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いち“市民”として、子どもたちへの関わりを考える「Citizenship for Children(CforC)2023」8月からプログラムスタート
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〈認定NPO法人PIECES〉が運営するオンラインプログラム。本年度は、2023年8月〜2024年1月の「基礎コース」と「探求コース」、2024年2月〜5月の「実践コース」が予定されています

子どもと自分にとっての「心地よいあり方」を学び合う場

「どこにも居場所がない」5.4%。「どこにも助けてくれる人がいない」11.3%。「どこにも相談できる人がいない」21.8%——。これらの数字は、近年の子どもたちの様子についてのデータをまとめた、「子供・若者インデックスボード」(※注)の一部です。

子どもが少なくなったぶん、一人ひとりの周りには、本来“たくさんの大人”がいるはずの現代。なのになぜ、子どもたちはこうした悩みを抱えざるをえないのでしょうか。家で接したり、地域やまち中で出会ったりする子どもや若者に、私たちは今どう関わればいいのでしょうか。

〈認定NPO法人PIECES〉が運営する「Citizenship for Children(CforC)」は、それらの問いに対し、子どもと自分にとっての「心地よいあり方」を見つけていくオンラインプログラムです。子どもたちに関わるうえでの、基本的な知識やまなざしについて仲間と学んだり、「対話」「内省」を通じて実践方法を模索したりと、参加者の状況にあわせて複数のコースが選べます。

2023年度のスタートは8月で、期間は3〜6カ月。応募に先立って、6月21日、27日、7月1日、9日、13日(予定)、18日(予定)に参加者募集説明会が開催されます。

※「子供・若者インデックスボード」:内閣府の『子供・若者の意識に関する調査』などを元に、各指標をわかりやすく可視化したデータ集。2023年4月以降はこども家庭庁が管理しており、2023年3月1日時点のVer4.0が最新(本記事の公開時)

【画像】小澤いぶき、山下仁子、神林俊一、安井飛鳥、西川正、田北雅裕
「Citizenship for Children(CforC)2023」の講師一覧

〈PIECES〉が運営する「Citizenship for Children」

児童精神科医の小澤いぶきさんが代表を務める〈PIECES〉は、子どもと社会のウェルビーイングを目指して設立された団体です。地域での「子どもの孤立」を防ぐため、これまで子どもの権利にまつわるさまざまな啓発活動や、行政や企業とも連携した研修・ワークショップなどを行ってきました。

〈PIECES〉のミッションは、「一人ひとりのマインドセットをアップデートし、社会のなかに市民性を醸成する」。親でも教師でも支援者でもないいち“市民”という存在が、子どもたちから見て“頼れる他者”として増えていくことを目指しており、「Citizenship for Children(以下、CforC)」はその実践的なプログラムとして2016年にスタートしました。

CforCでは、年齢も職業も多様な参加者がコミュニティを形成しながら、それぞれに自分なりの市民性、子どもと自分自身の「両方を大切にするあり方」を模索していきます。知識や技術のインプットを行いつつも、子どもとの関わりに絶対的な「正解」はなく、対話を通じた学び合いのなかで具体的なアクションをじっくり考えるプログラムです。

【画像】自分なりの子どもとの関わりを考えるようになった、87%、子どもと関わる活動に新しくチャレンジした、34.8%、など
プログラム参加者へのアンケート

年度ごとに形も変えながら、プログラムの参加者は昨年で550人を突破。修了生からは、「自分のまなざしが意識していないところで変化したのか、子どもたちから話しかけられることが増えた」「子どもだけでなく、日常的に関わる人たちの言動や行動、表情などの変化に込められた想いや、その人にしかない強みを考える習慣がついた」といった感想も届いています。

またCforCを機に、仲間と協力して、地域で子どもや若者と関わる新しい場の運営を始める事例もいくつも出ているといいます。

【画像】日本地図上に、1〜10のプロジェクトがマッピングされている
CforCから生まれた全国各地のプロジェクト

2023年度CforCは「基礎」「探求」「実践」の3コース

今回募集があるのは、2023年8月にスタートする「基礎コース」「探求コース」の二つ。

「基礎コース」は通年(全7回)での申込に加え、子どもと関わるうえでのまなざしや姿勢が主テーマとなる前期(4回)、子どもの暮らすまちの資源や風景に焦点が広がっていく後期(4回)のみの受講も可能です。

各回、多様なフィールドで子どもと関わる実践者・専門家の配信動画(月1本)で学んだのち、それを題材に参加者同士や、講師とのインタラクティブな対話(月1回土曜日/オンライン)を行います。誰でも参加できますが、通年および前期は8月18日、後期は10月27日が応募の締切です。

【画像】7つのテーマと7人の講師。第1回:2023年8月26日(土)10時~12時30分、第2回:9月30日(土)10時~12時、第3回:10月21日(土)10時~12時、特別講座:11月4日(土)10時~12時30分、第4回:11月18日(土)10時~12時、第5回:12月16日(土)10時~12時、第6回:2024年1月27日(土)10時~12時
「基礎コース」全7回のプログラム一覧。11月の特別講座は、前期・後期ともに含まれる

「探求コース」は、「基礎コース」での対話のあと、さらにさまざまな種類のワークを行うゼミ形式のプログラムです。また、別途4回の「リフレクション」と呼ばれる内省的な時間も設け、より深いレベルで自分なりの子どもへのまなざしやあり方、関わり方について探求していきます。

申込締切は7月23日。こちらは応募状況によって書類選考が行われます。

なお「探求コース」の修了者には、さらに発展的な併走によって、子ども、自分、まちにふさわしい実践を形にしていく「実践コース」(2024年2月〜5月)も用意されています。こちらは「探求コース」を終えた後に案内があります。

【画像】6つのゼミテーマ。第1回:2023年8月26日(土)13時30分~16時30分、第2回:9月30日(土)13~16時、第3回:10月21日(土)13~16時、第4回:11月18日(土)13~16時、第5回:12月16日(土)13時~16時30分、第6回:2024年1月27日(土)13~16時。ほか10〜1月に毎月リフレクション
「探求コース」のプログラム一覧

募集説明会およびトークイベントを開催中

CforC2023に申し込むにあたって、6月21日(終了)、27日、7月1日、13日(予定)、18日(予定)にオンラインで、7月9日に豊島区の「RYOZAN PARK 巣鴨」で、参加を考えている方に向けた説明会が開催されます。〈PIECES〉のメンバーやCforC修了生から、プログラムの目的や意義を直接聞ける場となっており、「探求コース」はいずれかへの参加が必須条件になります。(どの日程も難しい場合は別途、〈PIECES〉に申請が必要です)

また説明会と並行して、6月26日にはYouTubeライブで、7月5日にはTwitterスペース(予定)で特別トークも配信。それぞれゲストに、川瀬信一さん(一般社団法人子どもの声からはじめよう 代表理事)、田北雅裕さん(九州大学大学院 人間環境学研究院 専任講師/CforC講師)を迎えて、〈PIECES〉代表理事の小澤さんとの対談が予定されています。

「子ども」という、地域のなかで本来誰にとっても大切であるはずの存在に対して、何ができるのか。今まさに子育てをしている方、子どもたちへの教育に携わっている方だけでなく、現時点で直接的に子どもと接する機会がない方にも本プログラムの窓口は開かれています。

少しでもテーマに関心がある方は、ぜひこういった機会を、自らが関わり手となるきっかけに変えてみてはいかがでしょうか。