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「文化と居場所」をテーマにした「だれもが文化でつながる国際会議2024」が10月29日(火)〜11月3日(日・祝)開催
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「文化と居場所」をテーマに、多彩なプログラムを展開

〈クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー〉が、「文化と居場所」をテーマに「だれもが文化でつながる国際会議2024」を、2024年10月29日(火)〜11月3日(日・祝)に東京国際フォーラムにて開催します。

本会議は、国内外のさまざまな視点から文化と居場所について考え議論する「カンファレンス」、作品展示や上映・トーク、機器展示・体験をする「ショーケース」、参加者・来場者の交流をうながす「ネットワーキング」、さまざまな世界のコミュニケーションのあり方を探求する「コミュニケーションラボ」の4つの柱で構成されます。

多様化・複雑化する現代社会における「安心していられる居場所」

「だれもが文化でつながる国際会議」を主催する東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京は、年齢やルーツ、障害などに関わらず、誰もが文化施設やアートプログラムと出会えるよう、東京都立文化施設でのアクセシビリティ向上を目指して活動をしています。

今年で二回目となる同会議のテーマは「文化と居場所」です。多様化・複雑化が増す現代社会において、多くの人が「居場所」を求めるようになりました。文化を通じてそれぞれに「安心していられる居場所」をどう創っていけるか、そして誰もがウェルビーングを築けるようアートが開く新たな未来について、考え、議論していきます。

本記事では、カンファレンス、ショーケース、ネットワーキング、コミュニケーションラボの4つの柱でそれぞれどのようなプログラムが実施されるのか、一部ご紹介します。

国内外のさまざまな視点と共に「文化と居場所」を議論するカンファレンス

「だれもが文化でつながる国際会議2024」の柱の一つである「カンファレンス」では、招待講演や基調講演、セッション、事例発表、分科会を通じて多角的に「文化と居場所」について考え、議論します。

 

【写真】カンファレンス開催の様子

招待公演では、「世代と文化の多様性のはざまで:それは挑戦か?」と題したテーマで、ろうアーティストの創作と表現の場をつくることを目的とした芸術祭「Clin d’Oeil(クランドゥイユ)」を創設したデイビッド・デ・キーザーさんが登壇します。今年で11回目となるクランドゥイユの実践を通して見えた文化と居場所に対する向き合い方についてお話しします。

 

【画像】招待公演に登壇するデイビッド・デ・キーザーさん
「世代と文化の多様性のはざまで:それは挑戦か?」の招待公演に登壇するデイビッド・デ・キーザーさん

基調講演では、「共にいるための場を創る―対話とアウトリーチから学んだこと」と題したテーマで、東京大学大学院総合文化研究科 教授/共生のための国際哲学研究センター(UTCP) センター長を務める梶谷真司さんが登壇。多文化共生やダイバーシティ、インクルージョンが謳われるなかで、「共にいるとは、どういうことなのか」という問いについて、自身が実施しているアウトリーチ活動を交えながら講演します。

 

【写真】基調講演に登壇する梶谷真司さん
「共にいるための場を創る―対話とアウトリーチから学んだこと」の基調講演に登壇する梶谷真司さん

セッションでは、誰もがウェルビーイングを見出せる居場所、活動を用意するために何を実践できるかを豪州のゲストと議論する「はたらく人とウェルビーイング」を実施。他にも、「日常とアートと教育」や「文化機構の社会参画」、「『分かり合えない』を分かち合う」と題したセッションが開催されます。

事例発表は、11月2日(土)と11月3日(日・祝)に実施。3日(日・祝)開催の「KINOミーティングの手法」では、日本に住む海外にもルーツを持つ人たちが協働するプロジェクト「KINOミーティング」で制作された「ニュー・トーキョー・ツアー」を上映し、その後監督とプロジェクト主宰者がプロジェクトの手法について語ります。

また、​同会議のテーマに対して、分野ごとに専門的に研究・討議を行う分科会も8つ開催されます。「共生する場のつくり方」と題した分科会では、横浜にある子どもたちとアーティストとの協働プロジェクトや居場所づくりを行う「studio oowa」の活動実績や展望について報告します。「インクルーシブな劇場をつくるためには」のでは、多様なバックグラウンドをもつ人たちの表現活動を研究する研究者と舞台技術者が、インクルーシブな劇場をつくるために必要なことを考えます。

そして、「進化を続けるアクセシビリティ―アムステルダム国立美術館の事例より」と題した分科会では、アムステルダム国立美術館を取り上げながら美術館に求められるアクセシビリティについて議論します。〈こここ〉で「アムステルダムの窓から 〜アートを通して一人ひとりの物語に出会う旅〜」を連載していた、アートエデュケーターで現在オランダを拠点に活動する佐藤 麻衣子さんも登壇します。

見るだけでない、体験できる「ショーケース」

2つ目の柱である「ショーケース」では、作品展示と上映・トーク、機器展示・体験の3つのテーマで、さまざまな体験用意されています。作品展示では、彫刻作品を視覚だけでなく触覚で体験できる作品や高齢者たちと共に制作した編み物の作品などが展示されます。機器展示・体験のひとつでは、免許不要で歩道を走れる近距離モビリティ〈WHILL〉の体験ができます。

【写真】アーティスト 鈴木 康広による作品《まばたきの葉》
《まばたきの葉》2003 Courtesy of SPIRAL/Wacoal Art Center
写真クレジット © Katsuhiro Ichikawa

アーティスト 鈴木 康広による作品《まばたきの葉》が2023年に引き続き今年も東京国際フォーラムで展示されます

もうひとつの柱である「ネットワーキング」では、登壇者や来場者が意見交換する交流サロンが設置されるほか、東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」出張相談コーナーが設けられます。

そして最後の柱である「コミュニケーションラボ」では、参加者同士で試行錯誤しながら相互理解を深めるワークショップや謎解きゲーム、触覚でモノを認知する体験などを通して、コミュニケーションのあり方を追求できるワークショップのほか、レクチャーやパネル展示など多数のコンテンツが準備されています。

 

【写真】「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」より、ネットワーキングの様子
「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」より。ネットワーキングの様子

来年「東京2025デフリンピック」が開催されることから、今回の「だれもが文化でつながる国際会議」ではろう文化に着目されたプログラムも数多く実施されます。

【画像】だれもが文化でつながる国際会議2024のプログラムスケジュール

事前申込が必要なプログラムがありますので、こちらのフォームからお申し込みください。申込締切は各プログラム開催前日までですが、定員になり次第終了いたします。

「自分にとって居場所とは何だろうか」「人とつながるとはどういうことだろうか」という問いを持ちながら、ぜひ気になるプログラムに足を運んでみてください。