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手話から生まれる文化を保存・体感する施設「5005(ごーまるまるごー)」のオープンに向けて、10月18日までクラファン実施中!
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工事中のスペースの内部に、人が会話している様子のイメージ画像の描かれている
新しいスペースが2023年秋にオープン。現在クラウドファンディングを実施中です

ワーキング・プレイス、演劇やトークイベントの開催…手話にまつわる新拠点がオープン

〈一般社団法人日本ろう芸術協会〉(代表理事:牧原依里さん)と〈一般社団法人ooo(オオオ)〉(代表理事:和田夏実さん)が、手話から生まれる文化を保存・体感する施設〈5005(ごーまるまるごー)〉を2023年秋に東京・西日暮里(東京都都台東区)にオープンします。

ろう者や難聴者、CODA(※注)などを中心にしたワーキング・プレイスの運営のほか、スペースの貸し出しやイベントの開催などを通して、交流や新しい文化が生まれる拠点を目指しています。

オープンに伴う資金を募るためのクラウドファンディングを、2023年10月18日(水)まで実施中です。

※注:「CODA」はChildren of Deaf Adultsの略。ろう者の親を持つ聴者

ろう文化について対話が生まれる空間を常設でつくりたい

ろう者・難聴者・CODAによる表現や、手話をテーマにした作品や企画が広まりつつある昨今。2025年には耳の聞こえないアスリートのためのオリンピック「デフリンピック」が東京で初めて開催されるなど、手話やその文化に注目が集まっています。

一方で、未だに当事者の社会参加の機会は限られ、企画にも当事者の声が反映される機会が少ないという現状も聞かれます。また、音声以外でのコミュニケーションをサポートする様々な技術の発達などにより、手話自体の使用者も減少しています。

こうした背景から、〈5005〉では手話という視覚言語の保存・継承と、ろう者・難聴者・CODAなど手話を使う人たちの交流と文化醸成を目指した施設をオープンします。

スペースを主催するのは、映画作家でアーティストの牧原依里さんとインタープリターの和田夏実さん。ろう者である牧原さんは、「東京国際ろう映画祭」の運営や、ろう者や難聴者の芸術に関わる人材育成に携わり、2022年に〈一般社団法人日本ろう芸術協会〉を立ち上げました。

CODAである和田さんは、さまざまな国のろう者が訪れる家庭環境で育ち、視覚身体言語の研究や様々な身体性の人々との協働から感覚がもつメディアの可能性について模索しています。2022年に〈一般社団法人ooo(オオオ)〉を立ち上げ、誰もが「わたし」を起点に共創できる場づくりなどを行っています。

3人が木を背景に立っている
和田夏実さん(左)、牧原依里さん(右)と、立ち上げに関わる哲学対話ファシリテーターの根本和徳さん(中央)

2023年5月、牧原さんと和田さんはともに、ろう者による芸術表現を発信する展覧会「 〜 視覚で世界を捉えるひとびと」に出展。展覧会にさまざま年齢のろう者や聴者が訪れ、新たな対話が生まる様子に、この空間を常設でつくりたいと感じたことが、今回の拠点づくりにつながりました。

3つのミッションと予定している事業

スペースの名前「5005」は、手話から生まれた名前で、握った手から開く手を表しています。何もないところから新しく何かが広がる意味を持つ表現です。

両手を開いたかたちの10本の線が描かれたロゴマーク
手話表現から生まれたロゴマーク

拠点となる場所は、JR西日暮里駅から徒歩5分にあります。隣には、ろう者の店主が経営するラーメン店「麺屋 義」があり、日々たくさんのろう者や聴者が訪れ、ろう者コミュニティとのつながりやネットワークが生まれていることも、この場所を拠点とする後押しとなりました。

ミッションは3つ、「異なる身体性や感覚、思考を持つ人々の交流とイノベーション創出」「『視覚で生きる人々』の文化醸成」「持続可能性のある社会を目指した共助システムの構築」です。

手話表現を使う人たちを中心にしたワーキング・プレイスの運営のほか、月に数回、企画やラウンジスペースを利用して交流の場を設ける予定をしています。

人々が交流している様子が描かれたイラスト

定期的に視覚言語によって育まれた身体感覚や表現にまつわる演劇公演や展示、トークイベントなどを開催することで、新たな可能性を創発する機会をつくります。

舞台の上で人がやり取りしている様子

また、全体売上の数%は助成金として社会に還元する「共助」の仕組みをつくることで、手話表現を使う人たちが社会参加できる環境を整え、持続性のある社会を目指します。

スクリーンを指さして話している様子の人や、パソコンに向かっている人が描かれているイラスト

さらに、スペースの貸し出しや、手話動画を撮影できるスタジオ設備運営、デフスペース研究・開発を予定しています。

10月18日までクラウドファンディングを実施中

オープンへ向けて、会場の設備工事や運営資金を確保するため、現在クラウドファンディングを実施しています。

支援は5000円から可能で、返礼品は金額に応じて、ポストカードのほか、「麺屋 義」のラーメンや〈5005〉のオリジナルTシャツ、オープンセレモニーへの招待のほか、講演を依頼する権利やスペースをレンタルする権利なども選ぶことができます。

締め切りは10月18日(水)です。

クラウドファンディングのトップ画像。工事中の部屋の写真のうえに、人々が交流しているイラストが描かれている

オープンにあたって開催されたトークイベントで牧原さんは「聴者とろう者がお互いのコミュニティから生まれる文化を知り、持ち寄り、出会うことで新しい文化が生まれると思っています。〈5005〉はろう者や難聴者が主体的に活動できる場所を大事にしつつ、いろんな人にもひらかれたオープンな場所にしていきたいです」と語りました。

手話や視覚表現を基盤にした新しいコミュニケーションや文化が醸成されるスペースの誕生を、ぜひクラウドファンディングを通して応援してみませんか。