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子どもは“世界”をどう見ている?​​〈ITOCHU SDGs STUDIO〉の体験型展示「こどもの視展」開催中
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赤ちゃんの頭部の大きさを再現したマスクをかぶった人が、倒れた牛乳パックからこぼれた牛乳を前に頭を抱えている写真。展覧会タイトルと期間などがカラフルな文字で入っている。
〈ITOCHU SDGs STUDIO〉で2022年9月19日まで開催中の「こどもの視展」

子どもとの暮らしについて考える体験型展示「こどもの視展」

「なんで大人はこんなことを言うんだろう」。幼い頃、そんな気持ちを抱いた記憶はないでしょうか。でも、いざ自分が大人になってみると、かつての目線に戻って子どもたちを取り巻く物ごとを考えるのは、決して簡単ではありません。

〈ITOCHU SDGs STUDIO〉で2022年9月19日まで開催中の「こどもの視展」は、そんな子どもとの暮らしや社会のあり方について考える体験型展示。同スタジオ内の子ども向けSDGs施設「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」のオープンに合わせて企画されたものです。

6つの「こどもになって世界を見る体験」を通して、子どもたちが安心して暮らすために必要な視点や、子どもとのコミュニケーションについて考えるきっかけを提供しています。

展示会場内の様子。ベンチにベイビーヘッドをかぶった人が座り、隣に腰掛けた人が顔を覗き見ている
「子どもはどうしてよく転ぶの?」「どうしてそんなにマイペースなの?」——子どもたちへの“なぜ?”が体験を通して理解できるかもしれません

6つの「こどもになって世界を見る体験」

展示のプロデュースをするのは、〈株式会社電通〉の運営する〈こどもの視点ラボ〉。赤ちゃんや幼児の“当事者視点”とはどんなものかを真面目かつ楽しく研究し、本展の企画にもつながる子どもに関する専門家との対話をレポートとして「電通報」で連載するなどしています。

本展では、子どもにとっての自分の体の感じ方、コミュニケーション、モノの大きさや重さ、時間感覚、目の前の大人の見え方などが6つの展示で疑似体験できるようになっています。

・ベイビーヘッド

赤ちゃんの頭を体験するためにつくられた“ベイビーヘッド”。身長の約1/4あるという赤ちゃんの頭の大きさを、大人の身体のサイズに合わせて再現しました。

赤ちゃんの頭を大人の重さに換算した、約21kgの重りとともに展示。バランスを取って立つことがいかに難しいか、なぜ安全に配慮が必要かを体感できます。

大きな頭の赤ちゃんのマスクをかぶった人が机の前に腰掛け、こちらを見ている。机の上には、大きなサイズの牛乳とマグカップがある

・いとちゃんの30分

子どもが30〜40分の間に動き回る様子を、定点カメラで撮って1枚の写真にまとめた作品。1日の「できごと」が大人より圧倒的に多いことが可視化されています。

子どもたちの時間感覚は、なぜ大人と違うのか。子どものペースの“謎”を解くことで、あたらしい世界が見えるかもしれません。

公園を写した一角の画面いっぱいに子どもの姿が写っている

・4mの大人たち

私たちが子どもになったとしたら、大人は約4mの巨大生物。そんな巨大生物に見下されて怒られたらどんな気持ちがするでしょう。VR映像で体験すれば、その怖さが身にしみてわかるはずです。

左側に男性、右側に女性、黄色いシャツを着た大きな人影が不機嫌な様子でこちらを見下ろしている

他にも、何を話しても泣き声に変換される「ベイビーボイス」や、2歳児の手のひらで持つコップと牛乳パックの大きさが再現された「2歳の食卓」、子どもたちがいかに重たいランドセルを背負っているかを体感できる「大人ランドセル」などがあり、子どもになって生活すると世界はどのように感じられるのか知ることができます。

来場者からは、「我が子の気持ちが理解できる良い体験でした」「大人にとって普通の生活が子どもにとってはこんなに不便なのだということがよくわかった」などの声が寄せられているそうです。

また、「こどもの視点をもっと学べるカフェスペース」では、展示で取り上げる視点に関連した専門家へのインタビューも。子ども研究の第一人者である先生たちの研究内容から学び、体験をさらに深めることができるでしょう。

同時オープンの「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」

本展を開催する〈ITOCHU SDGs STUDIO〉は、〈伊藤忠商事株式会社〉が運営する、SDGsに関する情報発信や体験の場をつくるプラットフォームです。「わたしが夢中のSDGs、はじまる。」をコンセプトに、2021年4月に開設されました。

白地に17色の鳩が飛んでいる看板がある、〈ITOCHU SDGs STUDIO〉外観
〈ITOCHU SDGs STUDIO〉外観。ロゴマークは、SDGsに掲げられている17個の目標を平和の象徴であるハトをモチーフに表現しています

伊藤忠商事内部にとどまらず、SDGsに関わる活動をしている外部の団体や個人の取り組みにもスポットを当ててきた〈ITOCHU SDGs STUDIO〉。ギャラリー運営やラジオ番組など、様々なかたちで世の中のSDGsの取り組みを発信し、開設から1年で企画した8つの展示には、2万人以上の来場者が訪れました。

そんな同スタジオが2022年7月22日にオープンした「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」は、大人だけではなく、「未来をつくっていく“こども”たちにも夢中のきっかけを提供したい」という想いから開設されたものです。〈株式会社ボーネルンド〉の協力で、子どもたちがめいっぱい遊びながらSDGsの学びを得ることができるようデザインされています。

体験エリアにあるのは、プラスチックゴミが消えることで、海の生き物が生かされることが体感できるデジタルコンテンツや、廃材アート体験を楽しむことができるコーナー。ほかにも、自然や動物たちの生態系を守ること、分別の大切さ、などを遊びながら学ぶことができ、SDGsに通じるおもちゃや絵本に触れることもできます。

カラフルなボールが浮かんだボールプール。右手奥に、7色のボールを入れるバスケットがあり、バスケットの下からボールプールの内部に管がつながっている
7色のボールを分別してカゴに投げ入れることで、虹がかかる「ナナイロスカイ」。左手奥の窓ではお絵描きも楽しめます

「わかりやすくかつ楽しく体験できる」など来場者にも評判のKIDS PARKは、9月末まで予約がほぼ埋まる状況となっています。展示「こどもの視展」(こちらは予約不要)とあわせ、どちらも入場無料です。

当事者の視点に立って子どもを理解することができれば、大人の関わり方や言葉のかけ方にもきっと変化が起こるはず。子どもたちは世界をどう見ているのか、体験してみませんか?