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「つくる」活動を支え、育てる。画材循環プロジェクト「巡り堂」が7〜8月京都府亀岡にてイベントを開催
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だれかの表現活動を支えた画材が、次の使い手へ「巡る」場

「もう使わないけど、何となく処分したくないなあ……」とモヤモヤして、そのままになっている物はありませんか。押し入れや引き出しの奥に眠る日用品や仕事道具、積んだままの本。自分を支えてくれたものとなると、捨てるのは心苦しいですよね。

京都府亀岡市を中心に展開する〈巡り堂〉は、家庭などで不要になった画材を集めてクリーニングし、再利用につなげる画材循環プロジェクトです。普段はこどもの造形教室、放課後等デイサービス、障害者支援施設などへ無償提供していますが、7月から8月の6日間は特別に作業場を公開し、訪れた人と画材の「出会いの場」を設けます。

古い画材もピカピカに。広がっていく循環の輪

【写真】床に散らばった色鉛筆を拾い上げる子どもの手
撮影 : 梅田彩華
【写真】棚に陳列された色鉛筆やクレヨン、ペンなどの画材
撮影 : 梅田彩華

〈巡り堂〉が始まったのは、家財回収を行う〈一般社団法人ALL JAPAN TRADING〉が、「画材類を廃棄せずにすむ方法はないだろうか」と考えたのがきっかけ。相談を受けた京都府亀岡市の〈みずのき美術館〉とアーティストの親谷茂(おやたに しげる)さんが立ち上がり、2022年からスタートしました。

〈ALL JAPAN TRADING〉が回収する画材は、鉛筆、クレヨン、絵具、習字セット、額など多岐にわたります。〈みずのき美術館〉の向かいにある作業場〈みずのきカフェ〉に届けられると、クリーニング作業が始まります。ボランティアスタッフが一つずつ丁寧に拭きあげ、古い画材もピカピカに。ペンは一本ずつ試し書きして点検し、種類や使用状態、色によって仕分けしていきます。

【写真】古いクレヨンなどの画材を布で拭く手元

画材の提供先は、障害児・者支援施設やワークショップなど。京都市内で開かれた芸術祭や東京都内のイベントにも出展し、循環の輪はどんどん広がりつつあります。

〈みずのき美術館〉は〈社会福祉法人 松花苑〉が運営する美術館。同法人が運営する障害者支援施設〈みずのき〉の絵画教室(1964〜2001年)で生まれた作品約2万点を所蔵し、展示しています。

「創作したいけど、迷っている」という人も

誰かの日常や、創作に打ち込んだ時期を支えた道具たちが、時代や場所を越え、他の人たちの手に渡っていく。〈巡り堂〉の活動は、関わる人みんなで「つくること」を支え、育てるプロジェクトです。

もっとたくさんの人の「つくる」を支えたいとの思いから、7~8月のイベントでは、作業場である〈みずのきカフェ〉を公開します。懐かしい文房具、子どものころに憧れた画材、初めて目にする道具との出会いを楽しみ、必要なものがあれば、自由に持ち帰ることができます。

【写真】箱に入れられた絵具を物色する少年
撮影 : 梅田彩華

公開日は、7月16日(日)、21日(金)、22日(土)、8月20日(日)、25日(金)、26日(土)の計6日間。各日午前と午後の2部制です。ご希望の方は、Information欄記載のフォームから予約してください。

自身で創作活動をしている方、絵画教室やコミュニティスペースに関わっている方、夏休みにお子さんと何か作ろうと考えている方。「創作活動をしたいけど、何から始めれば分からない」という方も、ぜひご参加ください。

【写真】絵具をクリーニングし、仕分けする人の手元