福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉

2時間スペシャルって、ちょっと複雑。生活から生まれた詩(うた)、投稿作品発表! 〜次回募集テーマは「駅ビル」「豆腐」「勘違い」 ムラキングとみんなの詩(うた) vol.04

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★この連載は、日常の切実な気持ちを言葉にしてきた妄想恋愛詩人ムラキングと、その活動に伴走する水越さんを、〈こここ〉編集部メンバーが訪ねていく連載「ポロリとひとこと」から生まれた、「詩」にまつわる読者参加型企画です。記事の最後に、次回の作品募集も掲載していますので、ぜひふるってご参加ください!

第3回テーマに寄せられた4作品を紹介します

妄想恋愛詩人・ムラキングと〈こここ〉編集部による連載「ムラキングとみんなの詩(うた)」。「生活から生まれた切実な詩」を読者のみなさんから募集して紹介する読者投稿型連載です。今回も、寄せられた作品を眺め味わいながら、その人が送っている日常の手触りや、誰かにとっての切実で大切なことを想像して、ラジオ番組のようにあれこれとおしゃべりしていきます。

第3回の募集テーマは「失敗」「目玉焼き」「2時間スペシャル」。今回も多数寄せていただいた作品のなかから、印象深かった4本をご紹介します。

登場人物紹介

  • 妄想恋愛詩人ムラキング:1981年生まれ。高校生時代から詩を書きはじめ、即興で詩を書くのが得意。認定NPO法人クリエイティブサポートレッツの就労継続支援B型を利用している。
  • 水越雅人:認定NPO法人クリエイティブサポートレッツのスタッフ。同い年のムラキングと出会って10年になる。
  • 中田一会:こここ編集長
  • 岩中可南子:こここ編集部メンバー

埋めることと、ぶつけること(ジャンボ餃子ミニさんの詩)

1作目はジャンボ餃子ミニさんの詩です。テーマの「2時間スペシャル」にまつわる作品です。

なんだ、来週は休みか。
そんで再来週2時間か。
とてもがっかりする。
少しワクワクする。
ちょっとうんざりする。

途中で眠くなってしまう。
お皿を洗いたくなってしまう。
お風呂に入りたくなってしまう。
もったいない。
でもしかたない。
体はそういうふうにできている。
だからあなたが勝手なことをすると、
私は諦めちゃうんですよ。
知ってた?
今初めて言う。

大好きだけど、
いない分を増やして欲しいんじゃないんだよなあ。

私はあなたと毎週この時間、
真剣に向き合いたいのだ。

大好きだから。

こここ・中田

「ご本人からは『毎週水曜と言ってるくせにほぼ不定期放送で特番ばっかりの大好きなバラエティ番組へ愛を込めて』とコメントをいただいております。そういうことだったんだ。作中の『あなた』は、番組MCの芸人さんの可能性がありますね」

こここ・岩中

「番組への愛を詩にしてくれたんですね」

ムラキング

「そういうことか。いい台詞が並んでいて、てっきり人間関係のことを表現しているのかと思いましたけど、オチとの対比が面白いですね」

こここ・中田

「2時間スペシャルにしなくてもいいから、毎週ただ向き合ってほしいんでしょうね。ここまで楽しみな相手や時間があることは、この人にとっては切実なことですよね」

ムラキング

「最近のテレビって野球中継が抜けたぶん、放送時間がズレることって少なくなりましたよね。僕はそのせいで録画が途中で始まってしまったりと悲しい思いをしながら成長してきましたが、この詩の人の場合は、これはこれで、頻繁にスキップになってしまうのはしんどいですよね。これまではズレながらも観られたけど、この場合、今週分は諦めなきゃいけない。しかもその結果を踏まえて、翌週も観なきゃいけないから」

こここ・中田

「そう、諦めなきゃいけないのに、楽しみにするまでの時間が伸びるっていうのがね。好きな人がいるとウキウキする反面、悲しいことも増えるのと同じだ」

こここ・岩中

「大人になると、期待した分、そうならなかったときに悲しみが倍になって自分に返ってくるから、あんまり期待しないようにしよう、って思うことが増えますよね。子どもの頃は、大好きな番組がお休みだったり、予定していたお出かけに行けなかったりして、めちゃくちゃ悲しくて悔しかったのに。この詩を読んで、その気持ちを思い出しました。この詩の人は悲しいことを悲しいって言える、その素直さがいいなあって」

こここ・中田

「インターネット配信や動画に慣れると『観たい』と思ったらその瞬間に再生すれば観られるから、そういう感覚って薄れていたかも。最近はいろんなことを諦めるようになって、自分を傷つけない方法がちょっと得意になっちゃった」

ムラキング

「いいことじゃないですか。感情をもってきっぱなしで行動すると自分もイライラするし、それを見た相手もイライラするし。その繰り返しが僕苦手です」

こここ・中田

「ムラキングはこんなふうに悲しいとき、なにをしてますか?」

ムラキング

「詩ですね。写経的なはたらきもあるので、それで落ち着いて諦める。諦められないときは強引につっついて、相手の空気を抜いて、抜いたまんますーっと通り過ぎるんですよ」

こここ・中田

「なんだか合気道みたい。対人関係合気道」

ムラキング

「でも、ムラキングのためにしたことなのにって言われてしょげることもありますし、実際の成功は五分五分ですね」

レッツ・水越

「本当は諦められてないときってあると思うんです。この詩を寄せてくれた人も『大好きだから。』と残していますが、なんとか自分を和らげようとしている気もする。そもそも単純に気分を変えることって難しい。みなさんどうやって気分を変えてますか?」

こここ・岩中

「ショックを長引かせたくないから、いろいろな解消法を自分のなかで見つけて、違うもので代用して『平気、平気』って言い聞かせるようにしているんだろうなと思います。期待しなければ自分が安定するかもしれないけど、期待をしなくなればなるほど、希望もなくなっていくから、やっぱり期待はしたい。そこのバランスですよね。ものわかりよくなるばかりじゃなくて、この詩みたいに気持ちをぶつけるのもいいなと思いました」

こここ・中田

「埋めるんじゃなくて、ぶつける。それってちゃんと期待している証拠ですしね。手放すとすごい楽ですけど、期待を手放すことは同時に、人生を味気なくさせてしまうことだったりもしそう」

こここ・岩中

「でも、期待が『自分の思い通りにしたい』みたいなコントロール欲求の裏返しになるのも嫌だから、そこは執着せずにいきつつも、期待することの希望みたいなものも大切にしたいな。そのへんは最近モヤモヤと考えます」

こここ・中田

「いいですね、“大人”だあ。推しがなんでも自分に与えてくれるわけじゃないし、一方で『自分の機嫌は自分でとる』みたいな言葉も、ちょっと怖いなと思うし……すごく悩ましいけど、この詩と一緒に考えられることはたくさんありそうですね。それもこれも、この方の生活から生まれた切実な言葉だからだろうなあ」


同じ時代を生きる人々の歌(satoruさんの詩)

次の作品はsatoruさんの作品。タイトルは「若気の至り」、テーマは「失敗」「目玉焼き」「2時間スペシャル」です。

川沿いの夜の2時間スペシャルは
ぼくたちの失敗

時は巡り

今は朝
妻が焼いた
目玉焼きを食べる
ちょっと失敗してるけど
このくらいは平気さ

そっと思い出はポケットにしまって
家を出る
夜のバイパス大急ぎで帰る
そうさ ぽくらは 宇宙人

禁断のデザートほおばって
明日も同じような予定を
乗り切るのさ

こここ・中田

「キリンジの『エイリアンズ』という歌をもとに作った詩だそうです。ちょっとアンサーソング仕立てになっているのかもしれませんね」

こここ・岩中

「寄せていただいた詩も、歌詞っぽさがあるというか、言葉選びにシティポップのかおりがしますね」

ムラキング

「この最初の部分は、森田童子の『ぼくたちの失敗』のことを指しているのかなあ。確かドラマ『高校教師』の主題歌でしたよね」

こここ・岩中

「どうでしょう。でもなんだか、同じ世代の気配がします」

こここ・中田

「ちょっと自分が主人公になれる感じの詩ですよね。何気ない日常にも『禁断のデザート』が登場するし、思い出は『ポケットにしまう』し。言葉が添えられるだけで、ただ焦げた目玉焼きを食べて家を出て、今日も明日も同じ予定を乗り切っているだけなのに、それが特別なものになる。ロマンチックですね」

ムラキング

「いいですね。こうやって一つの詩の中にいろんな要素があって」

こここ・中田

「その人が生きた時代の歌やドラマが潜んでいる感じ」

こここ・岩中

「同じ時代を生きていると、こうして共有できますよね」

レッツ・水越

「僕は単純に『夜の2時間スペシャルの失敗』という言い回しが面白かったですね。詩を追ううちに本当にドラマみたいだなと思えてきて。だけど僕、この『宇宙人』がわからないんですよ。意外と順調で淡々としている日常と、『ぼくたちの失敗』が対比しているのはわかる。わかるんですけど、宇宙人って誰のことなんだ」

こここ・中田

「うーん。詩の冒頭にいる『ぼくたち』と、宇宙人である『ぼくら』は同一人物なんでしょうか。すごくパートナーとの生活を大事にしていそうだけど『川沿いの夜の2時間スペシャル』が妻に言っていない秘密の思い出にあたるのかな。タイトルに『若気の至り』とあるし」

ムラキング

「まあ、時はめぐってるから大丈夫ですよ」

こここ・中田

「妻との生活が地球人らしいとしたら、あのとき秘密を共有したぼくらは宇宙人的な、人間の常識ではないところで何か大失敗をしたと……段々と色っぽい展開にも感じられてきましたね」

レッツ・水越

「でも時はめぐってるからなあ。しかもそれは思い出ではなく『失敗』なんですもんね」

こここ・岩中

「そんなに後悔している感じもしないですよね。ずっと日常を送りながら、淡々ともうひとつの思い出を持ち続けているようにも思えます」

こここ・中田

「今の地点の私からこの詩を読むと『あら、かわいいわね』と思えるところもあって。若気の至りを大事な秘密として、それが時折思い返す『禁断のデザート』なんだとしたら。この人は後ろめたいのかもしれないけど、パートナーへの愛情も感じるし、真面目で愛らしい方だなと感じますね」

レッツ・水越

「僕、実はパートナーさんのほうも“宇宙ネタ”を持ってるんじゃないかと睨んでます」

こここ・中田

「あはは! いいですね。もしかしたら、そっちはそっちで、宇宙が崩壊するから言えないくらいの秘密を抱えているのかも。『ドラマみたいな詩だね』って話していたら、なんだかすごいドラマの予感がしてきました」 


どんなふうに焼いても食べても美味しい(jamさんの詩)

次の作品はjamさんの詩です。テーマは「目玉焼き」「失敗」です。

黄身がやぶけて溢れてしまった目玉焼き
なんだか私に似ているなとは思った
なんとかリカバリーしようと菜箸で動かすとどんどん崩れていく

お手本通り、まん丸で、白身がちゃんと白くて気泡が入ってなくて、黄身はオレンジ寄りの鮮やかなイエロー、焼き加減も生すぎず固くなりすぎず
そんな目玉焼きのように私は
なりたかったのだろうか

出来上がった「目玉焼き」なのかもわからない、卵を焼いて出来上がったものに醤油をかけた
(卵は良い 塩でも醤油でもソースでもケチャップでもなんでも受け止めてくれる)
きちんと美味しい 食感も悪くない
なんだ、いいじゃん

私も、きっとこの「目玉溢れ焼き」のようにどこか不格好に生きていて、理想を追い求めたけど、それって尊いことなのでは?食べたらちゃんと美味しいのでは?失敗なんてないのでは??
卵が少ししょっぱくなった

これからはわざと目玉を崩して焼こう
溢れさせてみよう
オリジナリティを追求するのだ
「目玉焼きって200通りあんねん」

ごちそうさま

ムラキング

「いいですね。この詩を読んでいて思い出したんですけど、僕のおばあちゃんは必ずサニーサイドアップで焼くんですよ。途中で水を入れて、蒸し焼きにして」

こここ・中田

「うちも蒸し焼きだ。母からそう教わりました。ご飯にのせてポン酢で食べるのが好きです」

こここ・岩中

「うちは蒸したり、ひっくり返したりせずそのまま焼きます。黄身が半熟よりな感じです。そのまま塩で」

レッツ・水越

「僕も蒸し焼きですね。途中で水をちょっと入れて、蒸して、半熟を目指します」

こここ・中田

「みんな目玉焼きの正解が違うのが面白いですね。この詩の作者さんからは、こんなコメントをいただいています」

最近ちょうど、目玉焼きって失敗したもののほうが可愛くないか? 黄身が溢れるってエネルギーが溢れてるように見えない? なんて考えていたのですごいぴったりなテーマ! と思い勢いで投稿しました。 お手本のような目玉焼きがマジョリティであり 崩れた目玉焼きがマイノリティであるなら 彼らの存在を愛したいと思いました。 私の娘も「目玉溢れ焼き」のような子なので。伝わったら嬉しいです。

こここ・中田

「詩の本編で『卵が少ししょっぱくなった』のは、やっぱり涙が落ちたからなんですかね?」

こここ・岩中

「うん、自分や娘さんのことを考えているのかなと私は感じました。こうじゃなきゃいけないという思いがずっとあったのかもしれませんね」

ムラキング

「このコメントにあるマジョリティとマイノリティの捉え方、どう考えたらいいんだろう。人間って難しいな」

こここ・中田

「jamさんはもしかしたら、目玉焼きの話を社会全体に当てはめたいわけじゃないのかも。みんなにそう思ってほしいというよりも、自分と娘さんの関係や、はみだしてしまうことに対する自分の受け止め方、腑に落ち方、例え方がなかなか定まらなかったのかもしれない。それが『目玉溢れ焼き』を作ったことで、少し見出せたんじゃないでしょうか。

私も最近、こんなふうに一生かかって腑に落ちるかどうかが、人間としての生活なのかもなって思います。このような状況に生まれてきたことをやっと受け止めて、一言話せたくらいで一生を終える、みたいなところがあるよなあって。こんな壮大なことって……と思うけど、その一歩が大事だし、このjamさんが『目玉溢れ焼き』を作れたときにようやく折り合いがついた、『生きた』って感じがするのかなあって勝手に想像してました。

……といろいろ語ってしまいましたが、目玉焼きってなんにでも合うし美味しくって素晴らしい。そして、どう焼いても美味しいと思える、そのことが本当に大切ですね」


本人が幸せそうだからやっぱり“いい話”?(じゃじゃこさんの詩)

次はじゃじゃこさんの作品。タイトルはお題と同じく「目玉焼き」です。

「目玉焼き」

佐藤さんと好物の話になった
佐藤さんの好物は「目玉焼きハンバーグ」
佐藤さんのパートナーが作ってくれる

目玉焼きは
佐藤さんが
「目玉焼きのせてよー」と
お願いした時しかのってない

鼻にかかった甘えた声で
「目玉焼きのせてよー」と
お願いするらしい

お願いしなければのってないけど
お願いすればのせてくれる

佐藤さんのパートナーが
どんな気持ちで目玉焼きを焼いているかは
私には分からない

しかしながら、佐藤さんは結構幸せそうで
私もいい話だと思った

佐藤さんの鼻にかかった
「目玉焼きのせてよー」の甘えた声を
時々思い出す
悪い気はしない
やっぱりいい話だと思う

ムラキング

「じゃじゃこさんは前回も詩を送ってくださいましたけど、振れ幅がすごいですね」

こここ・中田

「この詩の語り手の方が、佐藤さんの話を聞きながら冷静に、佐藤さんのパートナーが『どんな気持ちで目玉焼きを焼いているかは私には分からない』って考えているところもいいんですよね。佐藤さん、目玉焼きハンバーグが好物なのに、好物を出してもらうためには甘い声でお願いしないといけないわけですよ。その甘辛な関係性も気になりますね」

ムラキング

「どっちも頼まないとダメか、みたいなところありますよね」

レッツ・水越

「目玉焼きを焼く人とお願いする人、絶妙なバランスの関係性が見えて面白い」

こここ・岩中

「いつでものせてくれるわけじゃないってところがまたいいですね。まあ実際、目玉焼きを焼くのはひと手間ですからね」

こここ・中田一会

「きっと佐藤さんはのろけのつもりでこの話をしているんですよ。詩の語り手はその話を聞きながら『言わないとやってもらえないのかあ』って内心思っている。それでも当の本人である佐藤さんは幸せそうだから、あえて口にしない。この詩の主人公が佐藤さんたちを観察していることによって、このふたりのパートナーシップが詩からにじんでいるような気が私はしますけど、みなさんはこの話、いい話だと思いますか?」

ムラキング

「ええーっ。そうだな、僕、この話を聞いて、僕自身が精神科に行って頓服薬を受け取れるかどうかと、この詩に出てくる佐藤さんで置かれている状況が似ているなあって思ったんですよ」

こここ・中田

「そうなんだ、どこが似ているんですか?」

ムラキング

「佐藤さんは甘い声でお願いしないと好物である目玉焼きハンバーグが出てこない。僕も診察室で『いつものお薬ください』って言わないと頓服薬はもらえない」

こここ・中田

「そっか。言い忘れていたら自然とは出てこないんだ。そう思うとムラキングにとって佐藤さんの目玉焼きは、ベストな出方ではないってことなんですかね」

ムラキング

「これは完全にスルーされてますもんね。でも作ってほしいものをねだるという行為はいいと思いますよ」

レッツ・水越

「いい話ってどんな話のことを指すのかと素朴に思いもしますけど、僕はお願いしないと出てこない、そのスムーズじゃないひと手間がなんかいいな、って感じました」

こここ・中田

「ある種の“いちゃつき”的なコミュニケーションのひとつかもしれませんね。岩中さんはどう思いますか?」

こここ・岩中

「頼まれているほうは『めんどくさいなあ』と思っている可能性がありますよね。毎回言われないと作らない、知ってるけどやらない。でも『佐藤さんは結構幸せそう』だから、いい話な感じがするのかな。ちょっと雑に扱われても嬉しそうな佐藤さんの受け止め方がいいなって感じます」

レッツ・水越

「あと目玉焼きの味は詩のなかに出てこないけど、佐藤さんが頼むときの声に『甘さ』が出てくるの、面白くないですか」

こここ・中田

「ほんとだ。もしかすると佐藤さんは味よりも、応えてもらえる関係性に満足しているのかもしれないですよね。それに、佐藤さんの話を聞いている主人公の視点も優しい。誰かの幸せってものさしで測りにくいじゃないですか。自分の感覚で『それって幸せではないのでは?』と疑問に思っても、本人たちは満ち足りているかもしれない。そういうことも、この詩にこめられているなと」

こここ・岩中

「しかもこの人はこのことを時々思い出しては、考えを巡らせて、本人が幸せそうだからなあ、って何度か着地しているみたいですよ。プロセスが面白い作品ですね」

こここ・中田

「自分だったら目玉焼き、のせてあげるかなあとか考えるんでしょうね」

こここ・岩中

「ちなみに私も言われたらのせる派かも(笑)。ついめんどくさがってしまう」

ムラキング

「なら冷凍ハンバーグだったらよかったのかも。あ、それはそれで手間ですか」


こここ・中田

「今回は、テーマのなかでも目玉焼きが大人気でしたね!」

こここ・岩中

「焼き方も食べ方も人それぞれ違うし、シンプルだけど正解のない感じでイメージを広げやすかったのかもしれないですね。私たちもそんな作品を囲んで話し出すと、どんどん想像が膨らんでいきますね。思わぬところにまで話が飛んでいくというか」

こここ・中田

「生活の切実さが引き出せるようなお題を設定できてよかった。さて、次のテーマの発表です!」

どなたでも大歓迎。あなたの詩をお待ちしています!

寄せられた作品を囲みながら、切実さに頷いたり、想いを馳せてみたり、膨らませてみたり、自分に引き寄せて考えたり。まだまだおしゃべりは尽きない第3回『ムラキングとみんなの詩』。今回〈こここ〉上でご紹介した作品の作者にはささやかですが記念品をお届けします。

次回テーマは「駅ビル」「豆腐」「勘違い」です。

テキストデータでも、手書き文字でも、イラストでも。あなたが間違いなくそうだと思えるものならば、それは間違いなく「詩」です。次はどんな“切実さ”に出会えるのか、連載メンバー一同、とても楽しみにしております。みなさま、ぜひふるってご応募ください。


第4回募集内容(〆切:2024年8月18日)

テーマ

  • あなたの生活から生まれた切実な言葉を詩として届けてください
  • 第2回の募集テーマ「駅ビル」「豆腐」「勘違い」のうち、好きなものをひとつ選んでください。複数テーマをつかう作品もOKです。

形式

  • あなたが「詩」だと考える表現であればどんな形式でもOK
  • テキストデータにした文章でもいいですし、紙に書いた文字を写真やスキャナなどの画像にするような形でもOK

締め切り

締め切り:2024年8月18日(日)24:00まで

応募方法

メールの件名に「みんなの詩作品応募」と記入し、〈こここ〉編集部メールアドレス(co-coco@magazine.co.jp)まで以下の内容をお送りください。

  1. 作品(詩) ※メール本文に記入しても、画像などを添付してもOK(添付ファイルサイズは5MB以下)
  2. 選んだテーマ
  3. ペンネーム
  4. 作品についてひとことコメント

発表/記念品

  • 応募いただいた作品のうち数点を〈こここ〉の記事上で掲載します(2024年冬頃を予定)
  • 掲載作品の作者には、記念品を贈呈します

※作品が掲載された場合、作品を応募いただいたメールアドレス宛に、記念品の発送先について編集部からご連絡します

注意点

  • 応募された作品がすべて掲載されるわけではありません
  • 未発表の作品、ご自身が考えて書かれた作品に限ります
  • 掲載作品については作品・ペンネームのほか、応募時のひとことコメントも掲載される場合があります
  • 代理で応募いただくこともできますが、作者本人に事前に確認をとった上で代理であることも明記してください
  • ご応募いただいた情報は本企画の運営を担う株式会社マガジンハウス〈こここ〉編集部と、協力団体である認定NPO法人クリエイティブサポートレッツで共有させていただきます
  • 他者の尊厳や権利を傷つけたり、損なったりする表現はご遠慮ください

Series

連載:ムラキングとみんなの詩(うた)