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森田かずよさんと「みんなでつくるダンス公演」ドキュメンタリー上映&活動報告会
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【画像】〈みんなでダンス in ibaraki〉プロジェクトのパンフレット。2024年02月03日(土)14:00開演、13:30開場、13:00受付開始
『だから、あなたと奏でるカラダ』 のドキュメンタリー上映と、舞台に関わったメンバーのトークセッションが開催されます

義足のダンサー・俳優の森田かずよさんと共につくった舞台、制作の裏側を公開

年齢、性別、国籍、ダンス経験や障害の有無は問わず、「多様な人と踊ってみたい」という参加者を募り、ダンスを通じて相互理解を深めながらひとつのステージをつくり上げていく、大阪府茨木市の市民参加型プロジェクト〈みんなでダンス in ibaraki〉。

2023年度の活動風景や、12月に茨木市で行われたダンス公演『だから、あなたと奏でるカラダ』の舞台制作の裏側などを撮り収めたドキュメンタリーの上映会が、2024年2月3日(土)に開催されます。上映後にはトークセッションも行われ、入場は無料です。

【写真】性別も年齢も服の色もさまざまな大勢のメンバーが、車椅子のメンバーを真ん中に舞台上で空に向かって手を伸ばしているシーン
2020年にスタートし、2023年には文化庁の「障害者等による文化芸術活動推進事業」に採択された〈みんなでダンス in ibaraki〉。写真は2023年12月に行われたダンス公演『だから、あなたと奏でるカラダ』のワンシーン(撮影:井上嘉和)

“共に生きる”ことや、他者との“つながり”を考える〈みんなでダンス in ibaraki〉

〈みんなでダンス in ibaraki〉とは、追手門学院大学地域創造学部・草山太郎准教授のゼミが発端となって2020年春にスタートした企画。〈こここ〉の連載「森田かずよのクリエイションノート」の著者でもある、義足のダンサー・俳優の森田さんをダンス講師に迎え、ゼミ生や一般参加者と“共に生きる”をテーマとした座学やワークショップを重ねながら、身体を通じた他者とのつながりを考えてきました。

本プロジェクトにはさまざまなワークショップが用意されています。なかでも、9~11月の3カ月間で計12回の練習を重ね、12月には舞台本番を迎える「みんなでつくるダンス公演」は、本プロジェクトの中心的な活動として位置づけられています。

参加者の多様性と表現力を披露した『だから、あなたと奏でるカラダ』

2023年度のプロジェクトには、障害のある人とない人、年齢も小学生から80歳代までの、多様な38名が参加。森田さん、追手門学院のゼミ生、過去にも参加したことがある常連メンバー、初参加となるメンバーが、ダンス創作を通じて交流を深めました。

慣れないコミュニティに戸惑うメンバーには、ゼミ生や常連メンバーが丁寧にフォロー。ワークショップ中は、和やかな雰囲気に包まれることもあれば、真剣な話し合いのなかでヒートアップする瞬間もあったそう。

そんな試行錯誤、話し合い、助け合いのなかで12月の公演『だから、あなたと奏でるカラダ』に向けてダンスを完成させていきました。

【写真】森田さん、ゼミ生、参加者の5名が公演会場で打合せをしている様子
(撮影:茨木美術協会)

12月3日、最後の公演は森田さんのソロダンスからスタート。アコーディオン奏者・かんのとしこさんの生伴奏のもと、群舞、少人数からなるシーン、ダンスと身振りで表現する演劇のようなシーンと、8つの異なるテーマで参加者たちの多様性と表現力を披露しました。

【写真】真っ暗なステージで空に手を伸ばす森田さん
オープニングを飾った森田さんのソロダンスシーン(撮影:井上嘉和)
【写真】ステージ上で思い思いにダンスを踊るメンバー達
38名のメンバーがコンテンポラリーダンスを通じて、異なる身体の表現を披露(撮影:井上嘉和)

このプロジェクトへの参加をきっかけに、さまざまな心身の変化につながったメンバーも。

ダンスが生きがいとなり、笑顔が戻ってきた人。メンバーと打ち解けるにつれて、自分の思いや夢を語れるようになった人。新メンバーに積極的に声をかけたり、振付けの提案も行うようになった3年連続の参加者。自分の変化を契機に、家族との関係が良好になったというメンバーもいるようです。

「カンッ、カンッ」と文字が入った舞台の背景幕と、ステージ上にたたずむ参加者の公演の風景
観客のなかには、過去の参加者やゼミの卒業生も。毎年開催される公演が再会の場となり、つながることの喜びや大切さ、次に向かう原動力にもなっているという(撮影:井上嘉和)

公演では見られなかった未公開映像も! ドキュメンタリー上映会

今回、〈みんなでダンス in ibaraki〉に向けた3カ月12回の稽古の様子や、泣いて、笑って、悩みながらも真摯に取り組んできた参加者たちの練習風景など、舞台制作の裏側を映像に収めたドキュメンタリーが制作されました。

その完成した映像の上映会と活動報告会が、2024年2月3日(土)、「茨木クリエイトセンター・センターホール」(大阪府)で行われます。

ドキュメンタリーには、困難を乗り越えるメンバーの姿、真剣な表情、舞台制作に携わったスタッフやキャストの熱意や努力、感動の生まれた瞬間などを映像で捉えたほか、出演者のインタビューも収録。

また、上映後にはトークセッションも予定されています。本映像の制作者・久保田テツさん、森田かずよさん、ソーシャルアートに関する著作があり芸術文化活動に詳しい大澤寅雄さん、追手門学院大学地域創造学部地域創造学科准教授・草山太郎さん、草山ゼミ生などが、これまでの活動を振り返りつつ、プロジェクトの継続性、地域コミュニティの形成などについて語ります。

【画像】プログラム内容、鑑賞サポート、申込方法などが記載された、ドキュメンタリー上映会のパンフレット裏面。2024年02月03日(土)14:00開演、13:30開場、13:00受付開始

入場は無料(事前申込制)。会場には、補助犬同伴や車椅子での鑑賞スペース、手話通訳、点字プログラム配布、ヒアリングループといった鑑賞サポートも用意されています。

〈みんなでダンス in ibaraki〉にご興味のある方、今後プロジェクトに参加してみたい方、過去に参加した方など、ぜひチェックしてみてください。

また、プロジェクトを主催する〈茨木市文化振興財団〉は、舞台公演をゴールとする本企画とは別に、多様な人が集う文化芸術活動の日常化を目指す単発のダンスワークショップも森田さんと実施しています。現時点では2024年2月3日(土)、3月16日(土)に予定されており、次年度も継続予定です。こちらも参加費は無料。詳細は茨木市文化振興財団の公式サイトをご覧ください。