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福祉と伝統のものづくりを結び直す。〈たんぽぽの家〉主催「ニュートラの学校」が2022年10月〜12月まで開催
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2022年10月から12月まで「ニュートラの学校」が開催
「福祉と伝統のものづくりを結び直すをテーマ」に、〈一般財団法人たんぽぽの家〉が主催する「ニュートラの学校」が2022年10月〜12月まで開催されます。
「ニュートラの学校」とは、福祉のものづくりの価値を高めていくために学び合う場。今年は2つのプログラムを、〈Good Job! センター〉(奈良県香芝市)や〈(PLACE)by method〉(東京都渋谷区)などで現地開催するほか、オンラインでの受講も可能です。
福祉×伝統工芸の可能性を形にする〈NEW TRADITIONAL〉
〈NEW TRADITIONAL(以下ニュートラ)〉は、〈一般財団法人たんぽぽの家〉が立ち上げた、障害のある人との協働から生まれる新しい「しごと」や「はたらき方」を提案していく「Good Job! プロジェクト」の一環として、2019年に始まりました。福祉×伝統工芸の可能性に着目し、新しいものづくりのあり方や伝統工芸の可能性を模索していく活動を展開しています。
ものづくりの営みの中にこそ、新しい伝統の芽があるのではないか。そんな予感を頼りに、これからの伝統とは何か、ものづくりのあり方と暮らしはどう関わるのかといったことを、さまざまな人たちと考えています。
これまで、春日大社の枯損木や風倒木となった木を木材として再利用した「春日大社境内の杉から生まれた燭台」や3Dプリンタで出力した型と障害のある人の手仕事で作る張り子「グッジョブの張り子」など、数々の新プロダクトを生み出してきました。
「ニュートラの学校」が今秋スタート
そんな中、新たな試みとして開催されるのが「ニュートラの学校」です。
「日本の福祉の現場では、これまで陶芸や和紙、染織、木工など、工芸の文化が根づき、さまざまなものづくりに取り組んできました。一方、生活や価値観の多様化や自然環境もふくめた社会の大きな変化のなかで、今までのものづくりを見直す時期にきています」と主催者。
価値あるものづくりとは? 生活を豊かにするものってどんなもの? 伝統的なものづくりを現代にいかすには?
「ニュートラの学校」では、立ち止まってつくりたいもの、届けたいもの、伝えたいことを考え、福祉のものづくりの価値を高めるために、学び合います。
福祉と伝統それぞれから学ぶを深める2つのプログラム
プログラムは2つ。「福祉の課題から考える」コースと「これからの伝統を考える」コースです。どちらも全5回で、単発の申し込みも可能です。対象は、福祉の現場で伝統のものづくりや地域の文化をいかした仕事に関わる人・これから関わりたい人、地域文化振興などに関わり、伝統工芸の担い手の育成に取り組んでいる人、デザイナーなどです。
プログラムA「福祉の課題から考える」コースは、福祉現場の課題に向き合い、新しい可能性をひらいてきた実践者とものづくりの価値を高める方法を学びます。
「販路の開拓」の講師には、「福祉とあそぶ」をテーマに活動するデザインユニット〈HUMORABO (ユーモラボ )〉の前川雄一さんと前川亜希子さん、「価値の伝えかた」では編集者の多田智美さんと建築家で〈うだつ上がる〉店主の高橋利明さんと、福祉のものづくりの根底にある大切なものをどう伝え、共感を広げていけるかを学びます。
また、「労働と対価」では、〈ミナトマチファクトリー〉の石丸徹郎さん、〈クラフト工房La Mano〉の高野賢二さんをお招きし、福祉の現場ではいくら稼ぐことができたら幸せなのかを、二施設の事例から考えます。
一方、プログラムB「これからの伝統を考える」コースは、作り手や使い手、環境、素材などの視点からこれからのものづくりのあり方や暮らしについて考えます。
「ネイティブの可能性」では、地域文化商社〈うなぎの寝床〉の白水高広さんから、ものの魅力を伝える店の運営を学ぶほか、〈うなぎの寝床〉が九州で実施する文化や人に触れるツーリズムの事例から、地域循環させる「ネイティブスケープ」の可能性を考えます。
また、「福祉と玩具」ではデザイナーの軸原ヨウスケさんを講師に、長く生活に受け継がれてきた郷土玩具や民藝の周辺にあるものと、福祉のものづくりの共通点や今後の関わりについて学びます。
東京と京都で「ニュートラ展 福祉と伝統のものづくりの可能性」も同時開催
プログラムの実施期間中、東京と京都で「ニュートラ展 福祉と伝統のものづくりの可能性(以下、ニュートラ展)」も開催されます。
「ニュートラ展」は、国内のさまざまな地域で、伝統工芸の可能性と障害のある人の新しい仕事づくりを目指して取り組んできた活動を紹介する展覧会。ものを通して、プロセスや関わる人の存在を伝え、ニュートラの実験と実践を紹介します。
東京では〈(PLACE) by method〉にて11月3日から6日、京都では〈京都伝統産業ミュージアム〉にて12月5日から25日まで開催予定です。
福祉と伝統工芸のそれぞれの分野の実践者から実例を交えて学びを深められる機会です。これからものづくりについて考えたい方は、ぜひ受講しませんか。
また、「ニュートラ展」はどなたでも参加可能ですので、お近くの方は東京・京都の会場へどうぞ。
information
ニュートラの学校
●プログラムA「福祉の課題から考える」コース
A1「素材へのアプローチ」
日時:10月22日(土)13:30〜
会場:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
講師:木下 浩佑(MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング&プロデュース)、藤井 克英(Good Job!センター香芝 企画製造ディレクター)
A2「販路の開拓」
日時:10月23日(日)13:30〜
会場:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
講師:前川 雄一、前川 亜希子(HUMORABO )
A3「価値の伝えかた」
日時:11月12日(土)13:30〜
会場:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
講師:多田 智美(編集者、株式会社MUESUM代表、株式会社どく社共同代表)、高橋 利明(建築家、うだつ上がる店主)
A4「デザイナーのかかわり」
日時:11月13日(日)13:30〜
会場:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
講師:高橋孝治(デザイナー)、川﨑富美(デザイナー)
A5「労働と対価」
日時:12月10日(土)13:30〜
会場:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
講師:石丸 徹郎(株式会社フォーオールプロダクト(ミナトマチファクトリー)代表取締役)、高野 賢二(NPO法人La Mano クラフト工房La Mano施設長)
●プログラムB「これからの伝統を考える」コース
B1 フィールドワークとデザイン
日時:11月4日(金)19:00〜20:30
会場:(PLACE) by method(東京都)
講師:吉田 勝信(デザイナー)
B2 ものを買う動機
日時:11月5日(土)19:00〜20:30
会場:(PLACE) by method(東京都)
講師:山田 遊(株式会社メソッド代表取締役)
B3 ネイティブの可能性
日時:12月16日(金)18:00〜19:30
会場:京都伝統産業ミュージアム(京都市)
講師:白水 高広(株式会社うなぎの寝床代表取締役)
B4 福祉と玩具
日時:12月17日(土)18:00〜19:30
会場:京都伝統産業ミュージアム(京都市)
講師:軸原ヨウスケ(デザイナー、COCHAE/ドンタク玩具社)
B5 循環・再生と伝統
日時:12月20日(火)18:00〜19:30
会場:京都伝統産業ミュージアム(京都市)
講師:本間 智希(建築史家、北山舎代表)、矢津 吉隆(美術家・kumagusuku代表、副産物産店共同代表)
受講料(A・Bコース共通)
会場:25人/受講料2,000円(うち学生5人/受講料500円)
オンライン:受講料1,000円(学生無料)
会場:
プログラムA:Good Job!センター香芝
プログラムB:(PLACE)by method(東京都)または、京都伝統産業ミュージアム(京都市)
※会場でのご参加は、定員になり次第、締め切りとなります
※プログラムAの対面では、講師・受講者同士でのワークショップも行います
※オンラインでは当日ライブ配信をします。また、アーカイブ動画の配信は2023年3月末まで予定しています
申込方法:各プログラムごとに事前申込必須(詳細はこちらから)
主催:文化庁、一般財団法人たんぽぽの家
協力:Good Job! センター香芝
文化庁委託事業「令和4年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
展覧会「ニュートラ展 福祉と伝統のものづくりの可能性」
<東京>
会期:2022年11月3日(木・祝)〜6日(日)12:00〜19:00
会場:(PLACE)by method、CIRCLE(東京都渋谷区東1丁目3−1 カミニート)
<京都>
会期:2022年12月15日(木)〜25日(日)
会場:京都伝統産業ミュージアム(京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1 みやこめっせ地下1階)
主催:一般財団法人たんぽぽの家
協力:社会福祉法人わたぼうしの会、method Inc.
2022日本財団助成「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」
Webサイト:ニュートラディショナル
問い合わせ:一般財団法人たんぽぽの家
住所:〒630-8044 奈良市六条西3-25-4
TEL:0742-43-7055
FAX:0742-49-5501
E-mail:nt@popo.or.jp
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Profile
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たんぽぽの家
一般財団法人
アートとケアの視点から、多彩なアートプロジェクトを実施している市民団体。障害のある人のアートを新しい視座で捉え直す可能性の芸術運動「エイブル・アート・プロジェクト」や、ケアの価値を高め支え合いの文化をつくる「ケアする人のケアプロジェクト」、障害のある人の詩を歌にのせて伝える「わたぼうしプロジェクト」など、国内外の団体と連携しながら、アートの社会的意義や市民文化について問いかける事業を実施している。すべての人がアートを通じて自由に自分を表現したり、互いの感性を交感したりできる場としてアートセンターHANAとも連携。また、「Good Job! project」では、2016年にオープンしたGood Job!センター香芝と連携しながら、障害のある人とともに新しいはたらき方や仕事を提案している。