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8/17〜19の3日間「TURN フェス6」が東京都美術館で開催!「出会いが広がる」をテーマにした展示や上映など。
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ピンクのがめんに、ターンフェス6のろご
8/17〜19の3日間開催される、「TURN フェス6」

東京都美術館で「TURN フェス6」が3日間開催

“違い”を超えた出会いで表現を生み出すアートプロジェクト〈TURN〉。先日のニュース記事では、美術館とオンラインで開催される「TURN フェス 2021」の見所についてお伝えしました。

今回はそのうちのひとつ、2021年8月17日から19日の3日間、東京都美術館(東京都台東区)で開催される「TURN フェス6:東京都美術館」をご紹介します。

テーマは「出会いが広がる」。アーティストとさまざまな団体との共働活動を通して生まれた表現の展示や、映画上映などを通して、アクセシビリティやダイバーシティに関する理解を深める機会をつくります。

会場では、年間を通して展開する「TURN交流プログラム」や「TURN LAND」の活動のほか、コロナ禍での気づきや活動を伝える媒体として2020年度に刊行した「TURNジャーナル」や、アーティストや各方面の専門家たちと実施した〈TURN〉に関わるリサーチ「TURNラボ」から生まれた新しいアプローチなどを、作品やアーカイブの展示を通して紹介。持続性のある活動のあり方を思考する機会を創出します。

「TURNフェス6:東京都美術館」の注目作品をご紹介

コロナ禍で大きく変わってしまった、人と人との出会い方・過ごし方。身動きのできない日常で孤独を感じたり、移動できないことに苦しんだり、大事な人との距離感に悩んだりした方も多いのではないでしょうか。しかし、そんな渦中にあって、表現という手段で柔らかな挑戦をしてきた人たちがいます。今回は、「TURNフェス6」参加アーティストの展示から、〈こここ〉の合言葉「個と個で一緒にできること」にも関わるような、注目の作品をご紹介します。

「同じ月を見た日」 アイムヒアプロジェクト|渡辺篤 

現代美術家の渡辺篤さんは、過去にひきこもり経験があります。自身の経験を発端に社会復帰してから今日に至るまで、孤立やトラウマを持つ当事者と協働する「アイムヒアプロジェクト」を展開。

今回の「TURNフェス6」で発表される「同じ月を見た日」は、2020年4月7日、コロナウイルス感染症拡大に対する緊急事態宣言が発出されたその日にスタートした企画です。

「家から月を見てみませんか? 私たちは離れていても同じ月を見ることができます」と、ウェブサイトやSNSで発信された渡辺さんからのメッセージに対して、ひきこもりや心身の障害などさまざまな事情を理由に孤立している人や、コロナ禍ゆえの孤立を感じている人など、50名以上が参加。彼ら彼女らとともに遠隔での交流を続け、それぞれの場所から月の撮影を続けてきました。今回、世界中で撮影された千枚を超える月の写真をもとに、大型プロジェクションなどを用いた作品として展示されます。

かべにつきのがぞうがうつしだされている
「同じ月を見た日」アイムヒア プロジェクト(R16 studio、横浜) Photo: Keisuke Inoue

「かたちのない手ざわり/接地面をなぞる」 山本千愛 

アーティストの山本千愛さんは、2016年から12フィート(H3658mm×W116mm×D58mm)の木材を携えて歩くプロジェクトを展開。これまで国内の多くの場所を移動しながら、大きな木材を持って歩くという印象的な姿で人と出会い、地域に触れ、移動中のプロセスを記録し発表してきました。しかし2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により移動ができなくなり、北九州に住む予定が叶わず、東京都内を130キロ歩くことに。

「TURNフェス6」では、東京を歩いた12日間の旅路を記録したノーカット映像や日記、実際に持って歩いた木材が展示されます。「制限を余儀なくされ緊張感を伴う移動の中にも、人と絆を育む場面があり、『生きること』と『出会うこと』のリアリティがあった」という山本さん。その記録と向き合うことで、どんな思いが立ち上がるのでしょうか。

ひだりてにもくざいをたずさえあるく、やまもとさん

「こもね座特別企画 『コレダ・レーダ』」 大西健太郎 

アーティストの大西健太郎さんは、アーティストの宮田篤さんと共に、板橋区立小茂根福祉園と協働して劇場型のプロジェクト「こもね座」を展開してきました。今回は、「TURN フェス6」に向けた映像作品『コレダ・レーダ』を共同制作。施設利用者や職員が「着る装置」としてのオリジナル衣装を身にまとい、施設で日常を過ごす様子を映像に収めました。

「二つの衣装が一つにつながった衣装」を着ることで、二人の人がつながって行動することになります。「つながって散歩する」「つながってベンチでゆっくりする」「つながって屋上に出てみる」。異なる生活習慣やリズムをもつ人たちが一緒になることで、「わたし/あなた」の境界が曖昧な存在(「これ、誰だ?」=コレダ・レーダ)となって映し出されます。

ふたりのひとが、ひとつのふくでつながっているイラスト

映画上映やアクセシビリティへの配慮も

その他にも、初年度から〈TURN〉の活動を追ってきた、〈らくだスタジオ〉の田村大さんによるドキュメンタリー映画のほか、マイノリティ性や生きづらさを抱える人と表現の姿を映し出す映画の上映が行われます。

また、会場内には、来場者一人ひとりにあわせた鑑賞や参加の仕方を専門家が提案する「アクセシビリティ・カウンター」を設置。会場の形を触れてイメージするための触知図など、作品や空間を様々な知覚を通して体験・参加できる環境が創出されます。

入場料は無料。事前予約不要でどなたでもご参加できます。3日間の開催をどうぞお見逃しなく!