ニュース&トピックス

障害のある人の芸術文化活動が一堂に会する「きいて、みて、しって、見本市。」が〈せんだいメディアテーク〉で1月27日より5日間開催
イベント情報

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 障害のある人の芸術文化活動が一堂に会する「きいて、みて、しって、見本市。」が〈せんだいメディアテーク〉で1月27日より5日間開催

ふたりの人の頭が背中合わせになっていて、いろいろな会話や発見が生まれている様子がイラストで描かれた、イベントバナー
2024年1月27日(土)〜31日(水)の5日間〈せんだいメディアテーク〉で開催される第6回「きいて、みて、しって、見本市。」

障害のある人の芸術活動に、多様な角度から触れられるイベント

「障害のある人と芸術文化活動」に関する、個人・団体・活動を紹介するイベントが、2024年1月27日(土)〜31日(水)までの5日間、〈せんだいメディアテーク〉(宮城県仙台市)で開催されます。アトリエ活動を行う福祉施設をゲストに迎えたトークイベントのほか、ワークショップや活動の体験会、資料の展示、ポップアップストアなど、表現する人たちの活動をさまざまな角度から知り、深めることができる見本市です。

会場に活動を紹介するブースが並び、その前で人が会話している
昨年の見本市での「障害と芸術文化のブース」より(撮影:三浦晴子)

「きいて、みて、しって、見本市。」を運営するSOUPについて

本イベントを主催するのは、〈NPO法人エイブル・アート・ジャパン〉の東北事務局。〈障害者芸術活動支援センター@宮城〉(愛称:SOUP・スウプ〉を運営し、相談支援や人材育成、関係者のネットワークづくり、障害のある人が鑑賞・創造・発表する機会をつくるなど、宮城県仙台市を拠点に障害のある人とアートをつなぐさまざまな事業を展開しています。

「きいて、みて、しって、見本市。」は、その取り組みの一環として開催され、障害のある人やその支援者、障害のある人と活動をしてみたい個人や団体などが、表現活動の場をみつけたり、相談したり、交流したりできる場になることを目的に、2019年より毎年開催されてきました。

トークイベントや体験会、3つのプログラムをご紹介

見本市で企画されているトークイベントや活動の体験会など多彩なプログラムの中から、3つご紹介します。

・「共に学び、生きる共生社会コンファレンス東北ブロック」
日時:1月27日(土)10:00〜16:00

「障害のある人もない人も共に学ぶ場」をテーマに、第1部では、障害のある人たちと取り組む学びのプログラムの体験会が開かれます。2グループに分かれ、1つのグループは聞こえない人や聞こえにくい人による「手ではなすおはなし会」の見学と言葉に頼らない身体を使ったワークを、もう1つのグループは、障害のある人もない人も語り合う「てつがくカフェ」を体験します。続いて、障害のある人とない人が共に学ぶプロセスについて、学びの場「スウプノアカデミア」に関わった人たちの語りを聞きながら、共に考えます。

第2部は、「語りからはじまる学び」をテーマにしたトークを実施。障害のある人と障害のない人が分離されてしまっている現状を踏まえて、仙台で障害のある人との共生社会をめざす「とっておきの音楽祭」や「みやぎアピール大行動」などの活動や運動を紹介します。また、障害のある人の解放運動が取り組まれていた時代に、障害のある人の生と運動を支えていた青年たちの証言に耳を傾け、共に生きる社会へ向けた道の拓き方を考えます。

椅子に座り、話者の話を聞く人たちの後ろ姿。正面には大きなスクリーンもある
トークイベントは、手話通訳と要約筆記の情報保障があります

・障害のある人とつくるパフォーミングアーツ研究会
日時:1月28日(日)14:00〜16:00

宮城県内でも、障害のある人とつくる音楽・演劇・ダンス・人形劇など、パフォーミングアーツの活動が多様化しています。聞こえる人と聞こえない人が一緒に踊るダンスワークショップ「さぐるからだ、みるわたし」を主催する、〈さぐる・おどる企画〉の渋谷裕子さん、障害のある人と人形劇ワークショップに取り組む〈人形劇団ポンコレラ〉の工藤夏海さん、〈NPO法人エイブル・アート・ジャパン〉の髙橋梨佳さんら実践者による報告を通して、活動の現在地を知ります。

また、ワークショップや支援事業を展開する〈NPO法人アートワークショップすんぷちょ〉の及川多香子さんと〈特定非営利活動法人明日のたね〉の菊地将晃さんによる対談では、人材育成や環境形成の観点から、表現活動の可能性や今後の展開について語り合います。

二人一組で輪になった紐を持ち、右の人はしゃがみ、左の人は立っている。周りの人も紐を持って動いているようである
2022年11月開催のダンスワークショップ「響きと踊ろう」仙台会場より(撮影:小田島万里)

・Art for Well-being 表現とテクノロジーのこれから
トークイベント「アートとウェルビーイング〜表現すること、生きること。〜」
日時:1月30日(火)14:00〜16:00

アートとケアの視点から多彩なアートプロジェクトを展開する団体〈一般財団法人たんぽぽの家〉の主催で行う「Art for Well-being 表現とテクノロジーのこれから」では、AIR Lab アーツ・プランナー/リサーチャーの菅野幸子さん、元東北芸術工科大学教授の片桐隆嗣さん、東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科教授であり〈未来派図画工作〉主宰の鹿野護さんらが登壇。たくさんのテクノロジーが生み出され、表現の選択肢が広がる現代において、改めて表現することと生きることついて、教育や社会、デザインなどの視点も交差させながら、深掘りしていきます。

なお、29日(月)と30日(水)の2日間は、VRアプリ「CAST」の体験ができるほか、3Dプリンターを活用した自助具や自発的な意思表示を促すコミュニケーションツールも展示されています。

VRゴーグルを装着して、手にコントローラーを持った二人が向かい合って身体を動かしている
VRアプリ「CAST」を使ったワークショップの様子(撮影:Natsumi Kinugasa)

トークイベントはいずれも、参加費は無料。WEBサイト内の申し込みフォームよりお申し込みが必要です。イベントの詳しいタイムテーブルは、WEBサイトでご確認ください。

ご紹介したプログラムの他に、宮城県内で活動する個人や団体の活動や作品紹介、県内の福祉施設が手掛けるお菓子と雑貨を取り揃えたポップアップストア、バリアフリー図書資料の展示、子どもから大人まで参加できるコラージュワークショップなど、企画が目白押しです。

昨年も県内外から多くの人が訪れたという本イベント。障害のある人の芸術活動の機会や場を探している方はもちろん、表現活動に触れてみたい方や体験してみたい方も、ぜひ〈せんだいメディアテーク〉に足を運んでみませんか。きっと新たな人・モノ・こととの出会いがあるはずです。

ギフトが並んだ屋台の前に人が立ちお土産ものなどを眺めている
宮城県内の福祉施設がつくるお菓子と雑貨を扱うポップアップストア「ひだまりのギフト展」(撮影:三浦晴子)