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言葉に頼らない“感じるコミュニケーション”を体験する「みて・さわって・きいて―感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」東京・渋谷〈CCBT〉にて3月5〜10日に開催
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「みて・さわって・きいて―感じてあそぶスヌーズレン・ラボ」と会期、子ども達のイラストが描かれたグラフィックデザインのメインビジュアル画像

世界に広がりを見せる「スヌーズレン」をベースとした展示・体験会

「スヌーズレン」という言葉を見聞きしたことはあるでしょうか。光、音、匂い、振動、触覚など、人間の感覚をやさしく刺激するものが効果的に配置された環境で、利用者が自分のペースで、自分の心地よさに出会い、選択し、楽しむための理念であり実践です。

1970年代のオランダで、重度の知的障害がある人の余暇活動やリラクゼーションとしてスタートし、その後、小さな子どもや認知症のある高齢者、はたまた介護者にとっても心地よい時間が過ごせる場として認知され、今では世界45カ国以上で取り入れられています。

そんな「スヌーズレン」をベースとした展示・体験会「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ 」が、2024年3月5日(火)~10日(日)の期間、東京都渋谷区の〈シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]〉にて開催されます。

会期中はワークショップやトークイベントも実施され、参加費は無料です。

水を湛えた円柱状の透明なアクリル水槽に細かい気泡が浮かび、子どもがその水槽を見て笑っている写真。
「スヌーズレン(snoezelen)」とは、オランダ語で“鼻でクンクンとあたりを探索する様子”を意味する「スヌーフレン(snuffelen)」と、“ウトウトと気持ちのいい様子”を意味する「ドースレン(doezelen)」のふたつの言葉をかけ合わせた造語。日本では福祉施設や子育て支援施設を中心に広がりをみせています

〈SnoezeLab.〉による、デザインやテクノロジーを活用した“新”スヌーズレンの提案

アート、テクノロジー、デザインをテーマにしたさまざまなプログラムを通じて、人々の創造性が発揮される広く開かれたプラットフォームを目指し、2022年10月に誕生した〈CCBT〉。

その〈CCBT〉において、2023年度の「CCBT アーティスト・フェロー」に採択された〈SnoezeLab.(スヌーズレン・ラボ)〉が、本プロジェクトの企画立案者です。

乳幼児や特別支援を必要とする子どものデジタルコンテンツの企画開発や、スヌーズレン・センサリールームの環境づくりを専門とする橋本敦子さんと、母親を中心としたサスティナブルなチームづくりを手がけてきた市川望美さんによるチームです。

左を向く橋本敦子さんと、笑顔で正面を見る市川望美さんの写真。
〈SnoezeLab.〉のメンバーである橋本敦子さん(左)と、市川望美さん(右)

それぞれ個別に活動を行ってきたおふたりですが、「CCBT アーティスト・フェロー」に採択されたことをきっかけに、デザインやテクノロジーを活用した新しいスヌーズレンを提案するプロジェクトを始動。

本展はそのプロジェクトの一環であり、インクルーシブな環境づくりの開発や、国内におけるスヌーズレンの普及と理解促進を目指して開催されます。

インクルーシブな環境を創出する「3つのラボ」を設置

「みて・さわって・きいて—感じてあそぶスヌーズレン・ラボ 」では、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚といった“五感”、体の傾き・重力・スピードなどを感じる“前庭覚”、力加減やバランスなどを感じる“固有受容覚”の、7つの感覚にアプローチする3つのラボ「センサリーラボ」「イマーシブラボ」「アレコレアジワウラボ」を設置。

言葉に頼らない“感じるコミュニケーション”の創出や、感情を豊かに表現し、互いに理解し合うインクルーシブな環境を創出する場を設けます。

「センサリーラボ」

スヌーズレンのコンセプトを基盤とするセンサリールームを体験できるラボ。ハイハイ前の赤ちゃんや、重度の障害がある子どもも楽しめるブランコ、幻想的で優しい光・色・音などで構成されたコーナーが用意されています。

緑色にライトアップされたお部屋に、柔らかい大小のボール、蛇のぬいぐるみ、クッションが置かれ、壁にはカラフルなイラストをプロジェクションで映し出している。
紫色の空間に円形状のテントを張り、キャンプをしているような幻想的な空間の写真。

「イマーシブラボ」

身体機能に関わらず、多くの人が楽しめることを目指す体験型コンテンツ、没入型インタラクティブ・プロジェクション「ミラージュ」、複数の香りを楽しむ「くんくんソムリエ」など、身体や感覚器をいっぱいに使って楽しむラボ。

光のプロジェクションアートの上でゲームを楽しむ子供たちの写真。

「アレコレアジワウラボ」

味覚だけでなく、展示を見たり、ひと息入れて考えたり。この場の体験についてじっくり味わうためのラボ。障害やさまざまな特性のある人がスイーツやドリンクを提供するカフェもオープンします。

木のテーブルに置かれた、かき氷のようなスイーツの画像。
インクルーシブスイーツ参考イメージ

開館前となる11時~13時の時間帯は、乳幼児や重症心身障害のある子どもが安心して参加し、遊ぶことができる「ファミリータイム」として解放。

さらに13時~16時の時間帯は「カフェタイム」と称し、摂食嚥下障害の有無にかかわらず、皆が同じものを食べられる「インクルーシブスイーツ」やドリンクなどを提供するカフェも開店します。

「香り」のワークショップ、「インクルーシブな子育て」を語り合うトークイベントも

会期中は、さまざまなゲストを迎えた関連イベントも予定されています。

3月6日(水)、7日(木)の2日間は、乳幼児や障害のある子どもの保護者に向けた、お気に入りの香りを探すワークショップ「香りで探す“私”の感情」を実施。映像、音楽、香り、参加者同士の語り合いを通じて、自分自身の感情と向き合い、好みの香りを探っていきます。

3月8日(金)には「もっとインクルーシブに遊び・育ち・はたらく」と題したトークイベントを開催。〈SnoezeLab.〉の橋本さんと市川さんに加え、福祉の領域で活躍するさまざまなゲストが登壇。インクルーシブな子育て環境の実現に向けて語り合います。

〈CCBT〉のエントランス画像。
会場となる〈CCBT〉のエントランス。渋谷駅ハチ公改札から〈CCBT〉まで、車椅子やベビーカーでアクセスしやすいルートや、渋谷駅構内のエレベーター情報、多機能トイレ情報などを記した「車いす等利用者向け推奨ルート(PDF)」も要チェック

幼い子ども、知的に障害がある人、認知症のある高齢者など、思いを言葉で伝えられない人は多くいます。スヌーズレンの実践は、そのような人々の思いや気持ちにより近づけるきっかけになるかもしれません。言葉に頼らない“感じるコミュニケーション”の体験を、この機会にぜひ。