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介護とアートが交差する〈クロスプレイ東松山〉。2月11日にアサダワタルさんのプロジェクト公開記念イベント開催
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椅子に座ったデイサービス利用者の前で、指揮をして歌の音頭をとっている様子のアサダさん
デイサービスでワークショップを開催するアサダワタルさん

プロジェクトから生まれた楽曲の公開上映とトークイベント

高齢者福祉施設〈デイサービス楽らく〉(埼玉県東松山市)にて実施するアーティスト・イン・レジデンスのプロジェクト「クロスプレイ東松山」。2022年から断続的に滞在してきた文化活動家のアサダワタルさんによるプロジェクトの公開記念イベントとして、ミュージックビデオの上映会とトークイベントが2024年2月11日(日)に開催されます。

アサダさんによるプロジェクトの紹介と完成披露上映のほか、「クロスプレイ東松山」の活動報告とクロストーク「介護の現場で生まれる、文化的な出来事たち」も開催。クロストークには〈こここ〉編集長・中田一会も登壇します。

デイサービスの外観に、クロスプレイの文字が載っている画像

「クロスプレイ東松山」とは

「クロスプレイ東松山」は、高齢者福祉施設〈デイサービス楽らく〉にアーティストが滞在し、リサーチや作品制作を通して文化的な交流を重ねるプロジェクトです。同施設を運営する〈医療法人社団保順会〉とアートにまつわるプロデュースやマネジメントを行う専門家のコレクティブ〈一般社団法人ベンチ〉の主催で開催しています。

2007年に開所した〈楽らく〉は「らくに たのしく その人らしく」をモットーに、個別性を大切にしたケアを提供する施設。2014年よりレクリエーションの時間を使ってアーティストとのワークショップに取り組んできました。2022年より、アートを通じた“よりクリエイティブなケアの実践”の場として、高齢者福祉施設が文化施設の機能と役割を持つというコンセプトのもと、「クロスプレイ東松山」をスタートしました。

〈こここ〉のニュースでも以前、公募アーティストの募集記事を掲載しました。

施設内に滞在・宿泊をして創作できる環境があり、年間を通して様々なアーティストが訪問し、ワークショップや作品制作などを通じた交流が生み出されてきました。

アサダワタルさんのプロジェクト「また明日も 歌ったような」

アサダワタルさんは、音楽などの表現行為を支点にさまざまな生活現場に赴き、「これまでにない他者とのつながりかた」を提案し活動するアーティスト、文筆家です。2022年7月よりプロジェクトのアソシエイト・アーティストとして〈楽らく〉を訪れ、施設内だけで流れる架空のラジオ番組「楽らくラジオ」をオープンするなど、音楽を軸に、利用者や職員、時には地域の小学生たちとも多様な接点を作ってきました。

 

職員が半円になってマイクを囲む。アサダさんはギターを持っている
歌の収録を行うデイサービス職員とアサダさん

関わりの中で、今年度2つの楽曲を書き下ろします。生まれた歌は、毎日のように利用者と職員によって歌われるようになりました。

内1曲の『また明日も楽らくで』を、デイサービスの利用者と地域の小学生が歌い手となって収録しました。収録した音源は、施設前にある小さな時計台から、毎日定時に流します。小学生の通学路でもある〈楽らく〉の前の道でテーマソングを流すことで、時報のような役割を果たすとともに、地域と施設の接点になることを試みます。

施設の前に、三角屋根の赤い時計台が立っている
施設のシンボルでもある時計台。ここから毎日テーマソングが流れます

新プロジェクトのお披露目とこれまでのプロジェクトを検証するイベント

楽曲の完成と時計台への音源設置を記念したイベントが、2024年2月11日(日)14:00〜16:30に〈楽らく〉で開催されます。

第1部では、『また明日も楽らくで』ミュージックビデオの完成披露とともに、アサダさん自らが本プロジェクトのプロセスを紹介します。

第2部では、「クロスプレイ東松山」の活動紹介の後、活動評価から見えてきたものを九州大学大学院芸術工学研究院・准教授の長津結一郎さんが語ります。

長津さんの横顔のポートレイト
第2部登壇者・クロストーク司会登壇者:長津結一郎さん

第2部後半は「介護の現場で生まれる、文化的な出来事たち」をテーマにしたクロストーク。長津さんの司会で、アサダさん、「クロスプレイ東松山」企画チームの武田奈都子さん、藤原顕太さん、武田知也さん、原爆の図丸木美術館・学芸員の岡村幸宣さん、〈こここ〉編集長の中田一会が登壇。福祉の現場でどのような交流が生まれ、ケアとどうつながっているのかを語り合います。

岡村さんの胸から上のポートレイト
クロストーク登壇者:岡村幸宣さん
机に肘をついて頬に手をあて、笑顔の中田さんのポートレイト
クロストーク登壇者:中田一会

イベントの参加費は無料。申し込みフォームよりお申し込みが必要です。

施設が創造の場として地域にひらかれていくことを目指す本活動で、どんな交流が生まれているかを知るために、ぜひ〈楽らく〉へ足を運び、トークに耳を傾けてみませんか。また、アーティスト滞在の様子は「クロスプレイ東松山」のnoteに掲載されています。ぜひ活動の様子をご覧ください。