受けたあと、参加者同士で45分間意見交換する形で行われます。定員は25名。遠方の方は、後日オンラインで講義部分の録画を視聴できます(定員なし)。チケット料金は、下記Information欄をご参照ください。

【写真】女性4人が机を囲み、話し合っている様子
2022年度の講座のようす

参加したいけど、お子さんの預かり先がなくて困っている…という方は、ぜひ館内にある預かり保育のご検討を。4か月から1歳6か月未満のお子さんは1000円、1歳6か月以上~就学前のお子さんは800円で利用できます。ご希望の方は、チケット購入時にお知らせください。保育の締め切りは9月30日(土)です。

また、参加を決めた方や、参加するかどうかを迷っている方を対象に、9月30日(土)午前10時半から、オンラインで無料説明会が開かれます。基礎講座の概要やポイントの説明が聞けるほか、関心事をシェアするミニ交流会にも任意で参加できます。

おかしいことはおかしいと言いたい。でも、どうすれば良いか分からない。そんな悩みを共有し合い、考え、「わきまえ」から自由になるための一歩を踏み出しませんか。