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老舗靴下店が挑むインクルーシブな靴下づくり!色に困らない「みちる」、片手ではける「ほのん」
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女性と男性4人の足元が並んでいる
靴下ブランド〈marimo〉に、触って色の違いがわかる靴下「みちる」シリーズが登場

障害があってもなくても楽しんで履ける、デザイン性ある機能靴下を〈株式会社マリモ〉が発売

両足同じ靴下を履いていたつもりが、実は左右で異なる靴下だった——そんな経験をしたことはありますか。たまにであればささやかなミスで済ませられても、視覚障害や色覚特性のある人にとっては、日常的に「左右の色があっているか心配」「選ぶのに時間がかかる」などと負担になっていることもあります。

靴下専門商社の〈株式会社マリモ〉(愛知県名古屋市)は、2023年6月に自社ブランド〈marimo〉から、触って色の違いがわかる靴下「みちる」シリーズを発売しました。本シリーズは、「左右の色合わせでもう悩まない!自分らしく楽しもう!」をコンセプトに、色の違いが触ってわかるように設計されています。

また同ブランドでは、手足を動かしたり、屈んだりする動作が難しい人に向けて、片手で簡単に履ける靴下「ほのんプラス」シリーズも販売予定。現在、クラウドファンディングを実施中です。

ホワイト、グレー、ダークグレー、ネイビー、ブラックが並んでいる
左右それぞれの側面に、色の名前が点字と英字で浮き出ている「みちる」シリーズ(株式会社マリモより提供)

インクルーシブデザインによって生まれた「みちる」

視覚障害のある人や、色覚特性のある人にとって、ペアで揃える必要がある靴下には、「左右を合わせることが難しい」という悩みが日常的に伴います。「みちる」はこの課題を解決するために、最初から当事者と一緒に開発していく「インクルーシブデザイン」の手法によって生まれました。

本製品の特徴は、靴下の外側に、色を示す点字とアルファベットが浮き出ていること。例えば黒(ブラック)であれば「BLK」、白(ホワイト)であれば「WHT」という具合です。視覚で色の違いが識別しにくい人も、指でなぞって触覚的に色を判別することができます。

靴下を触っている人の手元が3カット写っている
(株式会社マリモより提供)

色が書かれているのは靴下の外側のため、左右の違いもわかりやすくなっています。また、文字をロゴデザインにした靴下として、ファッション性も兼ね備えており、視覚障害のある方のみならず、誰にとっても使いやすくしています。

カラーは全5色(ホワイト、ライトグレー、ダークグレー、ネイビー、ブラック)。レディース(約22.0〜24.5cm)はクルー丈、メンズ(約24.5〜27.0cm)はクルー丈とミドル丈の2つの長さで展開されています。

跡継ぎ姉妹が思い描く〈marimo〉ブランドのビジョン

〈株式会社マリモ〉は、1956年に創業した老舗の靴下専門商社であり、自社工場を持たないファブレスメーカーです。2017年に創業者の孫である日比野ほのかさんが、24歳で業界最年少社長として事業を継承。自社ブランド〈marimo〉を立ち上げました。

スーツ姿の姉妹が並んで写っている
3代目を継承した代表の日比野ほのかさん(右)と靴下デザイナーとして事業を支える日比野さやかさん(左)(株式会社マリモより提供)

今回の靴下「みちる」シリーズは、代表の日比野さんによる「病気で片目の視力を失った祖父(マリモ創業者)に履いてほしい」という想いがきっかけ。2021年から開発に着手し、視覚障害のある人を交えたディスカッションやアンケート調査を重ねながら、商品開発を行いました。

「靴下を通じて世界を変えていく!」を合言葉に、機能性に優れ、かつ誰もがおしゃれを楽しめる靴下を届ける〈marimo〉。「足もとから救う、健康とファッション性を兼ね備えた、新しいカタチ」を追求するなかで、障害のある人や高齢の人も使いやすい商品の開発を続けています。

片手で着脱できる「ほのんプラス」クラウドファンディング実施中

機能性とデザイン性の両立を目指す〈marimo〉では、今後ユーザーの声をもとに「みちる」シリーズの新色や柄の展開を予定しているほか、新モデル「ほのん」シリーズも発売予定です。

「ほのん」は高齢の人や妊婦、さらに病気やケガ、障害がある人の「靴下が履きにくい」という悩みを解決するためにつくられた靴下です。手や足が動かしにくかったり、屈むことが困難だったりする人でも履きやすいように、片手で簡単に着脱できるようになっています。折り返してラインソックスとして楽しむことができるほか、しめつけがないため靴下の跡が残りにくいなど、デザインや機能面も充実しています。

2023年9月29日まで、「ほのん」の足裏に滑り止めがついた「ほのんプラス」のクラウドファンディングを〈Makuake〉で実施中です。

靴下の後ろをつまんで引き上げている、クラウドファンディングのトップ画像
初日でクラウドファンディングを達成した、「ほのんプラス」の画像。応援購入額はすでに目標の4倍を超えており、注目度の高さが伺えます(株式会社マリモより提供)

“SOCKS FOR ACTION”という、靴下を通じた社会貢献活動も行う〈マリモ〉では、毎年靴下の寄付を年末に行っています。今年は「みちる」シリーズを盲学校の学生向けに、クリスマスプレゼントとして寄付する予定もあるそう。

誰もが履きやすい靴下は、大切な人のプレゼントにもぴったりです。ぜひサイトを覗いてみませんか。