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「真にインクルーシブな組織」を実現するには?〈OTD普及協会〉の3周年記念カンファレンスが開催
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OTDカンファレンスのパンフレット画像
〈一般社団法人 組織変革のためのダイバーシティ(OTD)普及協会〉のアニュアルカンファレンスが開催。2部構成でアーカイブ配信あり

企業のダイバーシティ&インクルージョン推進に寄与する〈OTD普及協会〉のカンファレンス

国籍、人種、セクシュアリティから働き方、ライフスタイル、価値観まで。人の「ダイバーシティ(多様性)」を尊重することの大切さが少しずつ認知され、それらを包摂した状態を表す「インクルーシブ」という言葉もよく耳にするようになってきました。「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」を掲げて、違いを認め合い、活かしていこうと取り組む企業や組織も増え始めています。

しかし、その言葉の意味や本質を、取り組む方全員が理解しているのでしょうか? そして、その活動は、どれだけ実を結んでいるのでしょうか?

〈一般社団法人 組織変革のためのダイバーシティ(OTD)普及協会〉は、企業や組織がダイバーシティについて理解を深め、一人ひとりが当事者意識を持ち、そのなかで真の組織変革を実現するための啓蒙活動を行ってきました。2022年、発足3年目を迎えるにあたり、これまでの活動とビジョンを共有するとともに、「真にインクルーシブな組織」を考えるアニュアルカンファレンスを5月13日オンライン開催します。

「真にインクルーシブな組織」を考える、カンファレンスの内容とは?

本カンファレンスを主催する〈OTD普及協会〉は、東京大学の最先端の知見と企業のニーズをつなぎ、組織変革のためのさまざまなワークショップなどを通じ「公平でインクルーシブな組織」を増やすことをミッションとして、2019年5月に設立されました。

3年間の実践である程度の手応えを感じる一方、コロナ禍による孤立と分断の深まりも痛感。〈OTD普及協会〉が行う活動の重要性はますます高まっていると考え、毎年開催してきたカンファレンスの2022年のテーマに「インクルーシブな組織を実現するために――アカデミアは企業経営に対して何をなし得るか」と掲げました。

ダイバーシティ&インクルージョンをどのように実践し、その取り組みを企業や組織の成長へといかにつなげるかを、参加者と一緒に考えていきます。

OTDカンファレンスのパンフレット画像

2部構成で開催されるカンファレンスの第1部では、「真にインクルーシブな組織づくりを実現する方法とは?」と題し、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さんと、東京大学バリアフリー教育開発研究センター(CBFE)准教授であり、〈OTD普及協会〉理事でもある星加良司さんの特別対談が行われます。

同じ大学に籍を置き、それぞれ異なる角度から「インクルーシブな組織づくり」に取り組んできたふたりの研究者が、それらを実現するための方法や、実現を妨げるものについて議論を交わします。

モデレーターは、人や組織が持つ可能性を解き放つための支援を行う〈株式会社クロスバリュース〉の代表であり、〈OTD普及協会〉理事も担う青砥一浩さんが担当。

星加良司さんが登壇し、話す様子
〈OTD普及協会〉理事・星加良司さんのワークショップ風景

また、第2部の「インクルーシブな組織を実現するうえでOTDはどう貢献してきたのか?」では、OTD研究会に参加してきた〈リコーITソリューションズ株式会社〉の矢野絵美さん、〈株式会社ルネサンス〉の吉羽典子さんと、OTD認定講師である〈オフィス・キャリーノ〉の朝生蓉子さん、〈凸版印刷株式会社〉の馬渕聖子さんが登壇。「インクルーシブな組織」づくりに〈OTD普及協会〉がどのように貢献できているか、その実践内容などを含めた事例共有が行われます。

組織変革のためのダイバーシティの実現をどう推進するか

「組織変革のためのダイバーシティ」の実現を目指すための、〈OTD普及協会〉のプログラム一覧
行政・企業・組織などに向けて「ワークショップ」「研究会」「認定講師制度」の3つのプログラムを展開する〈OTD普及協会〉

身の回りを振り返ったとき、自分には「公平だ」と思えていた環境も、ほかの人にとって公平でないことがあるかもしれません。ですが、当たり前のようにある環境のなかでは、その不公平さに気づくのはなかなか難しいもの。見落としがちな“マジョリティ性”に一人ひとりが気づき、向き合うことがダイバーシティ&インクルージョンであり、真の組織の成長につながると〈OTD普及協会〉は考えています。

それらを実現するために、年間を通じて提供してきたのが「ワークショップ」「研究会」「講師認定制度」の3つのプログラム。2022年4月時点で、ニトリやサントリー、富士通、ミキハウスなど延べ77社と研究会を開催し、認定講師を53名輩出してきました。

〈OTD普及協会〉が提唱する「Nモデル」の図
〈OTD普及協会〉が提唱する「Nモデル」の図。企業で働く社員の多くが“無意識の特権”を持つマジョリティ側であることを自覚するとともに、マイノリティ側でなければ気づきにくい視点を認識することで、組織変革の選択肢が増え、価値を生む流れを示している

実際にワークショップに参加した人からは、「自分が持つ固定概念への気づきとして、頭をガーンと殴られたような感覚を得た」「人生でハッとしたり、腑に落ちた瞬間に、体の中を何かが駆け抜けるような感覚になることがあるが、ワークショップはまさにそのような体験だった」といった感想が寄せられています。

「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げつつもなかなか変革が進まない企業や、これから導入を検討する企業にとって、大きなヒントが得られる機会になるはず。5月開催のカンファレンスをはじめ、オープンワークショップなどの〈OTD普及協会〉の各種プログラムにも、一度参加してみてはいかがでしょうか?