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アート、福祉、まちづくり、教育……〈認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ〉スタッフ17名と何でも語ろう!ゲスト陣も交えた大回転トーク
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個々のもつ経験や実感を相互に「語る」ワークショップ

職場や学校、家庭などを含む複数のコミュニティに属していると、それぞれの環境で「共通の話題」や「与えられた役割や場に相応しいテーマ」を無意識に取捨選択して、コミュニケーションをとることが増えていきます。

しかし時折、どのコミュニティで話したらいいのかわからないような、素朴な疑問や意見が生活のなかから湧き上がってくることはないでしょうか。たとえば「重要だと分かっていても考えがまとまっていないこと」や「世間にとっては些細でも自分にとっては大切なこと」など。結論が求められがちな現代社会のなかで、言葉を探しながら逡巡する時間は、もしかするととても貴重なものになりつつあるのかもしれません。

アート・福祉・まちづくり・教育など幅広い分野で活動する〈認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ(以下、レッツ)〉がおくるワークショップイベント「アーダ・コーダ・ソーダ!どうだ? ~17人のスタッフとトーク大回転~」は、そんな貴重な場の一つとも言えるものです。

開催は2024年2月23日(金・祝)、静岡県浜松市の〈たけし文化センター連尺町〉にて。〈レッツ〉の個性豊かなスタッフ17名と、〈こここ〉編集長の中田一会も含むゲスト5名が登場し、一人ひとりの関心や実感と紐づく複数のトークテーマについて、参加者と一緒に入れ替わり立ち替わりおしゃべりをします。

〈クリエイティブサポートレッツ〉について

〈レッツ〉では2000年の活動開始以来、主に知的障害のある人が「自分を表現する力」を身につけ、文化的で豊かな人生を送れるよう社会的自立をサポートしています。同時に、誰もがいきいきと生きていけるまちづくりを目指して、さまざまな表現活動の場を提供してきました。

2008年に誕生した、〈レッツ〉の中心的な活動拠点であり、今回のイベントの開催場所でもある静岡県浜松市の〈たけし文化センター〉

最初は障害のある子どもの保護者7名によるボランティア団体からはじまった〈レッツ〉。代表の久保田翠さんが縁の深かったアートを手がかりに、イベントや講演活動を行いながら2004年にNPO法人を設立、地域を巻き込んだアートフォーラムの企画運営などを経て、2010年には障害福祉施設〈アルス・ノヴァ〉をスタートしました。その後、中心市街地の拠点として〈たけし文化センター連尺町〉や〈ちまた公民館〉、郊外には〈たけし文化センターのヴぁ公民館〉も構え、生活介護事業、ヘルパー事業などを実施しています。

〈こここ〉でもこれまでに、個人の生活文化をありのままに認めていこうとする文化活動「表現未満、」や、福祉施設がクラブ会場になる音楽イベント「クラブアルス」誰もが街中で自由に過ごせる野外イベント「オン・ライン・クロスロード」など、数々のプロジェクトを取り上げてきました。また、〈こここ〉初の読者投稿型企画「ムラキングとみんなの詩」に登場する妄想恋愛詩人ムラキングと水越雅人さんも〈レッツ〉を拠点に活動しています。

スタッフの「混沌」とした興味関心から〈レッツ〉を体感

福祉サービスを提供しながら、施設利用者の日々の行動を表現活動の一環ととらえ、そこから地域との関わりや、新たな回路をひらこうと模索している〈レッツ〉。今回、文化庁とともに開催するイベント「アーダ・コーダ・ソーダ!どうだ?」では、そうしたユニークな活動を支えているスタッフ17名が、一人ひとりホストとなり、参加者と少人数で語り合うワークショップを開催します。

イベントに登場する、個性豊かなスタッフたち(他のメンバーは〈レッツ〉公式サイトを参照)

まちづくりに関心があって拠点や居場所について考えている人、多文化共生に興味のある人、音楽活動を行っている人、読書会を主催している人、演劇出身の人――。スタッフは福祉サービスを提供するプロでありつつも、それぞれに専門や得意とする分野があり、そこから〈レッツ〉主体のイベントやプロジェクトが発案されていくことも少なくありません。

〈レッツ〉理事長の久保田翠さんは、過去のインタビューで、福祉施設でこうしたさまざまな経歴や専門分野をもつ人々が働くことについて、こう言及しています。

レッツを組織として見ればもう少し統制がとれたほうがやりやすいことが多いかもしれません。でもここは福祉施設で、障害のある人たちにとっての生きていく場、社会です。社会は混沌としていて、それと同じものを提供するならば、混沌のままにしておくしかないという部分もある。それにレッツの代表である私自身も自由に生きたいと思っているから、スタッフを統制したりはしません。

だからこそ、私も含めたスタッフ間で折り合いをつけていくことが肝要だと思うんです。

多彩なスタッフがいることで生まれていく「混沌」。今回のイベントは、一人ひとりの経験や実感ごと〈レッツ〉を知ってもらいたいという思いから開かれます。

当日は30分のトークセッションが3回あり、それぞれ別のスタッフと話せる機会が設けられる予定。テーマもスタッフが個々に用意しており、現時点では下記のようなものが想定されています。

  • トークテーマ(一例)
    • 許せねぇこと
    • なるべく自責・他責せずに自分のこれまでを振り返る
    • 「子どもの居場所」って どうつくる?
    • 支援と利他~非支配的な支援の可能性を考えるケース会議~
    • 生活と演劇
    • 気をすませ/気をまぎらわせながら生きていく
    • ズルさの正体
    • 菊池寛「父帰る」から考える福祉と家族

※今後変更になる可能性があります

また、アート・福祉・まちづくり・教育の各分野で活動する5名のゲストもこのトークセッションに参加。登場するのは、アサダワタルさん(文化活動家)、青木彬さん(インディペンデント・キュレーター)、津口在五さん(鞆の津ミュージアム キュレーター)、辻琢磨さん(合同会社辻琢磨建築企画事務所)、そして〈こここ〉編集長の中田一会です。

イベントチラシ

スタッフ17名とのセッション後に予定のゲストトークでは、各グループから聞こえてきた感想をシェアしながらも、ゲスト自身の興味関心に寄せたトークが展開されます。また、交流会を兼ねたフリーセッションの時間も別で設けられています。

どんなトークテーマや、どんな人との出会いがあるのかは当日のお楽しみ。複数人でとりとめもなく話しあっていくことから自分を客観的に見つめたり、偶然居合わせた人の何気ない言葉から思わぬ発見があるかもしれません。普段とは違った環境や話題でおしゃべりしてみたい人や、〈レッツ〉が気になっていた人も、この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。