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全国の福祉発プロダクトを扱うセレクトショップ〈ここことか〉が東大阪市の古本とレコードのお店〈とか〉内に9月末オープン!
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〈ここことか〉がオープンする〈とか〉店内の様子

〈こここ〉×〈とか〉による、福祉発プロダクトを扱うセレクトショップがオープン!

マガジンハウスが運営するウェブマガジン〈こここ〉と、大阪府東大阪市に所在する“本と音楽のお店、ときどきゼミ”の〈とか〉が協働し、全国の福祉施設でつくられている商品を集めたセレクトショップ〈ここことか〉を2024年9月27日(金)にオープンします。

これまで〈こここ〉のプロダクト紹介コーナー「こここなイッピン」で取り扱ってきた“福祉発プロダクト”をはじめ、〈ここことか〉が注目するユニークでオリジナリティ溢れる福祉発プロダクトを紹介・販売していきます。商品はシーズンに合わせて3ヶ月おきに入れ替えます。

オープンに合わせた第一弾ラインナップは、大阪・京都にある福祉施設から、〈西淡路希望の家〉〈暮らしランプ〉〈PALETTE〉のプロダクトをセレクト。ぜひショップに足をお運びください。

アサダワタルさんがオーナーを務める〈とか〉

〈とか〉は、西日本最大の学生街「近大まなびや通り」に2023年11月にオープンした、西日本最小(たぶん)の古本屋・中古レコード店、兼コミュニティスペースです。築90余年のクリーニング屋をリノベーションした店舗で、今も残る元クリーニング屋の黄色い看板が目印。近畿大学の学生をはじめ、地域住人などが日々行き交う賑やかな商店街に位置しています。

オーナーは、〈こここ〉でもケアと表現にまつわるエッセイの連載を執筆されていた、文化活動家のアサダワタルさんです。(2024年7月最終回を掲載)

お店がオープンするのは、月・水・金の11時〜18時。店長である水棲ガメの「とんちゃん」と「かんちゃん」が見守る中、アサダさんがセレクトしたアート・人文系の古本や、幅広いジャンルから厳選されたレコードが並ぶ店内では、しばしばアサダさんが教員を務める近畿大学のゼミが行われるなど、さまざまな人が出入りするコミュニティスペースとしても機能しています。また、店内を彩る大きな壁画は、ロックバンドCHAI(2024年解散)のベーシストでアーティストでもあるYUUKIさんによるもの。

そんな店内の一角に新しくできるのが、〈こここ〉と〈とか〉で協働して企画・運営するセレクトショップ〈ここことか〉です。

福祉発プロダクトの魅力とは

〈こここ〉のプロダクト紹介コーナー「こここなイッピン」では、福祉施設がつくるオリジナル商品から、福祉の領域に関わる人や場所、サービスから生まれたアイテムなどを、“福祉発プロダクト”として編集部がセレクトして紹介しています。

福祉発プロダクトには手ざわり感や味わいがあったり、ユニークな発想やユーモアたっぷりの遊び心があったり、一点一点表情が違っていたりと、大量生産の既製品にはない魅力が詰まっています。

また、たくさんの人の手や工程を介してつくられているものが多いのも、福祉発プロダクトの特徴です。効率重視ではない、一人ひとりの特性や得意なことに合わせた工程づくりや工夫がされていて、これからのものづくりや働き方を考える上でのヒントもたくさんあります。

福祉施設でつくられている商品は、施設内のショップや地域のイベントなどで販売されており、普段の生活ではなかなか出会う機会が少ないのも現状です。魅力的なプロダクトを通して、それらをつくっている施設やそこで活動する人のことも知ってもらう、というのも〈ここことか〉の狙いのひとつです。オープンから3ヶ月間取り扱う第一弾商品は、〈とか〉からも近い大阪・京都にある福祉施設から選んでいます。気になるアイテムがあれば、ぜひ次は施設に足を運んでみてください。

大阪・京都に所在する福祉施設の商品をご紹介

それでは、第一弾取り扱い商品のラインナップをご紹介します!

〈西淡路希望の家〉
大阪市東淀川区に施設を構える、知的障害のある人のための生活介護事業を行う福祉事業所。現在は約60名のメンバーが所属し、手織りや刺繍などのものづくりから、軽作業や清掃活動などを行っています。商品タグにも書かれている「スーパーハイパースペイシー」というキャッチコピーには、「メンバーがつくる商品は日本一、世界一、いや宇宙一!」という思いが込められており、“宇宙”をテーマにしたユニークで独創的な商品が話題を呼んでいます。

〈西淡路希望の家〉の代表的な商品といえるのが、オリジナルカレンダー。月ごとに、異なる利用者の描いた数字や文字が使われていて、めくるたびにワクワクするカレンダーです。数字だけでなく月ごとに紙質も変えているこだわりっぷり。そしてなんと、2025年はカレンダー発売12周年を記念して、これまでつくってきたカレンダーの中から選りすぐりの数字で構成されたスペシャル版だそうです。〈こここ〉が開催するマーケット「こここなイッピン市」でも、毎回完売する大人気商品です!

こここなイッピン」でも紹介した〈西淡路希望の家〉の人気アイテム「オリジナルカレンダー」。写真は2021年版(撮影:高倉夢)
こちらも人気アイテム「プラバンコレクション」より。メンバーさんの描いたイラスト入りプラバンがコレクションのように埋め込まれています

〈西淡路希望の家〉からは、ほかにもオリジナルファッション雑貨や小物などが並びます。

〈ここことか〉での取り扱い商品イメージ

〈暮らしランプ〉
京都を拠点に、就労継続支援B型事業所〈こきゅう+〉や生活介護事業所〈atelier uuu(アトリエ ウー)〉、コーヒーショップ&焙煎所〈NAKANOTEI COFFEE 蔵ROASTERY〉、おばんざいとお酒の店〈なかの邸〉など、さまざまな事業を運営する〈一般社団法人暮らしランプ〉。

今回〈ここことか〉では、〈atelier uuu〉でつくられている、メンバーが描いた絵を用いたポーチやバッグ、アクセサリーなどのファッション雑貨のほか、2022年から始まった京都系雑貨ユニット〈POP.POP.POP〉とのコラボレーションアイテムなども並びます。

こここなイッピン」では、〈一般社団法人 暮らしランプ〉と京都系雑貨ユニット〈POP.POP.POP〉のコラボレーションアイテムから、刺繍と織りの雑貨を紹介(撮影:高倉夢)

雑貨のほかには、オリジナル焙煎のコーヒードリップパックも販売。今ではさまざまな事業を展開する〈暮らしランプ〉の出発点となったのは、障害のあるスタッフと共に週末だけオープンしていた〈カフェ3〉。その後も〈暮らしランプ〉が力を入れているカフェ事業でつくるコーヒーは、丁寧にハンドピックしたコーヒー豆を自家焙煎したもので、パッケージにはメンバーの描いたイラストが用いられています。

丁寧にハンドピックした生豆を自家焙煎した〈暮らしランプ〉こだわりのコーヒー豆
〈ここことか〉での取り扱い商品イメージ

〈PALETTE〉
2019年、大阪市淀川区に開設した就労継続支援B型と生活介護の事業所〈PALETTE〉は、“個性をしごとに生かせる環境をつくる”をテーマに、メンバーの個性を生かせる「ものづくりの場」を提供しています。施設には、お菓子工房、窯を設置した陶芸工房、シルクスクリーン機器を導入した印刷工房、多様な表現が生まれるアトリエのほか、そこで生まれたものを発信するギャラリー、ショップなどが整備されています。

〈ここことか〉では、〈PALETTE〉の陶芸工房で製作された、陶器の植木鉢を販売します。カラフルな色の組み合わせやユニークな形が目を引く植木鉢は、メンバーが手びねりでつくっている、いずれも一点物です。小さいものから大きいものまで、サイズも形もバリエーション豊富に揃え、多肉植物を植えたものも取り扱い予定です。

PALETTEのメンバーさんが手捻りでつくる陶器の植木鉢は全て1点ものです(撮影:高倉夢)
〈ここことか〉での取り扱い商品イメージ(撮影:高倉夢)

オープニングに合わせてブックパーティも開催!

〈ここことか〉のオープン日に合わせて、9月27日(金)18:30〜20:00、〈とか〉を会場に「こここブックパーティ」を開催します。こちらは、〈こここ〉と来場者の一人ひとりが、それぞれ「テーマから連想した一冊」を持ち寄るイベントです。第1回となる今回は、〈とか〉のオーナーのアサダワタルさんと一緒に「“創造性”を考える一冊」を囲んでお話しします。

ぜひ、この機会に店舗に足をお運びください。〈ここことか〉の情報は、今後〈こここ〉や〈とか〉のSNSでも情報を発信していくので、そちらもチェックしてみてください。