福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉

【イラスト】ほろほろちょうとお酒を飲み交わす人や追いかけっこをする人、シマウマに乗っている人が描かれている。その絵が1枚のかるたの絵札のように見える【イラスト】ほろほろちょうとお酒を飲み交わす人や追いかけっこをする人、シマウマに乗っている人が描かれている。その絵が1枚のかるたの絵札のように見える

ナミビアの若者たちが作ったかるたを、世田谷にいるメンバーが読み解く | 旅するかるた 前編 いたずらに人を評価しない/されない場所「ハーモニー」の日々新聞  vol.16

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ふしぎな声が聞こえたり、譲れない確信があったり、気持ちがふさぎ込んだり。様々な心の不調や日々の生活に苦労している人たちの集いの場。制度の上では就労継続支援B型事業所「ハーモニー」。

「ハーモニーの日々新聞」と題し、そこに関わる人の日常・出来事をよもやま記していただく連載です。

前回に引き続き、ハーモニーのメンバーと、さまざまな地域を転々としながら暮らすヴァガボンドのテンギョー・クラさんとのコラボをお届けします。(編集部 垣花)


初夏の頃、滞在先のボツワナと東京をオンラインでつないでハーモニーのメンバーとトークを行ったテンギョー・クラさん。その後、隣国のナミビアに所を移しても、現地の人たちとの日々をFaceBookなどでも発信してくれました

8月になったある日のこと。彼から10数枚の画像が送られてきました。そこにはナミビアのオチワロンゴにあるカルチャーセンターで彼が行ったWSの様子が映し出されていました。ナミビヤの若い人たちの手には、ハーモニーが活動で使っている「かるた札」が握られ、のびやかで色彩ゆたかな絵が描かれていたのです。

【写真】一人の若者がかるたを持って笑っている

昨年、テンギョーさんが旅立つ直前のこと。アフリカに行ったら滞在先の人たちといっしょに「かるた」を作ってみてくれないかとお願いして厚紙でできた無地の100枚のかるた札(※注1)を託しました。日本を発って半年、彼はハーモニーとの約束を覚えてくれていたのでした。

かるたづくりの様子を聞きたくて、その後ヨーロッパに移動したテンギョーさんとZoomをつなぎました。

(※注1) 持って行ったのは「奥野かるた店」の無地かるた。ハーモニーのかるたづくりも最初はこれを使っていました。

新澤

「おーい。かるたの画像ありがとう! すごいよ!!作ったのはどんなところなの?」

テンギョー

「ナミビアの首都ウィントフックから、北に250km離れたオチワロンゴ(Otjiwarongo)という町なんだけど、そこにフランスから移住して30年になる友人がいるんだ。

かるたづくりをやったのは、彼女の運営するカルチャーセンターで『ペリナワカルチュラルセンター』(※注2)っていうんだけど、『ペリナワ』という言葉には現地の挨拶でポジティブなメッセージが込められているんだ。

10代半ばから後半ぐらいの子たちが中心で、中にはちょっと20歳超えたぐらいの人たちもいたと思う。プログラムが毎週決まっていて、演劇をする人、音楽をやる人、ダンスする人、 絵を描く人、数学を勉強する人などがいる。 やってくる若者たちは地元の学校に行ってて、それが終わった後の午後3時から午後5時までの2時間で決まってるプログラムをみんなで行うんだ」

※注2ペリナワカルチュラルセンター(Peri Naua)ウェブサイトはこちら

新澤

「ふうん。そういうセンターが必要とされる背景はあるの?」

テンギョー

「ナミビアの社会について、確信をもって話すことは難しいんだけど人口比率のうえではヨーロッパにルーツをもつ人たちは少数なんだが、その人たちが国土の大半をコントロールしている感じなんだ。もちろんアパルトヘイト(※注3)はないけれど、その裕福な人たちと昔からその地に住んでいる人たちの格差は大きくて居住環境も生活水準も違うわけね」

※注3:南アフリカが1948年から1990年代初めまで実施した、法によって定められた人種隔離と差別の制度

テンギョー・クラさん
新澤

「そうか。 だから、送ってもらったかるたの絵札にも、動物もいれば民族衣装もある一方で、かっこいい車や高いビルなど近代化された部分もあるんだね」

テンギョー

「そうなんだ。このペリナワカルチュラルセンターは比較的質素な生活をしている人たちの住む地域に、子どもや若者たちが行ける場所を作って、文化的な活動に対してのアクセシビリティが制限されてる人たちが無料で活動に参加できるような環境を作っているんだ」

新澤

「カルチュラルセンターの人たちは日本のかるたを受け入れてくれたのかな」

テンギョー

「毎週火曜日がアートの時間になっていて、その枠でかるたづくりをやらせてもらった。10人以上の若者たちが参加してくれたよ。

その準備っていうわけでもないけど、かるたづくりをする前にカルチュラルセンターに行って、彼らに日本のことをちょっと話したよ。彼らはアジアの東あたりは全部中国だと思ってたからね」

新澤

「そのあたりは多くの日本人がアフリカの国の区別がつかないのと同じかもね」

【写真】かるたの字札を書き込む若者たち
テンギョー

「うん。『日本はアジアの端っこにある島なんだよ 。ポケモン知ってる? あれは日本のアニメなんだよ』って言うと驚くみたいだ。ポケモンは本当にユニバーサルランゲージだね。ピカチュー!って言えば、おお!知ってる知ってるって反応がある。日本って世界ではポケモンの国なんだね。

かるたづくりなんだけど、そんなふうに日本の紹介をして、その後、2回ぐらいに分けたかな。そのあと箱の色付けをしてもらった」

新澤

「僕らがやっている『幻聴妄想かるた』は、ハーモニーの人たちの日常生活に根ざしたことをテーマにしているけど、ペリナワカルチュラルセンターの人たちの場合はどんなテーマにしたの」

テンギョー

「『これを作ったらオレが日本に持って帰って友人たちとこのかるたで遊ぶんだよ。これで遊んだらナミビアのことが なんとなく分かる感じにしたいんだよ』って伝えたんだ。だからストーリーを作るときにはできたらナミビアの文化や自然を題材にしてみてねってお願いしたの」

新澤

「そうか、いいねえ。日本の友達にナミビアのことを教えてくれるかるた。そういえば、字札は英語で表現するとストーリー(story)なんだね」

テンギョー

「うん。最初、白い札にストーリーを書く。多分、一般的なナミビアの若い人の意識が、そのまま反映されてるような感じだよね。家庭の話とか個人的なストーリーも混じっているから そこも興味深いね。

その後、ストーリーの札を見ながら絵札を描いてもらったんだ。ポイントはストーリー札(字札)と絵札を描いた人が違うってことなんだ」

【写真】たのしそうにかるたの字札を書き込む一人の若者
新澤

「面白いな。ストーリーを書いた人の思いが絵を描く人に引き継がれる感じがうれしいね。ハーモニーのかるたも語り手と絵札の書き手が異なっているのが普通だし、それによって豊かな表現の広がりが得られるんだ。送ってくれた画像の絵札の中で何枚かを説明してくれる?」

【写真】Nという文字とアフリカ大陸の形が描かれた絵札
テンギョー

「そうだね。Nって字が書いてある札があるでしょ。それはきっと確か『Namibia is a smile of Africa』だよ。アフリカ大陸をじっと見ると、人の横顔みたいにみえてくるでしょ。黒く塗りつぶしたところがナミビアで、横顔の口のところみたいじゃない。それで口角があがっていて笑顔みたいってことを表現しているみたいだ」

新澤

「なるほど。言われてみると笑顔!。それってイタリア半島が長靴に似てるとか、日本の臍などに似た発想だね(笑)」

テンギョー

「もう一枚、雨の札ね。 本当に雨が少ない。 地域によって違うけれど本当に降らないんだ。 日本にいる俺らとは、感覚が全然違うんだと思うんだよね。降り始めると今まで乾燥していた 砂漠に川が生まれて、完全にドライだった砂地が緑に変わっていく。 だから喜びの象徴だと思うんだよ」

【写真】Tという文字と、緑に囲まれた川の景色が描かれている
テンギョー

「それから、俺が一番最初に出したのが Everyday is Sunny Day みたいな例だったから、そのあたりで天候の主題だと描きやすかったのかもしれないね。俺にしてみれば、晴天は洗濯物がすぐ乾いてうれしいと思うけれど、『私は今日すごい 機嫌が悪い なぜなら 天気がいいから』ってストーリーに書いた人もいた。『毎日晴れててもうやってらんないよ』みたいな感覚もあるんだね」

新澤

「面白いなあ。一枚一枚にその地で生きる実感がこもってるんだ。全部聞いちゃうとハーモニーのメンバーの想像力を披露するチャンスがないので、送られた絵札の画像を元に我々もストーリーを考えて送るから、読んでくださいな」

テンギョー

「もちろん。たのしみだよ!!」

【写真】かるたを囲んでいる若者たち

ハーモニー ナミビアかるたを読み解く

テンギョーさんとのZoomでの対話の数日後、画像を送ってもらった「超・ナミビアかるた」をテーマにいつものミーティングです。

【写真】超ナミビアかるたと書かれた箱と、さまざまな絵札がテーブルに置かれている
新澤

「テンギョーさんがナミビアのカルチャーセンターで作った『超・ナミビアかるた』の絵札の画像を数枚送ってくれました。それを見ながら、ハーモニー流に字札をつけてみようという企画です」

みんな

「えー、どういうこと。無理だよ」

新澤

「はい、無茶は承知の上で(笑)。日本から遠く離れたナミビアの若者たちのことを僕たちは何も知らないわけですが、『相手はどんな人たちなんだろうって、想像力を持って相手のことを考えてみる』って楽しいし、知らない者同士が親しくなるための大事なプロセスなんじゃないかと思うんですよ。

何より、これらの札は彼らが自分たちに住んでいる場所のことを僕らに伝えようと思って描いてくれたそうなので、見ているうちに何かのメッセージは伝わるんじゃないかな」

みんな

「はあ。でも、そんなことできる?」

新澤

やってみましょう。われわれの過剰な想像力と妄想力があればできるかも。でも、予備知識があってもいいかなと思って、今月から参加しているインターンの福田さんに少しだけ調べてもらいました。

それから、みんなが出してくれたアイデアを最後に言葉としてまとめる役は、新しく入ったスタッフの久保田さんに頼むことにしました

インターン福田

「よろしくお願いします!」

新人久保田

「よろしくお願いします!」

みんな

おおお!助っ人!

インターン福田

「こんにちは。突然ですが、昭和女子大学3年のインターンの福田です。ナミビアのことをちょっと調べてみました。

ナミビアはアフリカ大陸の最南端の国、南アフリカ共和国の北側にあります。南半球なので季節は日本と逆。雨季と乾季がありますが、全般的に日本より降水量が少なく、夏でも平均気温が25℃には達することがないようです」

Kagesan

「へえ! 夏と冬が逆なのはオーストラリアと同じだね」

【写真】机を囲み絵札を眺めているハーモニーメンバー
【写真】Nという文字が書かれたかるた。アフリカ大陸が描かれている
新澤

「これ、ナミビアの人たちが描いてくれた札の一枚なんだけど、黒いところがナミビア。右上にビョーンと伸びたところがある。これもナミビアの国の一部らしい」

インターン福田

「そうなんです。地図で見ると面積は少しだけど、伸びたところがあります」

こまねずみ

「うん。きっと国土を分割するときに、何か政治的な経緯があったんだな」

新澤

「ビョーンと伸びたところ以外は、国と国との境目が定規で線を引いたみたいに直線なのも、旧植民地の名残かもしれないですね」

インターン福田

「ドイツや南アフリカの植民地でした。面積は日本の2.2倍で大きいのですが、人口は260万人弱。先ほど乾燥していると言いましたが、地域によっても気候が異なっています。ナミブ砂漠と呼ばれる砂漠地域。北部は亜熱帯気候。テンギョーさんがいたと思われるオチワロンゴ(Otjiwarongo)は少し雨量の多いステップ気候になります」

みんな

「ふうん」

インターン福田

「それでこの写真がテンギョーさんとかるたを作った若者たちです」

【写真】かるたをつくった若者たちとテンギョーさんの集合写真
黒瀬

「テンギョーさん、先生みたいですね」

「先生だからね」

Kagesan

「ああ、ナミビアだから、ナミビアかるただ」

新澤

「DRG57さん、どうですか」

DRG57

「ええ。かっこいいです」

新澤

「では、そろそろ、始まり始まり。ナミビアの若者たちが描いた札に、僕たちが言葉をつけてみます」

みんな

「そんな無茶な!」

新澤

「それでは、最初の一枚はこれです」

おおきな鳥の秘密

【写真】Aと文字が書かれた絵札。シマウマとホロホロちょうが描かれている
こまねずみ

「クジャク?」

インターン福田

「ホロホロ鳥という鳥のように思います。ネットに写真がありました」

みんな

「(写真を見る)ああ、確かに」

Kagesan

「食べられるんですか?」

インターン福田

「うーん」

ハル

「東京でも赤羽で食べられるみたいですよ。検索したら出てきた」

みんな

「それにしても、こんなに大きいの……」

新澤

「シマウマより大きいのかな」

インターン福田

「ちょっと、調べます」

小川

「歌があります。『ほろほろ鳥』って」

新澤

「どんな曲です?」

小川

「題名じゃないんですよ。歌詞の中に」

新澤

「ええ? 後で調べてみます」

黒瀬

「シマウマもいますよ」

「ホロホロ鳥が追いかけてる」

新澤

「この二人は仲良しなのかしら」

ミチコ

「仲良しです」

新澤

「どんな話をしているのかな」

「待って待って。あそぼー」

Kagesan

「でも、シマウマはそっぽ向いてる」

新澤

「シマウマは逃げてる。ホロホロ鳥の性格ってどんな感じかな」

「おおらか」

新澤

「目が吊り上がってるけど。性格のよい鳥のような気もする。おおらかなホロホロ鳥さんとシマウマという設定にしましょうか」

インターン福田

「ちょっと待ってください。ネットによると、寒さに弱くて神経質で気難しいそうです」

みんな

「ちがうじゃん」

「ホロホロ鳥はイジワルってこと?」

新澤

「うーーん。イジワルってことにしてみようか」

こまねずみ

「遊ぼうと追いかけるホロホロ鳥。でシマウマも忙しい」

新澤

「DRG57さんはどう?」

DRG57

「ナミビアはね、あそこは、水がなくて大変ですよ」

こまねずみ

「水を取り合うディープな話か。それが国土をめぐる争いに関係あるかも」

新澤

「人間も動物も水にみんな苦労してるんだね。うーん。水のことも加えよう。ちょっと話を戻していい?もともとはおおらかだけど、シマウマを追いかけてると」

『また来た。また嫌な、あいつー』みたいな」

こまねずみ

「シマウマは草食ってればいいけど、ホロホロ鳥は何食ってるの?」

Kagesan

「小動物」

ミチコ

「小動物食べないよ。木の実、木の実」

インターン福田

「小麦粉とかトウモロコシだそうです。虫とかも食べるみたいです」

Kagesan

「小動物も食べるよ」

新澤

「このホロホロ鳥は大きいし、シマウマ食べたいのかな」

こまねずみ

「シマウマを食べる感じはないけど」

インターン福田

「翼を広げると150cmになるそうですよ。縦の身長は70cmくらい」

新澤

「ええ? それにしてはこの絵のホロホロ鳥は大きいね。縮尺がわからなくなってきた」

みんな

「(煮詰まっている)」

新澤

「大きなホロホロ鳥は水で苦労したせいで難しい性格になってしまい、忙しいシマウマをつけ狙っている。そういうストーリーでよろしいですか?」

「良いんじゃない?」

新澤

「え? ほんとにいいの?」

みんな

「いいんじゃない」

新澤

「じゃ、久保田さん、札にしてください」

新人久保田

「 (しばらく考えて)

あ!またきた巨大ホロホロ鳥
 水に苦労してからシマウマを追いかける神経質な嫌な奴

でおねがいします」

みんな

「よろしい」

ところが次の週!

(会議から一週間後……)

新澤

「みんなに相談があります……」

みんな

「(口々に)なんですか?」

新澤

「ホロホロ鳥の札があったじゃないですか。小川さんが歌謡曲の歌詞に『ほろほろ鳥』が出てくると教えてくれました。あれは『旅の夜風』って言う曲でした」

(音楽流れる)

花も嵐も踏み越えて 行くが男の生きる道 泣いてくれるな ほろほろ鳥よ

(旅の夜風 作詞:西條八十、作曲:万城目正)
みんな

「知ってる、知ってる」

新澤

「ね。これを聴きましてですね、僕の中でのホロホロ鳥のイメージが変わったんです。ホロホロ鳥は泣いてくれるらしいんですよ。ひとり行く男の道を」

小川

「『愛染かつら』という映画の曲ですね」

新澤

「さらに調べたらホロホロ鳥って言う童謡もあるんです。佐藤義美という『犬のおまわりさん』をつくった作詞家が、『ほろほろ鳥』という歌の作詩をしています。歌詞をミチコさんに朗読して欲しいんです」

ミチコ

「はい。(朗読)」

ほろほろ鳥は うたいます 声がしてます ほろ ほろ ほろ ほろ ほろほろ鳥は 母さんでしょう いえいえ まりがつきたいの ほろほろ鳥は まりをつく まりをつきます ほろ ほろ ほろ ほろ ほろほろ鳥は 母さんでしょう いえいえ まりがつきたいの

(ほろほろ鳥 作詞:佐藤義美、作曲 河村光陽)
みんな

「拍手」

新澤

「というわけです。どうやらホロホロ鳥は『男のために泣く』だけでなく『まりをつく』。それどころか『母さん』かもしれない」

ゲストのわたなべさん

「新しい事実ですね」

新澤

「先週、私たちは、ホロホロ鳥はシマウマを追いかける神経質な嫌な奴と言っていましたが、ちょっとホロホロ鳥に申し訳ないかもと思いまして、ちょっと、考え直さないかとの提案です」

小川

「やさしいホロホロ鳥」

黒瀬

「ハルさんが調べてくれたところによると赤羽で食べられるそうです」

「通販もやってますよ。ささみですって」

新澤

「いやいや、今日の話は食べる話じゃなくて……」

金ちゃん

「でも、この絵を見ると気が強そうですが」

黒瀬

「でも『泣いてくれるなほろほろ鳥』ですよ」

ミチコ

「ホロホロ鳥、優しいかもしれませんね」

ガチャガチャガチャ……(姫のスマホから音)

Kagesan

「なんだこの音?」

黒瀬

「エンジン音みたいですが」

「YouTubeで調べてみた。ホロホロ鳥の鳴き声だよ」

ガチャガチャガチャ……

金ちゃん

「やかましいよう」

新澤

「ホロホロ鳥は、この声で男のために泣くんですね」

ガチャガチャガチャ……

Kagesan

「ふうん。案外、うるさい。泣かれるとつらいな」

新澤

「そうだね。ホロホロ鳥って、キジ科らしい」

こまねずみ

「クジャクとかキジは飛ぶと思うけど……ホロホロ鳥はどうかな」

新人久保田

「(ググりつつ)飛ぶみたいですよ」

こまねずみ

「多摩動物園で木のてっぺんにとまっている孔雀をみた。ホロホロ鳥とか七面鳥は飛べると思う」

新人久保田

(ググりつつ)ホロホロ鳥のラーメンおいしいらしいですよ

新澤

「食べる話にもどったなあ」

「おいしいホロホロ鳥」

新澤

「そろそろ、時間ですね。そもそも『花も嵐も踏み越えて行く男の道』というが何だかわからないんですが、それを言うとキリがないので、後は新人久保田さんにお任せします」

新人久保田

「それではまとめます。

ほろほろほろほろ 泣いてくれるなホロホロ鳥よ ガチャガチャうるさい シマウマはムシ

で、どうでしょう」

新澤

「シマウマを思ってホロホロ鳥はガチャガチャ泣いたけれどシマウマに無視されているという残念な情景ですね。ちょっと、シマウマにしつこくしすぎたのでしょうか」

「うー。泣いちゃったよ。うるせーのに」

【写真】ホワイトボードに板書された文字「ほろほろほろほろ 泣いてくれるなホロホロ鳥よ ガチャガチャうるさい シマウマはムシ」と書かれている

というわけで、後編に続く(近日公開予定)

編集後記

「旅するかるた 前編」いかがだったでしょうか。アフリカに行くテンギョーさんに託した無地のかるた。送られた画像を目にしたとき、日本から10,000km以上離れた地でかるたの箱の封が切られ、誰かの思いが文字や絵で記される…….そんな展開になるなんて、ちょっとした奇跡だと胸が躍りました。

次回も送られてきた札をテーマにハーモニーのミーティングは続きます。そして、再びテンギョーさんに登場願い、それらの札にナミビアの人たちのつけたストーリー(字札)を披露してもらいましょう。

それから冬になったら、「超・ナミビアかるた」のお披露目会などやろうかと相談しています。そちらも、おたのしみに。


Series

連載:いたずらに人を評価しない/されない場所「ハーモニー」の日々新聞