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「発達障害との共創」をコンセプトにした「ハッタツソンフェス2024」が4月5日開催。今回初のリアル会場では展示も実施
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発達障害を軸に生まれた協働を紹介・発信するイベント

「発達障害との共創」をコンセプトに発達障害に関する多彩な取り組みを発信するイベント「ハッタツソンフェス」が4月5日(金)に大阪府大阪市の〈QUINTBRIDGE〉で開催されます。

例年「世界自閉症啓発デー」と「発達障害啓発週間」に合わせて開かれる同イベント。第三回目となる今回は、初のリアル会場での開催です。会場では専門家や企業、当事者によるトークセッションのほか、展示ブースが設けられ、発達障害のある人の視点に立ったサービスや商品に触れられます。また、セッションの模様はYouTube上でも配信される予定です。

双方の視点から共創する「ハッタツソン」

このイベントを主催するのは〈合同会社Ledesone(レデソン)〉。主に発達障害がある当事者と、企業や自治体の接点づくりに取り組む会社です。具体的には、発達障害のある方とそうでない方がチームを組み、新しいシステムやサービスの開発を行うイベント「ハッタツソン」をはじめ、当事者の視点を軸にしたプログラムの開発や企画運営などを行っています。

「ハッタツソン」は、もともとエンジニアやデザイナーなどがチームを結成し、意見やアイデアを出し合いながらシステムの開発を行って成果を競うイベント「ハッカソン」と、発達障害の「ハッタツ」をかけ合わせた造語。過去に〈こここ〉でも、発達障害のある人とそうでない人が協働して社会課題を捉えなおし、解決に向けたアイデアを発見するその共創の取り組みについて、ニュースで取り上げました。

そうした取り組みに加え、2022年4月から専門家や企業、個人などの先駆的なトピックを幅広く発信する「ハッタツソンフェス」を開始。当事者はもちろん、障害者雇用を検討している法人や、ユニバーサルな視点が欠かせない自治体なども対象に、最新の研究成果の共有や事例を紹介してきました。

多角的に理解が深まる8つのトークと9つのブース展示

第三回の「ハッタツソンフェス」は、初めてのリアル会場としてNTT西日本が運営するオープンイノベーション施設〈QUINTBRIDGE〉で開催されます。今回も、発達障害について多角的に理解が深まる、8本のトークが組まれています。

1本目のトークセッションは「ニューロダイバーシティの視点で考えるひとりひとりが生きていきやすい社会について」。登壇するのは『〈叱る依存〉がとまらない』の著者で臨床心理士・公認心理士の村中直人さんと、〈レデソン〉の代表で、見えづらい障害や特性を活かすインクルーシブデザインに挑戦するTenさん。改正障害者差別解消法によって注目が高まっている「合理的配慮」や「環境の整備」について、村中さんが研究する「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)」の見地から考えます。

〈Neurodiversity at Work 株式会社〉 代表取締役、〈一般社団法人子ども・青少年育成支援協会〉共同代表村中直人さん(左)と、〈合同会社Ledesone〉代表、インクルーシブデザインプランナーのTenさん

続いて、2本目のセッションは「発達障害の視点を活かし、その可能性を広げる2つのタスク管理アプリ」。先延ばし癖やマルチタスクが苦手といった発達障害による困りごとを解決するためのタスク管理支援ツール「タスクペディア」開発した小鳥遊さんと、ハッタツソン2019でタスク管理アプリ「コンダクター」を開発した寺戸慎也さんが、それぞれのツールの制作秘話や意識した点について語り合います。

〈TASK DESIGN LAB.〉代表、〈社会福祉法人SHIP〉リワークトレーナーの小鳥遊さん(左)と〈フェルマータ合同会社〉代表の寺戸慎也さん

このほかにも、セルフコーチングやセルフケアといった各種ツール開発者の発表や、インクルーシブな商品を開発するための企業の取組、発達障害の視点を活かした新規事業開発への挑戦、当事者と考える見えづらい困りごとやアクセシビリティについてなど、幅広いトークが展開されていきます。

また、今回初の試みとなる展示には9つのブースが出展予定です。当事者の声を受けて出来た製品や、トークで登場したツールも実際に自分で触って確かめられます。トークイベント終了後も、展示を巡ったり、出演者・出展者・スポンサー企業・参加者同士で交流をしたりする時間も設けられています。

〈大栗紙工株式会社〉の展示ブースでは、発達障害当事者の「表紙の装飾や中紙に印刷された日付などの余計な情報が気になり集中できない」との声に耳を傾けて開発したシンプルなデザインのノートや、まぶしさを抑えた中紙や独自の罫線を導入したノートなどが展示されます
〈コクヨ株式会社〉の展示ブースでは、〈カウネット〉が販売する片手でスッと取り出せる生活に便利な生活消耗品「取り出しやすいシリーズ」が展示されます

会場には簡易的なクールダウンスペースが2つ設けられているので、人混みが苦手な方でも、自分のペースでイベントに参加できます。またYouTubeでのライブ配信では、各セッションにてUDトークによるリアルタイム字幕が提供される予定です。ハイブリッド開催で遠方の方も参加できるこの機会。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。