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料理人や哲学者、彫刻家による講座と対話で、“まだ知らない自分”に出会う。お寺を舞台にした「500年の学校」第2期の募集開始!
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【写真】森の中で10人ほどが車座になっている。中央で1人の男性が話す
第2期は2025年11月〜2026年10月。募集は2025年6月11日(水)12時スタート

500年先に思いを馳せながら、いまの感情や感覚に向き合う1年間のプログラム

仕事や学業、育児、介護など、追われることも多い慌ただしい日々の中で、「今日や明日のことを考えるだけで精一杯……」と感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。人生100年時代と言われる現在においても、5年後、10年後といった中長期の視点で自分の人生を見つめ直すのは、簡単なことではないのかもしれません。

日常から少し離れ、四季の移ろいに身を委ねながら、自分の感覚や想いにじっくりと向き合う。そして、心がほどけていく中で、「どんな未来をつくっていきたいのか」と少し先の視点で思い描いてみる――。

そんな時間を過ごすためのプログラム「500年の学校」の第2期が、2025年11月に開講予定です。本プログラムは、「500年のcommonを考える」を掲げた〈YATOプロジェクト〉の中核を担うもので、1年間、全12回にわたる講座と対話を通じて、まだ見ぬ自分と出会い、人生をより豊かにしていく多彩な学びの場となっています。

【画像】サイトキャプチャ。500年の学校、のタイトルの下に500年先も続く人の循環と賑わいを育む場をめざす解説

舞台はお寺、モデルは北欧のフォルケホイスコーレ

「500年の学校」の舞台となるのは、主催者でもある東京都町田市の簗田寺(りょうでんじ/正式名称:東向山簗田寺)です。静かな森と豊かな湧き水に囲まれたこの寺院は、広々とした境内に、創建に関わった簗田家の墓所や、開創の伝説が残る龍王ヶ池などが点在しています。

【写真】緑に囲まれた本堂
簗田寺

なぜ「500年」なのか。簗田寺副住職であり、しぜんの国保育園などを運営する〈社会福祉法人東香会〉の理事長も務める齋藤紘良さんは、「簗田寺では、500年ごとにさまざまな変化が起きていることに、歴史を振り返る中で気づいた」と語ります。

次の500年をどう紡いでいくべきかを考えるには、まず志を共にする仲間を集めることが必要だと考え、齋藤さんは地域の文化事業を立ち上げました。年配の方から小学生まで、世代を超えて土地の歴史や文化を学ぶ場をつくり、アーティストにも声をかけて、地元の人々を巻き込んだイベントやフィールドワークを実施。それが町田市の谷戸(やと)・忠生(ただお)地域の記憶に触れながら「500年続く文化催事=お祭り」を育てていこう、という想いで生まれた〈YATOプロジェクト〉です。

そして、自分自身を見つめ直す時間を、ひとりで完結させるのではなく、毎月集う仲間とともに過ごすことで、より深い気づきや学びが生まれると考え、デンマークのフォルケホイスコーレ(※注)をモデルにした「500年の学校」を、2024年11月よりスタートしました。

※注:北欧独自の教育機関。試験や成績が一切なく、共同生活を通じて民主主義的思考を育てながら、知の欲求を満たす場をつくっていく

【写真】テーブルを数人が囲む。中央に小さなすり鉢が並び、中に粉のようなものが入っているのが見える
2024年12月1日(日)、「お香」をテーマにした第2回の様子

〈500年の学校〉では、自然に囲まれた簗田寺を舞台に、20名の参加者が月に1回のペースで講座を受けます。

企画・制作を担うのは、“未来への種まき”をテーマに、世代を超えた体験の場と居場所づくりに取り組む〈株式会社マザーディクショナリー〉。下草刈りや、寺に自生する植物を使ったお香づくり、音を通じたコミュニケーションワーク、哲学対話、火おこしの体験など、月ごとに多彩なプログラムが展開されていきます。

現在も第1期のプログラムが進行中(2025年10月まで)で、冬から春へと季節が移ろうなか、参加者はそれぞれのテーマを通じて五感を研ぎ澄まし、ふだん見逃しがちな自然の営みに目を向けつつ、自分の感覚や感情と向き合う時間を過ごしました。自然あふれる簗田寺を生かしながら、多様な体験を通して未知なる自分と出会い、500年後の未来に思いを馳せつつ、いまをより豊かに生きるための学びを深めています。

【写真】焚き火を囲んで、丸太に座った2人が話す
2025年4月6日(日)、「パーマカルチャー」をテーマにした第4回の様子

「芸術・哲学・食・自然・からだ・ものづくり」で今を捉え直す

そんな「500年の学校」の第2期(2025年11月〜2026年10月開催)の参加者募集が、2025年6月11日よりスタートします。

本プログラムでは、芸術・哲学・食・自然・からだ・ものづくりなどの視点から、私たちの「今、この時」を見つめ直す、多彩な講座を展開していきます。

第2期は、新たに伊藤千枝子さん(ダンサー)、相良育弥さん(茅葺き職人)、平井かずみさん(フラワースタイリスト)、和田夏実さん(インタープリター)が講師として参画。前年度に引き続き、野村友里さん(料理人)、永井玲衣さん(哲学者)、金沢健一さん(彫刻家)、在本彌生さん(フォトグラファー)、下中菜穂さん(造形作家)、佐々木有美さん(アーティスト・科学館職員)、コムアイさん(アーティスト)、ソーヤー海さん(共生革命家)、〈社会福祉法人東香会〉からも、齋藤美和さん(しぜんの国保育園 園長)と、音楽家でもある齋藤紘良さんが講師を務める予定です。

【写真】広い畳の空間で、輪になって話し込む
【写真】黒板の前にたつ、黒い服の女性
第1期でも講師を務めた永井玲衣さんさん(哲学者)

当日は朝10:00に現地集合し、16:30の終了まで、グループワークを中心とした多彩なプログラムを実施します。心がふとひらき、深い気づきが生まれていく。そんな6時間の講座です。

【画像】10時にスタートし、プログラムやランチをへて、16時30分のダイアローグで終わるタイムスケジュール
1日の流れ

第1期の参加者からは、「凝り固まった頭と心が、少しずつほぐれていくのを感じました」「こどもたち、そしてそのまたこどもたちへと続く未来に向けて、自分にも小さな一歩が踏み出せるかもしれない、と思えるようになりました」といった声が寄せられています。

個性豊かな講師陣と、さまざまな人生を歩む仲間たちとの出会いを通して、今見えているものよりもう少し先へ、もう少し小さなものたちへ世界を広げてみませんか?「今のわたし」や「これからの人生」を大切にしながら、余白の時間をともに紡いでいきましょう。