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ホスピタルアートに取り組む〈NPO法人ワンダーアート〉が「わ!ワ!WA!はじめましてのWonder Art大展覧会」を開催。5月28日から4日間
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「わ!ワ!WA!はじめましてのWonder Art大展覧会」のポスター画像

地域住民への“ご挨拶”を兼ねた、ボーダーレスアートの展覧会

2022年4月、〈こここ〉のニュースでご紹介した「医療用ウェア×子どもたちのアート作品コラボレーション」。そのアート作品を手がけた〈NPO法人ワンダーアート〉が、障害の有無を超えた“ボーダーレスアート”を展示する「わ!ワ!WA!はじめましてのWonder Art大展覧会」を2022年5月28日(土)~31日(火)の期間で開催します。

場所は、美術や映像文化の活動拠点としてひらかれた、宮城県仙台市の〈せんだいメディアテーク〉。市民図書館、ミュージアムショップ、貸しスタジオ、相談受付カウンターなどが置かれ、幅広い世代の人々の交流の場として機能する複合施設です。

〈NPO法人ワンダーアート〉は、医療・福祉・被災地など命と心に関わる現場でアートプロジェクトを行い、あらゆる人の生きる力を応援してきました。2020年から仙台に拠点を構え、2022年に就労継続支援B型事業所を開設したばかり。改めて地域への“ご挨拶”を兼ね、これまでの20年来に渡る活動内容や、そのなかで生まれたアート作品を紹介する展覧会です。

「わ!ワ!WA!はじめましてのWonder Art大展覧会」のチラシ裏画像

ホスピタルアートを軸に活動する〈NPO法人ワンダーアート〉とは?

〈NPO法人ワンダーアート〉は、無彩色になりがちな医療の現場に色彩をもたらす「ホスピタルアート」で患者の生きる力を応援したいと、美術館のキュレーターであった高橋雅子さんが1999年にスタートさせました。

ホスピタルアートとは、医療現場にアートを導入し、より前向きに治療と向き合えるための時間と空間をつくり出すプロジェクト。作品を装飾するだけでなく、患者と一緒に壁を塗り替えたり、ペイントを施したりと、皆で空間を創造していく活動です。患者だけでなく、家族や医療従事者も主体的にかかわることで、コミュニケーションや連帯感が深まり、患者の心のサポートにつながっていきます。

そのような活動をベースに、東日本大震災直後に被災地の子どもに向けたアートプロジェクト「ARTS for HOPE」を敢行したり、障害のある子どもや人々が安心して過ごせる居場所であり創造の場である〈Wonder Art Studio〉をオープンしたりするなど、さまざまプロジェクトを行ってきました。

高橋雅子さんと子どもがふれあう様子
ホスピタルアーティストであり、法人代表の高橋雅子さん(右)。アメリカのWestern Michigan University芸術学部を卒業し、国内外の美術館のキュレーターや美術教育プログラムなどに携わってきました

2020年にはNPO法人を立ち上げ、仙台に拠点を構えます。〈Wonder Art Studio〉に通う子どもたちの親から、特別支援学校卒業後の不安を度々耳にしたことから、2022年には就労継続支援B型事業所〈Wonder Workers〉を立ち上げることに。自分の“好き”を仕事にして、毎日を笑顔で過ごせるアートの仕事場づくりがスタートしています。

これらの約20年に渡る活動を一挙に紹介し、地域住民にアートに触れてもらい、知ってもらう機会にしたいと企画されたのが本展です。

あの「ノッポさん」もやってくる! 展示のほか、ワークショップなども実施

「わ!ワ!WA!はじめましてのWonder Art大展覧会」のチラシ画像2

「わ! ワ! WA! はじめましてのWonder Art大展覧会」は、3つの展示内容で構成されています。

メインとなる「スタジオアーティストたちの作品展」では、障害のある人、ない人、子ども、大人と、約40人のアーティストが自由にのびのびと創作活動を行う〈Wonder Art Studio〉で生まれた、個性豊かな作品が展示されます。

Itsuki Ariga

「出来立てほやほやアートの仕事場」のコーナーでは、障害のある人が自分の“得意”や“好き”を仕事にし、毎日を楽しく過ごす就労継続支援B型事業所〈Wonder Workers〉を紹介します。事業所での活動内容や、誕生したコラボレーション商品などを展示します。

〈NPO法人ワンダーアート〉と〈株式会社クラシコ〉のコラボレーションで生まれた医療用スクラブのイメージ写真
医療用品の企画・製造・販売を行う〈株式会社クラシコ〉が、「スクラブをキャンバスに。もっと楽しく。」をコンセプトにした新スクラブライン「Scrub Canvas Club」。その第一弾に〈Wonder Workers〉のメンバーの作品が採用されました

「ワンダーアートを大分解」では、ホスピタルアートの取り組みや、被災地応援活動、1999年から現在までのヒストリーなど、「ワンダーアートはこうして生まれた!」をテーマに〈NPO法人ワンダーアート〉のすべてを紹介します。

年代も性別も問わずにものづくりを楽しむ「Happy Doll Project」でつくられたぬいぐるみ。東日本大震災の被災地の避難所や仮設住宅では、高齢者の方も一緒に制作し、数千点に及ぶHappy Dollが完成しました

さらに、イベント・ワークショップも充実しています。5月28日(土)のイベントには、スペシャルゲストにNHKの「できるかな」で人気を博したノッポさんと、相棒のキミちゃんが登場。どんなステージになるかは、当日のお楽しみです。

ほかにも、デザインやアートに知見のあるゲストと代表の高橋さんのトークイベント、大型ワゴン車へのペイントイベント、スタジオや事業所に通いたい方の相談コーナーも用意されています。

ペイントが施されているワゴン車の画像
〈NPO法人ワンダーアート〉の活動に欠かせない、相棒というべきワゴン車にペイントを施すイベントも実施

誰もが活かされる社会を目指し、ボーダーレスなアート活動を行ってきた〈NPO法人ワンダーアート〉の全容を知るチャンス。すでに同法人の活動をご存じの人も、はじめましての人も、お出かけしてみてはいかがでしょうか?