福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉

【写真】縁側に車椅子に座った女性と、幼子を抱きながら外を眺めている女性が立っている。ふたりとも外を眺めながら穏やかな表情をしている

“自分らしく生きる”を支えるしごと ー介護の世界をたずねてー

この社会のなかで、わたしたちはなにを大切にして、どう生きていけばいいのでしょうか。

そんな大きな問いを抱え、本連載でたずねるのは「介護の世界」です。「介護」というと、漠然と「家族介護」「思いやり」「3K」などのイメージが抱かれることも少なくありません。しかし実際には、一人ひとりの状況や経験に耳を傾け、心身の変化に寄り添い、それぞれの権利を守ろうと奔走してきた経験が宿る魅力的な分野です。また、社会構造が抱える問題に向き合い、地道に改善を重ね、科学的見地からも方法論を模索してきた領域でもあります。

「自分らしく生きる」「多様な個性を尊重する」。近年、そんな言葉を目にする機会は増えていますが、高齢者に限らず、どんな人もそれを実現するのは簡単ではありません。本連載では、介護施設の実践やそこで働く人、ケアや老いをテーマにしたカルチャーコンテンツなど、「介護の世界」をたずねながら、この社会で生きるすべての人に関わりの深い、「自分らしく生きる」ことについて考えてみます。介護の世界の「自分らしく生きる」を支える人、仕事、ふるまい、まなざし、葛藤に、出会ってみませんか。

Sponsored by 厚生労働省補助事業 令和5年度介護のしごと魅力発信等事業(情報発信事業)

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vol.012023.10.11自分らしく生きるってなんだろう? 一人ひとりの人生に向き合う介護事業所「あおいけあ」をたずねて

「自分らしさ」とは、なんだろう。 強みや得意を活かせていること? 自然体でいられること? 自分の価値観を大切にできていること?「命ある限り自分らしく生き、一人の価値のある人間として存在する」という願いを支える介護施設「あおいけあ」をたずね、考えてみます。

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vol.022023.10.30さまざまな命に囲まれて、心を動かして生きる。 園芸療法を行う「晴耕雨読舎」をたずねて

なるべく選択肢を奪わず、それぞれの「やりたいこと」「できること」を探究する、高齢者のための施設が大阪府高槻市にある。NPO法人たかつきが運営するデイサービス「晴耕雨読舎」だ。園芸療法を実践する同施設をたずね代表理事の石神洋一さんに話を伺った。

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vol.032023.10.31ケアってなんだろう? ナイチンゲール看護研究所・金井一薫さんをたずねて

「セルフケア」「ヘアケア」「ハウスケア」など、社会のあちこちに浸透してきた「ケア」という言葉。看護や介護における行為や、「ケアワーカー」「ケアマネジャー」といった職業なども含め幅広いこの言葉を、私たちはどう捉えたらいいのか? 職業としてのケアワークの確立に大きく貢献した、イギリスのフローレンス・ナイチンゲール(1810〜1920)を研究する〈ナイチンゲール看護研究所〉所長の金井一薫さんをたずね、改めて「ケアの本質」について伺いました。

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vol.042023.11.07居心地の良い場所の条件ってなんだろう? 浦安にある高齢者向けの住まい「銀木犀」をたずねて

自分にとって「居心地のいい場所」を見つけることは人生においてかなり大きな意味を持つ。私たちはどんな場所なら「居心地がいい」と感じるのだろう?そんな問いをもち千葉県浦安市にあるサービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」をたずねた。

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vol.052023.11.10いくつになっても「働く」は楽しい。ばあちゃんたちの生きがいとビジネスの両立を目指す、株式会社うきはの宝をたずねて

75歳から93歳の18人がさまざまな働き方でかかわる会社「うきはの宝」。福岡県うきは市にある事務所を訪ね、大熊さんと3人のばあちゃんに話を聞いた。

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vol.062023.11.29介護施設×学生シェアハウス「みそのっこ」が教えてくれる、「介護×場づくり」の可能性

「介護施設と学生シェアハウスを融合させた場所を、取材してみませんか?」広島県東広島市にある介護施設と学生シェアハウスの複合施設「みそのっこ」をたずねました。

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vol.072023.12.06自然の循環に身を委ね、大地と共に生きる。「里・つむぎ八幡平」が実践する「半農・半介護」の暮らし

岩手県八幡平市にある「NPO法人 里・つむぎ八幡平」。「半農・半介護」を合言葉に、高齢者や障害のある人が「農業と共にある暮らし」を送ることができる環境を育んでいる。なぜ農業と介護をつなげようと思ったのか。理事を務める高橋さんに話を伺った。

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vol.082023.12.13「ケア」を感じたマンガを教えてください。文学研究者、精神科医、看護師、介護福祉士、文筆家の選ぶ5作品

小川公代さん、星野概念さん、木村映里さん、冨永新さん、ヒラギノ游ゴ(ヒラノ遊)さんに、「これは『ケア』かもしれない」と感じた漫画作品をご紹介いただきました。多様な登場人物が織りなすストーリーに立ち現れる、人から人へ馳せる想い——『前科者』『食の軍師』『少年のアビス』『3月のライオン』『葬送のフリーレン』から、ぜひみなさんも感じ取ってみてください。

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vol.092023.12.20居場所ってなんだろう? 人が自然と集まる場所を目指す「52間の縁側」をたずねて

自分の居場所だと感じられるところはあるだろうか? それはどんなところだろう?そんな思いを抱いて訪ねたのは、千葉県八千代市にある「52間の縁側」。運営するのは、「ありのまま、その人らしく過ごす」ことを大切にして、介護事業を行ってきた「有限会社オールフォアワン」。代表の石井英寿(いしい・ひでかず)さんはどんなふうに人の「居場所」を捉えているのか。のどかな里山の中にたたずむ、子どもの秘密基地のような建物を訪ね、いろいろな話を聞いてきた。

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vol.102024.02.08「老いと共に生きる」を映画から考える。編集者、映画作家、介護福祉士、福祉施設運営者の選ぶ5作品

伊藤ガビンさん、久保田翠さん、多田智美さん、牧原依里さん、矢尾眞理子さんに、「老いと共に生きる」をテーマにした映画を選んでいただきました。古今東西の、さまざまな人生が映しだされた作品の中には、老いの可能性を広げてくれるヒントがあるのでは——『グラン・トリノ』『東京物語』『レナードの朝』『楽日』『おらおらでひとりいぐも』から、ぜひみなさんも考えてみてください。

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vol.112024.02.19科学的な介護ってなんだろう? 福祉楽団「杜の家なりた」をたずねて

「介護の仕事って、“やさしさ”や“思いやり”といった情緒的なイメージで語られることが多いんです。でも、それだけでは良い介護は実現できません」そう話すのは、社会福祉法人 福祉楽団の代表・飯田大輔さん。福祉楽団では、介護の実践に際して「科学的な介護」という言葉をとても大事にしている。「科学」とは、私たちが持つ介護のイメージとはずいぶんとかけ離れているように思えるが、一体どういうことなのだろう?福祉楽団が運営する特別養護老人ホームをたずねた。

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vol.122024.02.20暮らしのなかで閉じる命をつないでいく 写真家/訪問看護師 尾山直子さん

東京・世田谷にある桜新町アーバンクリニックで訪問看護師として働く尾山直子さんは、写真家としても活動している。看護師としてのキャリアは20年ほど。働きながら写真を学び、2021年には初の個展『ぐるり。』を開催。写真と文で構成した展覧会は、地元世田谷をはじめ軽井沢、神戸、名古屋など各地に巡回した。尾山さんは、なぜ看護師をしながら写真を撮るのだろうか。背景の一つには多くの看取りの経験がある。その人にとって最良の過ごし方や別れのかたちを考える尾山さんが、写真を通して伝えたいこととは。

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vol.132024.02.22認知症のある方100人以上にインタビューをして気づいたこと。認知症未来共創ハブ代表・堀田聰子さん

認知症のある人から、世の中はどう見えているのだろう?高齢化が進み、身近になった認知症。発症すれば、生活や仕事に支障があることは想像できる。けれど、具体的に何がどう難しいのか、どんなサポートがあればその困難を解消できるのか、当事者の視点でとらえられている人は多くはないかもしれない。2021年に発売された書籍『認知症世界の歩き方』は、それまで医療や介護の専門家から語られることが主だった認知症の症状について、“本人の視点”で“具体的”に示したことで、大きな反響を呼んだ。認知症のある方へのインタビューをもとにした分析データの提供・本の監修を手掛けたのは、認知症とともによりよく生きる未来を目指すプラットフォーム「認知症未来共創ハブ」。代表を務め、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授でもある堀田聰子さんに「認知症未来共創ハブ」の活動で大切にしてきた視点、認知症のある多くの方へのインタビューを通して得た気づきについて、寄稿いただいた。

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vol.142024.02.27認知症を“体験”する「VR認知症」。イシヅカユウさんと体験して気づいたこと

認知症の症状を一人称で体験し、理解を深める体験学習型プログラム「VR認知症」。ファッションモデル・俳優として活動するイシヅカユウさんと取材チームが体験し、それぞれが感じ気づいたこととは

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vol.152024.03.12介護のしごとに興味をもったとき、はじめの一歩はどうすれば?

介護のしごとに興味はある。でも、いきなり本格的に働きはじめるのはハードルが高い。そんなとき、お試しできたり、さらに情報を得たり、深く知ったりできる場所はどこにあるのだろう。インターネットで検索してみると、求人募集や転職サイトの情報が多く出てくる。その情報もありがたいのだけれど、それとは違う形で考えたり感じたりできる場所を探すのは難しい。この記事では、「本格的に働くより少し手前」で、介護のしごとや世界を知ることができる情報をご紹介します。

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