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特別展「川内倫子とやまなみ工房の風景」が2022年2〜3月に開催。トークイベント、映画上映も
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フライヤーのおもて。かわうちさんがさつえいした、きいろいはっぱをつかむてのしゃしんが、はいちされている
写真家の川内倫子さんによる〈やまなみ工房〉の日常を捉えた写真が、同工房で制作された作品と共に展示されます

〈やまなみ工房〉の風景と作品を同時に鑑賞できる展覧会

写真家の川内倫子さんが、障害者福祉施設〈やまなみ工房〉の日常風景を撮影した写真と、同工房で制作された作品を展示する「川内倫子とやまなみ工房の風景」が開催されます。期間は2022年2月11日(金・祝)〜3月13日(日)、場所は〈東大阪市民美術センター〉です。

本展では、2018年から約1年半かけて川内さんが撮影し、〈たねやグループ〉発行の冊子『La Collina(ラ コリーナ)』14号で発表した作品に加え、2021年に取材した新作を含む約35点が展示。同時に、川内さんが制作風景を撮影された方を含む、〈やまなみ工房〉に所属する20名の作家による、約70作品も紹介されます。

また特別展にあわせて、川内さんも登壇するトークイベントや、〈やまなみ工房〉の創作活動をテーマにした映画『地蔵とリビドー』の上映会なども予定されています。

フライヤーうら。イベントのしょうさいとともに、かわうちさんのしゃしんと、やまなみこうぼうのさくひんがけいさいされている
特別展の関連イベントのうち、2つのトークイベントは2022年1月30日(日)に申し込み締切

川内さんが捉えた〈やまなみ工房〉の日常とその作品たち

〈やまなみ工房〉は、滋賀県甲賀市にある障害者福祉施設です。約90名の障害のある人が自由に表現活動を行う〈やまなみ工房〉の作品は、欧米の著名なコレクションに収蔵されるなど、国内外で注目を集めています。企業とコラボレーションをすることもあり、〈こここ〉でも以前、山形県の酒造メーカー〈楯の川酒造〉とのコラボレーションプロジェクトを紹介しました。

せいさくふうけい。ストローでえのぐをふきつけている
せいさくふうけい。キャンバスのよこでひじをついてねころなりながら、えがいている
〈やまなみ工房〉の作家が行う表現活動の様子を、川内倫子さんが撮影

川内さんが〈やまなみ工房〉を撮影するきっかけとなったのは、和菓子・洋菓子の製造販売などを行う〈たねやグループ〉(滋賀県近江八幡市)発行の冊子『La Collina(ラ コリーナ)』。自身の出身地でもある滋賀県の、自然や人の魅力を伝える同誌に創刊時から関わっていた川内さんは、〈やまなみ工房〉をフィーチャーした『La Collina』14号に向けて、2018年から約1年半かけて施設の日常風景を撮影しました。

今回は川内さんの写真と併せて〈やまなみ工房〉の作品を展示することで、作品とそれを制作している現場の雰囲気を、丸ごと感じられるような展覧会になっています。

つちでつくられた、おおきさもさまざまなオブジェが50たいほど、ならべられている
〈やまなみ工房〉の作家・山際正己さんの作品、『正己地蔵』(1992年〜、陶土)
やまぎわさんのかおのいちぶとて、そのみぎななめしたに、つちでつくったオブジェ
川内さんが撮影した山際正己さんの制作風景

トークイベントや映画上映会も開催

展覧会初日の2月11日(金・祝)には、川内さんと、今回展示されている作品を含む写真集『やまなみ』を発行(2月17日発売予定)する信陽堂編集室の丹治史彦さんによるトークイベントが開催。翌々日の13日(日)には、〈やまなみ工房〉施設長の山下完和さんと、東大阪市で生活介護などの福祉事業を展開する〈若草会〉職員の濵崎紀美さん、アート講師の川口彩さんによるトークイベントが実施されます。

また、展覧会期間中の毎週日曜日には、〈やまなみ工房〉の作品制作の様子に迫るドキュメンタリー映画『地蔵とリビドー』が上映。様々な視点から〈やまなみ工房〉の活動を知ることができます。

2018年11月に劇場公開された『地蔵とリビドー』(上映時間62分)

トークイベントおよび映画鑑賞会、2月19日(土)と3月12日(土)に行われる学芸員によるギャラリートークは、いずれも入場券があれば無料で参加することができます。(トークイベントは要事前申し込み。締切は2022年1月30日)

国内外でも注目を集める〈やまなみ工房〉のアート。表現が生まれるまでの制作の様子やアーティストたちの表情、そしてそこに流れる空気を、川内さんのまなざしを通して感じてみませんか。