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12/11「とびらプロジェクト オープン・レクチャー vol.11」開催。テーマは「建築と美術館とコミュニケーション」
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新設された〈八戸市美術館〉の建築空間と、ユニークな活動を語り合うオンラインイベント

美術館を拠点に、アートを介してコミュニティを育む活動を行う〈とびらプロジェクト〉が、2021年12月11日(土)、第11回目となる「とびらプロジェクト オープン・レクチャー」をオンラインにて開催します。

タイトルは「建築と美術館とコミュニケーション ―お金で買えない「ギフト」に気づく場所とは?―」。2021年11月3日、新しく生まれ変わった青森県〈八戸市美術館〉の実践を切り口に、美術品などの「もの」を介して、人々が時間や空間を超えてつながる場となる“美術館の本質的な役割”と“次世代のあり方”について考えます。

「建築と美術館とコミュニケーション」のチラシイメージ画像2

今回のレクチャーの題材となる〈八戸市美術館〉とは?

「出会いと学びのアートファーム」をコンセプトに、2021年11月に新設された〈八戸市美術館〉。「ジャイアントルーム」と名づけられた、市民が日常的に活動を行うための多目的空間を館内中央に大きく配置し、「もの」としての美術品展示だけでなく、施設を利用する「ひと」がアートに関われる“アートファーム”を目指した美術館です。

「とびらプロジェクト オープン・レクチャー」では、今後同美術館で行われる活動や、開幕記念「ギフト、ギフト、」展を題材に、人や文化が関わり合い、豊かなコミュニケーションが生まれる公共建築としての美術館の姿について、建築空間と活動の両方の視点から考え、登壇者とともに語り合います。

2021年3月にリニューアルした〈八戸市美術館〉
〈八戸市美術館〉外観写真 Photo:DAICI ANO

ゲストとして登壇するのは、〈八戸市美術館〉館長に就任した建築家の佐藤慎也さん。2011年から八戸市地域でさまざまなプロジェクトを企画運営し、アートをフックにした関わりの場をつくる実践を重ねてきた、同美術館学芸員の大澤苑美さん。〈八戸市美術館〉を設計した建築家であり、舞台美術・展示・まちづくりなどにも携わる、東京藝術大学建築科助教の森純平さん。

〈とびらプロジェクト〉からは、プロジェクトマネジャーである稲庭彩和子さんと、伊藤達矢さんのふたりがモデレーターとして登壇します。

〈とびらプロジェクト〉って、どんなプロジェクト?

会社員、学生、フリーランサー、専業主婦など、広く一般から集まった“とびラー”と呼ばれるアート・コミュニケータと、学芸員、大学教員、専門家などが、美術館と文化資源を生かしながら、アートを介してコミュニティを育み、「ひと」「もの」「場」をつなぐ活動を展開する〈とびらプロジェクト〉。東京都台東区上野にある〈東京都美術館〉と〈東京藝術大学〉のふたつの組織が連携し、2012年に始動したソーシャル・デザイン・プロジェクトです。

美術館来館者に説明をするアート・コミュニケータの写真
アート・コミュニケータの活動の様子

“成熟した社会”といわれる現代の日本において、今後取り組むべき社会的課題は、人々の価値観や文化背景の違いなどを認め合う「多様性の尊重」と、個々人の生き方を孤立させず、社会のなかで関係づけていく「ネットワーク化」であると〈とびらプロジェクト〉は考えています。

フラットに参加できる対話の場をアートを通してデザインし、さまざまな価値観を持つ人々を結びつけるアート・コミュニケータが社会のなかで機能することにより、子どもも、大人も、障害の有無も関係なく、様々な背景をもつ人を包摂できる、しなやかで柔軟な社会基盤の構築を目指しています。

そんな思いから〈とびらプロジェクト〉では、とびラーが主体となった鑑賞プログラムやワークショップなどを開催し、美術館と人々の生活をつなぐ活動を展開してきました。

公立美術館という公共の場に期待されることは今、作品を収蔵し鑑賞できる場所だけではありません。文化や表現を通じ、人と人が出会い、異なる価値観や身体性をつなぐような機能や方法をどのようにして育むか、その実践の場に変わりつつあります。

もうすぐ活動10年目を迎える〈とびらプロジェクト〉の経験知と、地域の新たな美術館として誕生した〈八戸市美術館〉が出合うことで、次世代の文化施設のあり方について考える機会になるのではないでしょうか。