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よりよい“ケアの場づくり”のヒントとなる『ともに生きることばカード』。発売を記念した無料オンライン・イベントが9月2日・5日に開催
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『ともに生きることばカード』の紙製ケースと、30枚一式のパターン・カードの見本イメージ

ともに生きる“ケアの場づくり”のヒントが詰まった「カードセット」が誕生

“ケアの場づくり”についてのヒントをまとめたカードセット『ともに生きることばカード』が、2022年1月に〈株式会社クリエイティブシフト〉より発売されました。ケアを受ける人も、ケアする側の人も、それぞれが心地よく過ごせることを目指して、話し、考えるための実践的なカードで、介護や福祉の現場に携わる人を中心に注目を集めています。

そして、2022年9月2日(金)、5日(月)の2日間、このカードの発売を記念し、全国でもユニークなケアの取り組みで知られる高齢者向けホームの運営者をゲストに迎え、「これからのケア」について語り合う、無料のオンライン・イベントが開催されます。

『ともに生きることばカード』とは?

例えば、おじいちゃん・おばあちゃんが生き生きと毎日を過ごし、あたたかい気持ちで最期を迎えられる高齢者向けホーム。あるいは、ケアする人・される人という関係を超えて、そこで過ごす皆が「ともに生きる」場所。そのようなよりよい“ケアの場”は、どうすれば実現できるでしょうか。

『ともに生きることばカード』は、高齢者向けホームをはじめとした、さまざまなケアの場に従事する人を主な対象とし、そこで過ごす人と「ともに生きる」場を実現するためのアイデアや、実現のための一歩となるようなきっかけをつくるカードです。

カードの内容と、使い方について

『ともに生きることばカード』は、「パターン・ランゲージ」という方法で記述されています。パターン・ランゲージは、豊かな経験を持っている人からコツなどを抽出して言語化し、その知をほかの人にわかりやすく共有するための方法です。

「自然に暮らせる居場所をつくる」「地域・社会に根ざす」「そばに居続ける」という3つのカテゴリで構成された30枚のパターン・カードが一式となった本カード。その一枚一枚には、テーマ、そのテーマに基づく状況、その状況における問題、その問題に対する解決へのヒントが記されています。具体的な対策は、それぞれのケアの場にあわせて方法を考えていきます。

3枚のパターン・カードのサンプル画像
パターン・カードの一例。「自力の見守り(自分でできると、喜びが生まれる)」というテーマのパターン・カードでは、「日々の生活の中で、本人がやると時間がかかったり、大変そうだったりすることがある」という状況に対し、「その人ができるようなことも代わりにやってしまうと、自分でする機会が失われ、徐々にできないことが増えてしまう」という問題が生じることを指摘。そこでの解決のヒントとして、「本人が自力で行うことを見守り、必要なときに手を差し伸べるようにする」という実践のコツや方向性が示されています。この例、頭ではわかっているつもりでも、ついやってしまいがちな問題のひとつ。そういう気づきをこのカードは示してくれます

これらのカードを数人で囲み、ワークショップ形式で、パターン・カードに親和性のある体験談を語り合ったり、ケアの場の現状を把握・共有したり、アイデアを出し合ったりするのが本カードの使い方。

もちろん個人で使用するのも可能です。その場合は、30枚のカードから実践できているもの・できていないものを可視化することで、自身のケアの傾向が見え、課題点や、今後伸ばしたい方向を見つけるのに役立ちます。

30のテーマがかかれた、パターン・カードの一覧
『ともに生きることば』の30枚のパターン・カード一覧。【最期を受け入れる】のみ、主に高齢者ケアの“看取り”の内容になっていますが、それ以外のカードは、さまざまなケアの現場に当てはまる内容です

ケアの実践者たちの声をもとにした、30のパターン・カード

この30枚のパターン・カードに記されたテーマや言葉は、制作者のひとりである金子智紀さんが、全国100か所以上の高齢者施設や福祉事業所を訪ね、「ともに生きる」ケアの実践者へインタビューを行い、それらを現場の知恵として凝縮し、まとめたもの。

ちなみに本カードの内容は、2022年に出版された書籍『ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子智紀、井庭 崇 著/丸善出版/2022年)の要点を抜粋したものになっています。

書籍に記された現場の知恵を、それぞれのケアの場に重ね合わせ、行動に促すきっかけとなるように制作されたのが『ともに生きることばカード』。カードならではの特性を活かし、カードを動かしながら考えたり、複数人で語り合ったりしやすいようにデザインされています。

また、著者の金子さんは、カードの使い方、活用事例の紹介、感想、質問、相談など、誰でも自由に投稿・発信できる交流の場として、Facebookグループ「『ともに生きることば』活用・実践」を開設しています。カードの導入を検討している方は、こちらもチェックしてみてください。

『ともに生きることば』出版記念イベント開催!

9月2日(金)、5日(日)には、書籍とカードの発売を記念したオンライン・イベントが開催されます。

著者の金子さん、井庭 崇さんをジェネレーターに、書籍やカードの作成過程で協力を得た、全国のケアの場づくりの実践者をゲストとして招聘。本カードを用いながら、ゲストが日々のなかで大切にしていることを話し合うワークショップを実施します。

<9月2日のゲスト>
・下河原忠道さん:主に千葉県を中心に展開するサービス付つき高齢者向け住宅や、「VR認知症」の体験を提供する〈銀木犀〉を運営。
・首藤義敬さん:兵庫県神戸市で多世代・多国籍の“大家族”のような介護付つき住宅〈はっぴーの家ろっけん〉を運営。
・福井大輔さん:宮城県仙台市で医・食・住と学びの多世代複合施設〈アンダンチ〉を運営。

<9月5日のゲスト>
・加藤忠相さん:神奈川県藤沢市にて地域に溶け込んだグループホーム〈あおいけあ〉を運営。
・佐伯美智子さん:佐賀県唐津市で“自分らしく生きる”を理念に掲げる看護小規模多機能型居宅介護〈むく〉を運営。
・河原奨二さん:広島県尾道市で認知症ケアに特化した⾼齢者介護福祉サービスを提供し、利用者の“フリースタイル”を⽀える〈ゆず〉を運営。

参加は無料です。書籍やカードが手元にない方でも楽しめるイベント内容ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

著者と6人のゲストの顔写真が掲載された『ともに生きることば出版記念イベント』のチラシ画像

高齢化が進む日本では、誰もが介護に関わる可能性を持っています。高齢者や障害のある人へのケアに従事する方はもちろん、家庭での介護や、子育て、教育など、さまざまなケアの場づくりの改善にも役に立つ、実践的なカードです。

ご興味のある方は、まずは本イベントに参加して、カードの活用方法に触れてみてはいかがでしょうか?