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福祉×建築のデザイン実践を知り、ともに考える4日間。「みらいの福祉施設建築ミーティング」フォーラム(6月)&スタディ(7月)開催
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「日本財団 みらいの福祉施設建築ミーティング」イメージグラフィック画像
2023年6月24(土)に「みらいの福祉施設建築フォーラム」、7月7日(金)・14日(金)・20日(木)に「みらいの福祉施設建築スタディ」が開催されます

「地域の拠点」となるには? 福祉施設のためのミーティング

多様性の尊重が求められる一方で、少子化・高齢化や、地域コミュニティの希薄化などの課題が進む私たちの社会。それらの変化に伴い、近年の社会福祉施設には「地域の拠点」「地域にひらかれた共生の場」という役割が求められ始めています。

とはいえ、その必要性を感じながらも「どうすれば地域の人々の“拠点”として機能させられるかわからない」という福祉施設関係者もいるのではないでしょうか。

また、“ひらかれた”福祉施設が地域にどのように作用し、実際になにが生まれるのか具体的にイメージできず、行動を起こすきっかけを掴めないという人もいるかもしれません。

そのような疑問や戸惑いに対し、実践者の事例にヒントを得る「みらいの福祉施設建築ミーティング」が〈公益財団法人 日本財団〉の主催で開催。運営には〈こここ〉も協力しており、2023年6月24日(土)にフォーラム、7月7日(金)・14日(金)・20日(木)にスタディという形式で計4日間のイベントを行います。

「フォーラム」と「スタディ」のテーマや開催日時が書かれた画像

2021年にスタートした「みらいの福祉施設建築プロジェクト」

〈日本財団〉は2021年、福祉施設という場所が「地域と福祉の未来をつくる拠点」として全国に広がることを目的とした助成事業「みらいの福祉施設建築プロジェクト」をスタートさせました。

本プロジェクトは、福祉事業者と建築家の“協働”による、「建築デザイン」が地域にひらかれるための重要な要素として位置づけられた事業プランを、資金面で援助するものです。

初年度の2021年には472事業の申請のうち、6事業を採択。第2回の2022年には292事業から申請があり、3事業が助成決定となりました。それぞれ3億円、5億円を上限に、事業費総額100%が補助されています。

本年度もプロジェクトは継続され、2023年6月1日(木)からは3回目の事業プランの募集がスタート。申請締切は2023年9月15日(金)17時までで、10事業を目安に、事業規模に見合う適正な金額(総額の80%)が助成される予定です。

交流会も開催! 6月24日(土)「みらいの福祉施設建築フォーラム」

過去2回のプロジェクトでは、多くの申請がある一方で、実際の連携や計画立案などに関する課題や悩みも多く寄せられました。

そこで第3回では、申請に先立つ学びの場として「みらいの福祉施設建築ミーティング」の開催が決定。まずは6月24日(土)に東京都渋谷区〈渋谷スクランブルスクエア〉およびオンライン配信にて、3つのパネルディスカッションを行う「みらいの福祉施設建築フォーラム」が開かれます。

地域の拠点として存在感を示す福祉施設の代表、建築家などを招いたトークに加え、会場では新たな出会いの場を目的とした交流会も予定されています。参加費用は1000円です。

  • パネルディスカッション①
    「設計者立場と事業者立場から考える福祉施設設計のプロセス」

心地よい空間づくりの要となるのは、福祉事業者と建築家がともに考え、議論し、協働しながらデザインを進めるプロセスにあるといいます。その視点をテーマに、両者の協力関係の築き方、プロジェクトを成功に導くための考え方などを語り合います。

パネルディスカッション①のファシリテーターやゲストの写真
障害のある人とともに仕事をつくる〈Good Job!センター香芝〉センター長・森下静香さんも登場。以前〈こここ〉で紹介した「『所得』だけではなく『可能性』も分かち合う仕事」をテーマにしたインタビューにも、地域の拠点となるヒントが散りばめられています
  • パネルディスカッション②
    福祉施設の『前提』を疑い、よりよい支援を行う福祉のあり方

あたらしい福祉施設を立ち上げるにあたり、持っておくべき“問い”とは? ソフト・ハード両面の制度、その前提やあり方を問い直し、議論します。

パネルディスカッション②のファシリテーターやゲストの写真
  • パネルディスカッション③
    みらいの福祉施設をどのように実現するか

過去2回のプロジェクトの審査過程では、多数寄せられた熱量の高い事業プランを前に熱い議論が交わされてきました。過去に審査委員を務めた3名を招き、今後の福祉施設はどうあるべきか、大切にしたい視点などを語り合います。

パネルディスカッション③のファシリテーターやゲストの写真

3日に分けてオンラインで開催 「みらいの福祉施設建築スタディ」

さらに7月7日(金)・14日(金)・20日(木)で行われる「みらいの福祉施設建築スタディ」は、福祉と建築に関わる個別のテーマを取り上げ、具体的なヒントや気づきが得られる場を目指します。開催はオンラインのみ。参加費は無料です。

  • 第1回 7月7日(金)
    大規模特養のゆくえと、これからの特養の設計

90年代以前に建てられてきた施設が老朽化するなか、建替えか、改修か、悩みを抱える事業者も少なくないはずです。本ディスカッションでは、特別養護老人ホームの運営に関わる方や、高齢者施設の研究者を招き、施設建設当時から現在までの“変化”と、そのプロセスにおける“考え”を語り合います。

7月7日の「スタディ」に登壇するファシリテーターやゲストの写真
  • 第2回 7月14日(金)
    『ひらくこと』と『暮らすこと』を同時に満たすーケアを必要とする人の空間と地域への開放性

利用者のプライバシーを守りながら、地域にひらかれた安心できる場所というのはどのように成り立つのでしょうか? 福祉施設の代表と建築環境コーディネーターを招き、閉じない福祉施設のソフト・ハード面を事例から学びます。

7月14日の「スタディ」に登壇するファシリテーターやゲストの写真
  • 第3回 7月20日(木)
    多世代交流を促進する複合施設の計画方法ーまちをつくる福祉施設

まちにひらかれ、多世代の交流の場となっている話題の福祉施設は、それをどのように実現したのでしょうか? 多様なサービスを複合・併設する施設の考えや手法に触れ、自らの地域を考え直すヒントを探ります。

7月20日の「スタディ」に登壇するファシリテーターやゲストの写真
〈ライフの学校〉理事長・田中伸弥さんにも、以前〈こここ〉で「福祉施設が学びあいの拠点になることで育まれるもの」をテーマにインタビュー。今回のプロジェクトでも参考となる事例やポイントがたくさん詰まっていました

「地域の拠点」としての役割を模索する福祉施設の関係者のなかには、「まさに自分事だ」と思えるテーマがひとつでもあるのではないでしょうか。実践者のリアルな声には、大きなヒントや背中を押してくれるきっかけがあるかもしれません。

「みらいの福祉施設建築プロジェクト」への申請を考えている方はもちろん、福祉施設に限らず「地域にひらかれた共生の場」づくりに興味のある方は、ぜひ参加を検討してみてください。