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読みそびれていたあの記事を、年末年始に。2023年の〈こここ〉おすすめ15選
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(撮影:川島彩水)

スタートから2年を越えた、福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉。2023年も200本以上の記事を公開し、さまざまな方と「個と個で一緒にできること」を考えてきました。

1年を締めくくりたい年の瀬に……あるいは、世の中のスピードがふっと緩まるお正月に。まだ読んでない記事があったらぜひ触れてほしいと考え、インタビューや連載の中から、厳選した「5テーマ/15記事」を紹介します。

1. あの場所をたずねたくなる

「尾道のおばあちゃんとわたくしホテル」

尾道市にある、3部屋だけの小さな宿泊施設「尾道のおばあちゃんとわたくしホテル」。介護施設が併設されたこのホテルは、「感情が動くことこそが人生の幸せである」という考えのもとに空間が設計されています。さまざまな環境デザインが生み出す、“0.25倍速のスロー・ラグジュアリー”とは。ぜひ一度ご自身で体験しに行ってみてください。

「コーヒーハウス CODA」

すてきな“仕事図鑑”のような様相も呈してきた、齋藤陽道さんの人気連載『働くろう者を訪ねて』。この年末のイチオシは、第22回に登場いただいた尾中幸恵さんの営む、喫茶店「コーヒーハウス CODA」です。この記事でも語られていたお店を退く日が決まり、店主の尾中さんに会えるのは2023年いっぱい、つまりこの記事が出て残り数日となっています。もし気になっていた方は、この最後の機会にぜひ。

野外フェス

年末年始に、好きなミュージシャンの登場するフェスに参加したい、と考えている人もいるかもしれません。今年、障害のある方の「移動支援」を行う福祉事業所〈WASSUP(ワサップ)〉さんが書いてくださった『野外フェスで会いましょう!』は、そんな音楽祭の見え方がちょっと変わる連載。「こんなにたくさんの工夫やサポートがあるんだ」という発見が、今までハードルを感じていた人の「行ってみよう!」につながったら……そんな願いを込めた記事になっています。

2. 気になる言葉、深く知って考えたい

ルッキズムとは

ここ数年、話題にのぼることも増えた“ルッキズム”。しかし、外見にまつわる問題は根深く、言葉を知ったとしても、無意識に差別を行ってしまうかもしれません。東京理科大学の西倉実季さんと一緒に「社会の美醜観」や「外見に関する慣習」を問い直しながら、一人ひとりができることを考えました。

人権とは

さまざまな社会の問題を取材していくと、背景としてそもそも人の持つ“人権”が見過ごされているケースは少なくありません。「国際人権条約」からおよそ半世紀、私たちの社会でその理解を妨げているものは何なのでしょうか。個人の思いやりによるものではなく、身の回りに等しくある“権利”の実像について、連載『健康で文化的な最低限度の生活ってなんだろう?』の中で考えてみました。

性暴力・ハラスメントのそばで

本記事は、社会福祉法人で起きた性暴力・ハラスメント事件について、当事者のそばにいた文化活動家のアサダワタルさんが寄稿くださったもの。この痛ましい出来事が示すのは、ともすれば個人の問題にされがちな“性暴力”や“ハラスメント”の背後に、構造的な問題が潜んでいるということです。それがケアの現場で起きたことの意味と、いざ身の回りで問題が起きたときに「個」としてできる行動は何かを、真摯な言葉で問いかけます。

3. 「表現する」ってなんだろう?

妄想恋愛詩人と考える

妄想恋愛詩人・ムラキングの連載第1弾、『ポロリとひとこと』の最終回。創作にまつわる怖さを率直に打ち明けてくれるムラキングさんの前で、取材チームみんなで詩を書いてみました。“自分”と“作品”とのズレに戸惑いながら、一人ひとりにとって「表現」とは何か考えていく時間を、記事からぜひみなさんも味わってみてください。

自ら詠む短歌/他者の表現から生まれる商品で考える

「平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ」。

何気ない日常の一幕や感情の移ろいを言葉にし、多くの人の共感を集める歌人・岡本真帆さん。生活介護事業所〈西淡路希望の家〉で、障害のある人たちの表現を次々とユニークな商品にする金武啓子さんと対談いただきました。「わからないことをそのまま受け取る」大切さと、それでも「その驚きを誰かと分かちあいたい」気持ちについて、2人の視点が交わっていきます。

韓国/日本で活躍する2人のダンサーと考える

義足の俳優(ときどき車椅子俳優)&ダンサーとして活動する森田かずよさんと、同じくダンサーであり、韓国で作家や弁護士としても活動するキム・ウォニョンさんの、貴重な対談記事です。「他者と踊るとはどういうことか」「自分の身体を見せることにどういう意味があるか」「美しさとは何か」……2人の対話から、表現と密接に絡むアイデンティティのあり方が見えてきます。

4. 異国を旅する人からの贈りもの

オランダ・アムステルダムのある1日

動物園を囲んで、びっしりと縦列駐車されているパトカーや消防車。慢性疾患や障害によって特別なケアを必要とする子どもと家族が、動物園に招待される日の風景です。近くにいる人を思いやる人々の姿は、美術館を「誰にとってもウェルカムな場」にしたいと願うアートエデュケーターのマイティ(佐藤麻衣子)さんの目に、どう映ったのでしょうか。オランダでの滞在を綴る連載『アムステルダムの窓から』より。

“友だち”として聞くアフリカ滞在のあれこれ

東京・世田谷区にある就労継続支援B型事業所の日常を、たくさんのメンバーが登場しながら紹介していく『「ハーモニー」の日々新聞 』。さまざまな地域を転々としながら暮らすテンギョー・クラさんは、そのハーモニーで、“長い周期で巡りくる彗星”と呼ばれているそうです。一体これはどんな関係……? メンバーのみなさんとアフリカ滞在中のテンギョーさんとの、愉快なZoomトークを楽しんでいただきつつ、ぜひ想像を膨らませてみてください。

スウェーデン・デンマークの福祉に触れて

地域の学びあいの拠点を目指す〈社会福祉法人ライフの学校〉田中伸弥さんが、福祉先進地域である北欧を訪ね、感じたことを綴ってくださいました。自らも福祉施設の設立時に影響を受けたという、デンマークの教育機関・フォルケホイスコーレをはじめ、実際に目にした人々の姿から、田中さんはどんな衝撃を受けたのでしょうか。狭義の「福祉」の仕組みに止まらない、「社会」や「文化」のあり方について考えるきっかけをくれる記事です。

5. “歴史”から今と未来を考える

社会福祉の父と「ヨコへの発達」

多様な価値を認めあえる社会になったら。そう願っていても、私たちはついつい、目に見える“成長”や“上達”、数字で比較しやすい“成果”が気になってしまいます。どうすればこの思考から抜け出せるのだろう……悩んだ私たちがたずねたのは、「社会福祉の父」「障害福祉の父」と呼ばれる糸賀一雄を研究する、垂髪あかりさん。糸賀らが50年以上前に提唱した「ヨコへの発達」の意味を、現代にも重ねながら考えていきました。

ナイチンゲールから学ぶ「ケア」の本質

「白衣の天使」「クリミアの天使」「ランプを持った貴婦人」などの言葉で知られる、フローレンス・ナイチンゲール。19世紀のイギリスで医療や福祉の基礎をつくったこの歴史的偉人の思想には、最近さまざまな場面で使われる「ケア」の本質が表れているといいます。“その人らしい生き方”の実現を目指すナイチンゲール視点に気づくと、複雑な制度や仕組みで分化されている今の、私たちの「暮らし」の見え方も変わってくるかもしれません。

若者支援の10年から、つないでいきたい社会を描く

シリーズ『福祉のしごとにん』に登場いただいた、〈認定NPO法人D×P〉のCOO・入谷佐知さん。創業期から10年に渡り、若者の声に向き合い続けてきた入谷さんは、今の社会におけるユース世代の生きづらさについて語りつつ、「社会が少しずついい方向に変わってきた部分もあると伝えたい」「そう言えるものを少しでも増やしたい」とも話します。移ろいゆく世界の中で、自分は過去から未来へとつなぎたいか、改めて考える取材でした。

【アザーカット集】

2023年に記事を公開した取材やインタビューで、構成上、掲載できなかった写真をまとめています。本記事とあわせて、こちらもぜひ。

空気を読まないのに、愛されるロボット「LOVOT」の取材中の一コマ。一緒に訪れた伊藤亜紗さんの元に、なぜか次々とLOVOTが集まり始めます(笑)。シリーズ『こここインタビュー』で、開発者の林要さんと伊藤さんの貴重な対談を掲載しました(撮影:川島彩水)
シェア型図書館「だいかい文庫」の取材(シリーズ『デザインのまなざし』)前に訪れた、豊岡市駅通商店街の公設市場。平日の午前で人通りは少なかったが、市場の中には、手入れの行き届いたレトロな佇まいの店がたくさんありました(撮影:其田有輝也)
妄想恋愛詩人・ムラキングさんとの詩の制作では、〈認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ〉の拠点「ちまた公民館」を取材会場として使わせていただきました。その入口にあったのがこのガチャガチャマシン。「世界一怪しいガチャガチャ」って、いったい何が入っているの……!?(撮影:鈴木竜一朗)
「ヨコへの発達」について伺った垂髪あかりさんの研究室には、療育や保育に関する書籍をはじめ、さまざまな本が。記事のトップ写真では見えづらいですが、生物学者のレイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』が絵本の横にそっと佇んでいたのもとても印象的でした(撮影:進士三紗)
今年も4記事を掲載した〈日本デザイン振興会〉さんとの連載『デザインのまなざし』では、「グッドデザイン賞」受賞の影響についても必ず話題になります。写真は服のお直しサービス「キヤスク」について語ってくださった、前田哲平さんのオフィスにて(撮影:加藤甫)