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「だれもが文化でつながる国際会議:Creative Well-being Tokyo 2022」が上野エリアを中心に6月28日〜7月7日の10日間開催
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左端にイベントのロゴ。右端から、タイトルが縦書きされている
「だれもが文化でつながる国際会議」が、2022年6月28日から7月7日までの10日間〈東京国立博物館〉や〈東京都美術館〉を中心に開催されます

芸術文化によって多様な人がつながる社会を考える国際会議が、東京・上野で開催

芸術文化による共生社会の実現を目指す国際カンファレンス「だれもが文化でつながる国際会議」が2022年6月28日(火)から7月7日(木)までの10日間、〈東京国立博物館〉や〈東京都美術館〉などの東京・上野エリアを中心に開催されます。

本カンファレンスは、「東京文化戦略2030」推進プロジェクトのひとつとして都立文化施設が取り組む、「クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー」の一環として実施されます。世界に広がる、芸術文化による多様性や相互理解を促すような取り組みを紹介し、交流や新たな連携を生み出すことを目的として、国際会議、ショーケース、短期集中キャンプ、ネットワーキングの4つのプログラムを行います。

入場は無料で、国際会議のみ事前予約が必要です。

縦にイベントタイトル、横に日付が並んでいる
6月28日(火)〜7月7日(木)まで開催されるカンファレンスのスケジュール

7月2日〜4日に開催される国際会議をご紹介

本カンファレンスの中心プログラムが、7月2日(土)から4日(月)までの3日間実施される国際会議です。議論のテーマは「ウェルビーイング」「ダイバーシティ」「インクルーシブ・デザイン」「アクセシビリティ」「つながり・居場所づくり」の5つ。基調講演・本会議・分科会に分かれて、全12セッションが開催されます。

右手にスクリーン、スクリーンの前に登壇者。左側では、観客がイスに座っている
開会式/基調講演と本会議は〈東京国立博物館〉平成館大講堂にて開催されます

多様な立場から芸術文化と共生について考える「基調講演」

7月2日(土)13:00〜15:00に開会式と合わせて行われる基調講演に登壇するのは、イギリス・ロンドン市の副市長ジャスティーン・サイモンズさんと、〈筑波技術大学〉の教授で手話言語学・ろう者学を専門とする大杉豊さん、そして、福祉実験ユニット〈ヘラルボニー〉代表の松田崇弥さんです。政治家、大学教授、起業家と異なる立場から芸術文化に関わる3名が、多様性や相互理解が切り拓く社会・文化・エコシステムの可能性を考えていきます。

3人の顔写真が並んでいる
基調講演の登壇者。左から、ジャスティーン・サイモンズさん、大杉豊さん、松田崇弥さん

多様な領域から研究者、実務家、クリエイターが参加する「本会議」

本会議では、芸術文化の分野にとどまらない、多様な領域から研究者、実務家、クリエイターなどが参加します。プレセッションと5つのセッションを通して、国際的な立場から共通の課題を探求していきます。

各セッションのタイトルと登壇者の名前が書いてある
本会議で実施されるセッションのラインナップ。ウェルビーイング研究からダイバーシティ、多文化共生まで、幅広いテーマをカバーしながら、芸術文化と多様性について考えます

プレ・セッション「アジアの文化施設で広がる、社会包摂への取り組み」では、稲庭彩和子さん(独立行政法人国立美術館主任研究員)、リン・チエチーさん(国立台湾歴史博物館公共サービス・教育担当キュレーター)、アリシア・テンさん (ナショナル・ギャラリー・シンガポール コミュニティ・アンド・アクセス部門アシスタント・ディレクター)が登壇。日本・台湾・シンガポールの文化施設の専門家が、自身の現場や国で行う社会包摂への取り組みを紹介します。

〈こここ〉ニュースで紹介した書籍『デザインと障害が出会うとき』の著者であるグラハム・プリンさんは、セッション3「インクルーシブ・デザインは、文化をどのようにドライブするか?」に登壇予定です。高齢者や障害者など従来のデザインプロセスで排除されてきた人々を巻き込む「インクルーシブデザイン」の国内外の動向や、芸術や文化に与える可能性について考えていきます。

セッション5「テクノロジーとクリエイティビティで切り拓く、社会の課題と人々の価値観」では、『WIRED』日本版編集長の松島倫明さんがモデレーターを務め、〈株式会社オリィ研究所〉の鈴木メイザさんとともに、分身ロボットOriHimeも登壇します。プロダクトデザイナーで〈株式会社exiii design〉の小西哲哉さんも一緒に、デジタル技術とクリエイティブの力で、障害のある人や高齢者が社会参画の方法を切り開く可能性について議論します。

活動報告を中心に、未来に向けた展望をディスカッションする「分科会」

本会議のテーマと並行して開催する分科会では、国内の文化施設などの実践者やアーティストによる活動報告を中心に、今後の展望をディスカッションします。超高齢化社会、オンラインコミュニティ、多文化共生、テクノロジーなど、様々な観点から多様な人がつながる文化について議論を深めます。

各セッションのタイトルと登壇者の名前が書いてある
分科会でも本会議と同様のテーマで、5つのセッションを展開します

オープニング・パフォーマンスと展示会も同時開催

7月2日(土)、本会議開会日の夜には、上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)にて、オープニング・パフォーマンスが開催されます。高校生からユース世代の障害のある人とない人が新しいダンスを創造するインクルーシブダンスチーム〈東京のはら表現部〉が、アーティストとコラボレーションし、観客を巻き込みながらパフォーマンスを繰り広げます。

白い衣装を着て、両手を広げるパフォーマー達。車椅子に乗っている人もいる
〈東京のはら表現部〉のパフォーマンス(撮影:中澤佑介)

さらに、7月3日(日)〜7日(木)まで〈東京都美術館〉ロビー階第1展示室で開催される展示会には、ロボットや陸上競技用の車椅子など最新の技術を用いたプロダクトのほか、国内外の文化施設のインクルーシブな取り組みのアーカイブが展示予定です。

テーブルを囲んで、国籍も性別も様々な人たちが、ひとつのアイデアについて話をしている
その他にもDIYで楽器制作を行うワークショップ「短期集中キャンプ」(参加者申込締切済)や、公募によって選ばれたホストがプレゼンテーションやミーティング、ワークショップを実施するネットワーキングなど、出会いや交流の場も企画されています

国際会議の開会式/基調講演、本会議のみ、当日ライブ配信を実施予定。事前登録は不要で、7月2日〜4日の間、「だれもが文化でつながる国際会議」のウェブで視聴することができます。

国内外の文化施設に関わる方や多様な専門家、団体、クリエイターが一堂に会する本カンファレンス。気になるセッションがあったら、ぜひ参加してみませんか。