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障害と創作・鑑賞の場づくりを学ぶ連続講座「STAGE for ALL」が9月よりオンライン講座&ワークショップを開催!
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【画像】STAGE for ALL

多様な作り手と創作すること・多様な鑑賞者に作品を届けることを共に考える「STAGE for ALL」

公共の施設や劇場では、点字ブロックやスロープの設置など、バリアフリーを意識した取り組みが広がり、誰もが利用しやすい環境づくりに向けて対策を進めています。では、その場で上演される演劇やパフォーマンスはどうでしょうか。手話通訳や字幕、音声ガイドのほか、さまざまな特性に合わせた鑑賞環境の整備が必要ですが、まだその対応は十分ではなく、誰もが安心して楽しめる演劇やパフォーマンスを提供するには工夫が足りていないのが現状です。

また、多様な背景をもつ参加者にひらかれたワークショップや障害のある人との創作活動の場も増えていますが、劇場で働く人や公演・ワークショップなどを企画する人たちが、「誰もが楽しめる場づくり」のノウハウを学べる機会は多くありません。

株式会社precogは劇場職員、アーティスト、企画者など多様な立場の参加者とともに、「多様なつくり手と創作すること」や「多様な鑑賞者に作品を届けること」を考える場「STAGE for ALL」を開催します。2025年9月からは全4回のオンライン講座を、さらに2026年1月からはワークショップ形式の講座を予定しています。

見る・学ぶ・LABの3つから劇場体験のアクセシビリティに取り組む「THEATRE for ALL」

「STAGE for ALL」は、株式会社precogが運営するバリアフリー型オンライン劇場「THEATRE for ALL」から生まれたプロジェクトです。「THEATRE for ALL」は、だれでも、いつでも、どこからでも、ひとりひとりがつながれる“劇場”を目指し、劇場体験にアクセシビリティを組み込むことを目指しています。

【画像】THEATRE for ALLのホームページ
「THEATRE for ALL」は映像作品におけるアクセシビリティの向上に取り組むほか、ラーニングプログラムの提供、文化芸術と福祉・社会包摂をテーマに研究活動などを実施。

「こここインタビュー」では、〈株式会社precog〉でTHEATRE for ALLの金森香さんと、〈株式会社バターのいとこ〉代表の小宅泰恵さんによる対談を行いました。

本記事では、「THEATRE for ALL」の活動から生まれたリアル上映会「まるっとみんなで映画祭」の取り組みについて話を伺いながら、劇場と就労支援での体験づくりという異なるフィールドで活動するお二人が、多様な人々が同じ空間を共有することの意味について語っています。

劇場や創作活動、アクセシビリティの実践から、障害と創作・表現・鑑賞環境を学ぶ講座

「STAGE for ALL」は、「オンライン講座」と「ワークショップ講座」で構成されるプログラムです。2025年9月からは障害と創作・表現・鑑賞環境について考えるトークシリーズとして全4回のオンライン講座を開催。2026年1月からは、合宿形式の短期集中講座として、2コースのワークショップ講座を実施します。

興味ある講座を選んで参加が可能。オンライン講座は各回ごとの申し込みも受け付けています。

【画像】STAGE for ALLのプログラム内容

オンライン講座の第1回「劇場のアクセシビリティを考える〜Modu Art Theaterの実践〜」は9月10日(水)に開催します。障害の有無を超えて“共に楽しめる劇場”を目指し、2023年韓国・ソウルに設立された〈Modu Art Theater〉を運営する、韓国障害人文化芸術院・劇場運営部部長のオ・セヒョンさんが登壇。聞き手は〈株式会社precog〉の篠田栞さんと田澤瑞季さんが務めます。

【画像】「劇場のアクセシビリティを考える〜Modu Art Theaterの実践〜」のバナー

9月18日(木)に開催する第2回「精神障害と創作〜障害のある人との創作活動の現場〜」では、〈OUTBACKアクターズスクール〉校長の中村麻美さん、〈特定非営利活動法人東京ソテリア〉の栗原和美さん、塚本さやかさんが登壇します。

福祉施設との共同事業や当事者との創作活動に長年取り組んできた実践者たちの対話を通じて、ケアと表現の関係性や文化芸術からの新たなアプローチについて考えます。聞き手は文筆家の土門蘭さんです。

【画像】「精神障害と創作〜障害のある人との創作活動の現場〜」のバナー

第3回「ステージの手話通訳とはなにか〜表現と鑑賞のあいだで〜」は9月26日(木)に開催します。舞台手話通訳をテーマに、演劇やコンサートにおいて手話がどのように表現を伝え、ろう者に届けられるのかを学びます。登壇者は、〈株式会社エンタメロード〉代表の江副悟史さん、舞台手話通訳者の田中結夏さん、コンサート手話通訳者・プログラムマネージメントの長谷川恵美理さんです。

【画像】「ステージの手話通訳とはなにか〜表現と鑑賞のあいだで〜」のバナー

第4回「舞台芸術のアクセシビリティを考える大会議〜たのしむ人と届ける人の対話〜」は10月3日(金)に開催します。アクセシビリティや鑑賞のデザインをめぐり、舞台芸術のこれからについて議論します。登壇は、アクセシビリティアドバイザーの山崎有紀子さん、俳優・ナレーターの関場理生さん、福岡県立ももち文化センター事業責任者の王丸あすかさん、そしてアーティストで〈Transfield Studio〉共同主宰の山川陸さんです。

【画像】「舞台芸術のアクセシビリティを考える大会議〜たのしむ人と届ける人の対話〜」のバナー

2026年1月から開催されるワークショップ講座は、障害のある人との創作や鑑賞の設計を実際に体験し、対話を重ねる、パフォーミングアーツ実践者のための合宿形式・短期集中プログラムです。

1月24日(土)〜25日(日)には、「身体や心をつなぐ翻訳と対話。情報保障と鑑賞の先の対話を考える」を東京で開催します。ゲストは、〈CINEMA Chupki TABATA〉の平塚千穂子さん、〈ものがたりグループ☆ポランの会〉代表の彩木香里さん、〈Sign Poet〉のSasa-Marieさん、作曲家・演出家・劇作家の額田大志さんです。

2月21日(土)〜22日(日)には、「重度の心身障害のある人と創作すること、日常とケアのあわいの表現」を奈良で開催します。ゲストには、〈たんぽぽの家アートセンターHANA〉副施設長の佐藤拓道さん、ダンスカンパニーMi-Mi-Biの森田かずよさんと福角幸子さん、もさんを迎えます。

【画像】チラシ
【画像】チラシ

さらに、ワークショップ講座の参加者のうち希望者には、国際芸術祭「あいち2025」のパフォーミングアーツ部門における鑑賞サポート付き公演の視察研修も実施されます。

誰もが安心して演劇やパフォーマンス、ワークショップなどを楽しめる環境や場づくりに興味がある方は、ぜひ「STAGE for ALL」で学びを深めてみてください。