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タスク管理アプリ『コンダクター』誕生。発達障害の特性をふまえて、“見通し”を重視
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発達障害がある人の特性に寄り添ったタスク管理アプリ
曖昧な指示が理解しにくい、時間管理が難しいーーそうした特性がある人に寄り添い、タスク管理を視覚的にサポートするスマートフォンアプリ『コンダクター』が2022年3月にリリースされました。
本アプリは、発達障害のある当事者の困りごとを解決するイベント「ハッタツソン2019」で生まれたもの。1日ごとのタスクをわかりやすく見える化することで作業の見通しを立て、仕事を段取りよく進められるようサポートします。また、ビジネスシーンのみならず、プライベートのタスク管理も並行してできるようになっています。
作業内容と進み具合を視覚的に把握する、『コンダクター』の3つの特徴
『コンダクター』には3つの特徴があります。1つ目は、当日のタスクがタイムライン画面で時系列に一覧できること。時間が進むごとにタイムバーが徐々に塗りつぶされていくため、視覚的に残り時間を把握することができます。この機能は、発達障害のある人の「時間的展望を描きづらい」という特性を補完するためにできています。
2つ目は、タスクごとにサブタスクを設定できること。タスクを終了する条件がわかりやすくなるとともに、課題をクリアするごとに達成感を得ることができ、発達障害の特性として現れやすい「遅延報酬の障害(長期的な利益よりも、目の前の利益を優先させる)」を補えるようにしています。
3つ目は、タスクごとにラベルをつけられること。タスク管理に困りごとを感じている方がさまざまな場面で活用できるよう、「仕事」「家事・育児」「毎日の習慣」などラベル付けして、分けて管理することができます。
就労支援の相談員として感じていた課題をヒントに
本アプリは、エンジニア・デザイナー・プランナーと発達障害のある当事者たちがチームを組んで、社会課題を解決するためのサービスや仕組みを開発するプログラム「ハッタツソン」(2019年から〈合同会社Ledesone〉が年1回開催)で生まれました。
第1回ハッタツソンに参加し、アプリを開発した〈フェルマータ合同会社〉の共同代表・寺戸慎也さんは、就労支援の相談員でもあります。発達障害のある方の支援をする中で、多くの方がその特性上、働きづらさを感じていることに課題意識を持っていました。
そんな寺戸さんが着目したのが、タスクを段取りよくこなすための「実行機能」の補完です。特に、発達障害に代表的と言われるADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の特性について考えたときに、「自分の注意力を適切に運用できる」「情報を明確にする」「時間的展望を持ちやすくする」支援をすることが、就労課題の解決につながるのではと考えました。
誰もが働きやすい環境をつくるために、発達障害当事者の方のアイデアも取り入れながら、こうした実行機能を補うアプリとして『コンダクター』を立案。「ハッタツソン2019」で審査員から高い評価を得て、最優秀賞である「ハッタツソン賞」を受賞しました。
その後ベータ版を作成するためにクラウドファンディングを実施し、260人から約112万円の支援を得て目標金額を達成。2021年6月にベータ版をリリースした後、機能の改良を重ね、2022年3月、製品版がリリースされています。
ビジネス向け機能も、来春リリース予定
現在は個人がタスクを作成し、スマートフォン内で管理する機能のみですが、来年春には「作業者の管理者にあたる人」もタスクを作成できる、ビジネス(toB)向けの機能をリリース予定。実現すれば、具体的な作業内容と時間の見通しを含んだタスクを、チームで共有できるようになります。
『コンダクター』を通して、これまで指示の曖昧さや手順の見通しが立たないことに不安を感じていた発達障害がある人の、働きやすさの改善が期待されます。
発達障害の特性を意識して開発されているアプリですが、「作業をするときに気が散ってしまう」「時間通りに仕事がこなせない」などは、多くの人が感じることがあるのではないでしょうか。
寺戸さんも「誰にとっても日々のタスクを進めやすくするアプリ」を目指しているといいます。ぜひ一度インストールして、使ってみませんか?
Information
スマートフォンアプリ『コンダクター』
アプリ制作・販売:フェルマータ合同会社
価格:無料
ダウンロード方法:AppleおよびGoogleの各ストアより
App Store(iOS)
Google Play(Android)
取扱説明書:note
問い合わせ:フェルマータ合同会社