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“介護の願い”を集め、叶える「#ねかいごと」プロジェクト──2024年11月10日、11日に展示&トーク開催
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「ねかいごと 2024」は千代田区の〈オープンコラボレーションハブ LODGE〉で行われます(写真は昨年の様子)

排泄ケアテック「Helppad」など願いを叶える7事業が集結

「みんなと同じ料理が食べたい」
「着たい服を着たい」
「足を動かして移動したい」
「誰かと一緒にいたい」

介護の現場にいてふと耳にする、目の前の人の“願い”。その願いを願いのまま終わらせないために、私たちに何ができるでしょうか?

2023年にスタートした「ねかいごと」は、介護に関わるすべての人から「介護にまつわる願いごと」を集め、それを実現していくプロジェクトです。介護の日(11月11日)にあわせ、今年は2024年11月10日(日)と11日(月)に、企画に賛同する7社が集まり、日常生活やコミュニケーションを支援するプロダクトを展示します。

また、さまざまな業界から“願いを叶えた人”を招いてのトークも開催。イベント主催者である、排泄検知センサー「Helppad(ヘルプパッド)」を開発した〈株式会社aba〉宇井吉美さんが聞き手となり、願いを叶えていくうえで必要な視点や、実現のためのヒントを探っていきます。

2023年スタートのプロジェクト「ねかいごと」とは?

かつて、願いをつぶやいた介護者がいました。
その隣には、願いを、願いのまま、
終わらせなかった開発者がいました。

公式サイト冒頭にこう記されている「ねかいごと」は、介護をする人、される人、その家族など、介護に関わるさまざまな人から集まる願いを、テクノロジーなどの力を通して叶えていく活動です。

発起人は、においで排泄を検知するセンサー「Helppad」を開発した〈aba〉代表取締役の宇井さん。「おむつを開けずに排泄を確認したい」という介護者の願いを受け止め、新しい製品を生み出した宇井さんですが、開発を通じ、そうした願い自体を表に出せないケースがまだまだあるのでは……とも感じてきました。

「願いをつぶやくことを諦めてしまった方は、介護の現場では実際多いと思います。でも、それを叶えることのできる技術者たちも、実は世の中にたくさんいるんです。誰でも願いをつぶやくことができるようにしたい、と考えていました」(宇井さん)

そんな思いからスタートしたプロジェクト「ねかいごと」では、活動初年度となる2023年、趣旨に賛同する6社が集まって介護の日にイベントを開催。願いを叶えうるプロダクトの展示や、来場者一人ひとりの願いを言葉にするコーナーなどを設けたり、ゲストを招いたトークを行ったりするなかで、クローズドながら熱気溢れる空間を生み出しました。

「ねかいごと 2024」を11月10日(日)、11日(月)に開催

2年目となる今年は、誰でも参加できるイベントとして2日間の開催となります。

「展示」に参加するのは7社。Helppadの第2世代である「Helppad2」既成服のお直しサービス「キヤスク」などが今年も並ぶ一方で、新たにタッチパネルディスプレイの「muiボード(むいボード)」も登場し、より充実した内容で介護の願いを叶える技術が披露されます。

2023年の展示より。左列:DeliSofter(デリソフター)、中央列:COGY(コギー)、右列:キヤスク
左列:Helppad2、中央列:tonari(トナリ)、右列:ころやわ

また会場では、展示を行う7社が参加する「座談会」を両日開催。それぞれのプロダクトの原風景となっている人やセリフ、シーンを紹介してもらったり、開発過程でどんな挫折や苦難があったか、それをどう乗り越えたかを語り合ったりする会が予定されています。モデレーターとして、〈一般社団法人日本福祉医療ファッション協会〉の平林景さん、介護ライターの島影真奈美さんが参加します。

加えて、初日には〈一般社団法人インパクトスタートアップ協会〉の小池克典さんと〈株式会社CRAZY〉の森山和彦さんが、2日目には〈株式会社ウィズグループ〉奥田浩美さんがゲストとなる、3つの「トークセッション」も開催されます。それぞれ異なる領域で活躍する3名が、今までどのような願いを叶えてきたのか、なぜそれが実現できたのかを、宇井さんとの対談を通じ探っていきます。

クローズドで開催された「ねかいごと 2023」のトークイベントの様子

私たちの社会には、今もさまざまな課題があります。困難を抱えたとき、あるいは困難を抱えた人を目にしたときに「もっとこうだったら」と願った経験は、介護に関わる方のみならず、誰もが持つものではないでしょうか。

これまで表に出てこなかった、あるいは出すことのできなかった誰かの言葉も、別の誰かに受け止められることで、新しく何かが動き出すかもしれません。

「願いは誰でもつぶやけるものですが、つぶやきっぱなしになる状態だとつらいと思うんです。でも、ここならそれを真摯に受け止めてくれる人がいる。そのことを感じてもらえる場にできればと考えています」(宇井さん)