福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉

こここインタビュー

福祉にまつわる人を訪ね、その人自身のこれまでの経験や大切にしていることを尋ねるインタビューシリーズです。

  1. トップ
  2. こここインタビュー

記事一覧

vol.212023.11.08保育料ゼロを実現し、子育てを“みん営化”する。 学童保育施設〈fork toyama〉岡山史興さん

2023年5月、日本一小さな村、富山県舟橋村に、“みん営化”を掲げた保育料ゼロの学童保育施設〈fork toyama〉がオープンした。“みん営化”とは、代表の岡山史興(ふみおき)さんが考えた造語。放課後の小学生を受け入れる学童保育を「みんなで営む」という意味だ。 通常の学童保育ならば、保育料は保護者から月々徴収する。公立学童で1万円~2万弱が相場だが、fork toyamaでは完全に無料。おやつ代のみ、保護者が支払う。敷地内にあるカフェとコワーキングスペースの利用料、企業や個人などサポーターからの会費を学童の運営費に充てる仕組みになっているのだ。 いったいなぜ、保育料ゼロの学童が生まれたのだろう? このユニークな仕組みを“みん営化”として考案し、自らのつくったfork toyamaという場で実践する、代表の岡山さんに詳しくお話をうかがった。

記事を読む

vol.202023.05.29ともだちってなんだろう? 答えを出す必要はないけれど。新澤克憲さんとテンギョー・クラさんの対話から考える

旅先でおみやげを選んでいるとき。なにかに悩み疲れたとき。ちょっとしたいいことがあったとき。ふと、ともだちの顔が思い浮かぶことがあります。毎日のように顔を合わせていても、ほとんど会えなくても、大切な存在であることに代わりはないともだち。でも、自分にとって「ともだち」ってなんだろう? あらためて考えてみると、モヤモヤとしてわからなくなる人も少なくないのでは。 その問いにきちんとした答えを出す必要はもちろんないけれど、「ともだち」を巡る個人の対話がすこしのヒントを与えてくれるかもしれません。今回、「ともだち」というテーマを中心に置いて自由に対話してくれたのは、精神障害がある人などが通う就労継続支援B型事業所ハーモニーの施設長・新澤克憲さんと、さまざまな地域を転々としながら暮らすヴァガボンドのテンギョー・クラさんです。 「いたずらに人を評価しない/されない場所」を掲げ、ハーモニーのメンバーやスタッフと日々関わっている新澤さんと、ヴァガボンドとして、未知の場所と関係のなかに飛び込む「カルチャーダイブ」を繰り返してきたテンギョー・クラさん。地域と福祉施設をつなぐカフェ活動などを通して福祉に関わってきたテンギョーさんのことを、新澤さんは「ともだち」と呼びます。ときにまじめに、ときにふざけ合いながら語られたおふたりの対話に、耳を傾けてみてください。

記事を読む

vol.192023.05.23歌人・岡本真帆さん×西淡路希望の家・金武啓子さん対談。「感動」の発見、どう他者と分かち合いますか?

記事を読む

vol.182023.03.20“みる”から始める、アーティストと支援現場のつなぎ役。日常の関係性を変える「TURN LAND プログラム」の挑戦

記事を読む

vol.172023.03.15アート活動で、「できる/できない」を揺さぶる。日常の価値を言葉に変えるコーディネーターの役割

記事を読む

vol.162023.03.03唯一の答えを探しすぎていないか? 下地ローレンス吉孝さん×なみちえさんと“わかりやすさ”について考える

「あなたのことを教えてもらえませんか」 だれかについて知ろうとするとき、私たちはそんなふうに問いかける。人の語る言葉にどれだけ真摯に耳を傾けていても、相手のことを“わからない”と感じる瞬間はやってくる。予想もつかなかった相手の複雑さに不意に触れると、それ以上先に踏み込むことを諦めたり、逃げ出したくなったりすることもある。 そんなとき私たちはつい、その複雑さに耐えきれず、人に“わかりやすさ”を求めてしまうことがある。けれど、相手に何かを要請する前に、すこし立ち止まりたい。“わからなさ”は相手の側に存在するのではなく、“わたしとあなた”の間にこそあるのではないか。相手の複雑さにただ戸惑うのではなく、“わたし”を起点に何かについて考え、対話をはじめることこそ必要なのではないか。 複雑でさまざまな側面を持つ“わたし”と“あなた”を尊重するためには、どうすればいいのか。そんな問いを中心に置いてはじまった、アーティストのなみちえさんと『「ハーフ」ってなんだろう?――あなたと考えたいイメージと現実』(平凡社)の著者である下地ローレンス吉孝さんによる対談。アイデンティティの流動性や社会の“カチカチさ”について話題が広がった前編に続き、後編では、マイノリティ/マジョリティという枠を必要以上に固定化することへの違和感や、“完成されたもの”を求めすぎる社会の風潮について、ふたりが言葉を重ねていく。 前編:「“わたし”と“あなた”それぞれの複雑さを大切にするには?──なみちえさん×下地ローレンス吉孝さんと共に考える」はこちら

記事を読む

vol.152023.02.15“わたし”と“あなた”それぞれの複雑さを大切にするには?──なみちえさん×下地ローレンス吉孝さんと共に考える

自分自身のことについて誰かに話すとき、立場や属性、趣味嗜好を伝わりやすいように類型化して、タグ付けするかのように語った経験のある人はきっと多いだろう。「東京出身・AB型・ミックス・アニメ好き」です、とか、「Z世代・they/them・公務員・喫煙者」です、というように。 あるいは、自分ではそういう語り方をしていなくても、いつの間にか他者の手によって、自分がある種のタイプにカテゴライズされていると気づくこともある。あなたは「長男」なんですねとか、「日本人」なんですね、と。その手つきはときに大づかみだったり、誤った見解に基づいていることもある。貼られたラベルはなかなか強力で、それ越しに“わたし”や“あなた”を見ようとしている人もいるようだ。 実際には、“わたし”や“あなた”を構成するものは当然、それだけではない。もちろん、そのラベルを引き受けて何かを語ったり、抑圧や不平等を訴えたり、胸を張ったりしたくなることもあるけれど、自分の構成要素がそのひとつ“だけ”ではないことは確かだ。そんな、人の複雑さや多面性、そして流動性を、私たちはどうすれば尊重することができるのだろうか? アーティストのなみちえさんと『「ハーフ」ってなんだろう?――あなたと考えたいイメージと現実』(平凡社)の著者である下地ローレンス吉孝さんのお二人に、今回、そんな問いをめぐって対談いただいた。なみちえさんの妹であるまなさんと一緒に製作した楽曲『Can’t Stop Lovin’ U』の背景からはじまり、お二方の表現/研究の軸にあるものについて、さらにはセクシュアリティや人種のグラデーションについて──と、さまざまな方向にじっくりと話題は変化していった。

記事を読む

vol.142022.12.23出会いを広げながら、協働を生む「メディア」を目指して——〈こここ〉シーズン2を振り返る

記事を読む

vol.132022.12.19働くことも、映画祭も「みんなが心地よい」を目指して。GOOD NEWSとTHEATRE for ALLのインクルーシブな場づくり

記事を読む

vol.122022.10.14バリアフリーの映画祭を通して、「その人のまま」でいられる社会に。作家・川内有緒さん×THEATRE for ALL・金森香さん

ひとり時間に深くじっくり向き合うことも、大勢で賑やかに鑑賞することもできる映画やアート。鑑賞者それぞれが作品からどんなインスピレーションを得たのか、「みんなで」語る時間を持てたら、個々のユニークな感性と感性がまざり合う特別な楽しみを体験することもできます。 2021年2月に誕生したバリアフリー動画配信サービス「THEATRE for ALL(シアターフォーオール)」の活動から始まった「まるっとみんなで映画祭」は、異なる境遇の人々が共に作品を楽しみ、新たな対話を生み出すことを目的にした、リアル上映会を含むオンラインの映画祭です。 2回目の開催となる2022年は、7月から12月まで、『カメラを止めるな!』『寛解の連続』など約20点の映像作品を順次配信。また、映画祭ならではの工夫を凝らしたバリアフリー対応が用意され、11月5日(土)からの3日間には、栃木県の那須地域でリアル上映会「まるっとみんなで映画祭 2022 in NASU」も開催されます。

記事を読む

vol.112022.09.13スポーツの可能性って何だろう? 「プロスポーツ」「ゆるスポーツ」から考える——岡田武史さん×澤田智洋さん

「え、すごい。岡田さんが一番ですね!」 モニター越しにそう盛り上がったのは、元サッカー日本代表監督の岡田武史さん、〈世界ゆるスポーツ協会〉代表の澤田智洋さん、そして〈こここ〉編集部メンバー。プレイしているのは、オンライン会議ツール上で行う「ARゆるスポーツ」だ。 かつてピッチ横で見せていた厳格なイメージとは違い、競技そのものを楽しんでいる様子の岡田さん。種目の一つ「まゆげリフティング」では、皆と一緒にまゆげを高速で上げ下げし、その回数を競った。おでこの筋肉を刺激する競技で、 顔のリフトアップなどにつながる効果もあるという。

記事を読む

vol.102022.03.31まだみぬ「表現」との出会いを、誰もが体験できる社会へ。障害のある人の芸術・文化活動を支える窓口が全国に

意思や感情を誰かに伝える「表現」という行為は、人の営みの根底にある。伸びやかな表現ができる状況に身を置くことで、私たちはいきいきとした状態でいることができる。 「誰もがよりよく生きられる社会のために、多様な人の表現活動を支えたい」。そんな願いを持ち、全国に支援のネットワークを形成しているのが、今回紹介する〈厚生労働省〉の『障害者芸術文化活動普及支援事業』だ。 どのような表現への支えがあれば、障害のある、なしに関係なく人に健やかさをもたらすことができるのか? どうすれば福祉と社会との接点を豊かに創出できるのか? 芸術と福祉、双方の視点で「課題の発見」から取り組む方々の様子を伺うと、まだまだ試行錯誤の連続ではあるが、現場は創造のエネルギーに満ちている。 事業の旗ふり役を務める3者に話を聞いた。

記事を読む

vol.092022.02.09コロナ禍で「消される」声に、どう耳を傾ける? 次の社会をつくる言葉と対話のあり方——荒井裕樹さん×青山誠さん

記事を読む

vol.082021.12.24福祉をたずねて1年。編集部は何に出会い、悩んできた?——〈こここ〉振り返り座談会

2021年に創刊した、福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉。「個と個で一緒にできること」を合言葉に、さまざまな福祉施設、専門家、福祉にまつわるアイテム、活動などをたずね始めておよそ1年(メディアが世に公開されてからは8カ月)が経とうとしています。 今も日々夢中で企画に向き合うなか、公開した記事数は早くも150以上に。そこで「印象深かった取材や企画を一度振り返ってみようか」と、年の瀬が迫る2021年12月某日、座談会を行うことにしました。 「福祉」をたずねるなかで、どんなことが見えてきたか。メディアとして何を大事にしたらいいのか。〈こここ〉編集部内で飛び交う日々の悩みや揺らぎを、そのままお見せできればと思います。 ※ 参加したのは、記事企画に携わる以下の6名。会の進行、および本記事の構成・執筆を、年度途中から編集部に加わった佐々木が務めました。

記事を読む

vol.072021.11.24コロナ禍を経て新たな表現の協働へ ―小茂根福祉園とダンサー・大西健太郎さんが過ごした6年間[後編]

「アーティストと私たち小茂根福祉園で、どんな関わりが育めるんだろう?」 戸惑いを抱きながらも、アーティストを迎え入れ、6年という時間をかけて関係を築き、ともに表現を生み出していった福祉施設があります。 場所は東京都板橋区、知的障害のある人たちが通う〈板橋区立小茂根福祉園〉。穏やかな住宅街の中に建つ同園では、就労継続支援B型事業(定員30人)や生活介護事業(定員40人)の利用者、スタッフが日々を過ごしています。この場所に、ダンサーの大西健太郎さんはアートプロジェクト「TURN」の一環で2016年から足を運び、交流を重ねてきました。 小茂根福祉園で《風くらげ》《みーらいらい》といった表現活動を生み出した大西さんは、利用者さんによる新たな「ダンス」を開発。その名も《「お」ダンス》。その活動を広げていこうとした矢先、コロナ禍に見舞われます。ソーシャルディスタンスが求められる世の中で、福祉施設で過ごす人々とアーティストはどのように交流を行ったのでしょうか。そして、6年に渡る活動の中で見出された「福祉とアート」の重なるところとは? 前編に引き続き、〈小茂根福祉園〉でのTURNの活動について、同園生活支援員・高田紀子さんとダンサー・大西健太郎さんによる対談をお届けします。

記事を読む

vol.062021.11.24アートプロジェクトは福祉の現場で何を生み出す? ―小茂根福祉園とダンサー・大西健太郎さんが過ごした6年間[前編]

「アーティストと私たち小茂根福祉園で、どんな関わりが育めるんだろう?」 戸惑いを抱きながらも、アーティストを迎え入れ、6年という時間をかけて関係を築き、ともに表現を生み出していった福祉施設があります。 場所は東京都板橋区、知的障害のある人たちが通う〈板橋区立小茂根福祉園〉。穏やかな住宅街の中に建つ同園では、就労継続支援B型事業(定員30人)や生活介護事業(定員40人)の利用者、スタッフが日々を過ごしています。この場所に、ダンサーの大西健太郎さんは2016年から足を運び、交流を重ねてきました。そうして《風くらげ》《みーらいらい》《「お」ダンス》《こもね座》といった表現活動が次々と生まれていきます。 〈小茂根福祉園〉と大西さんを引き合わせ、その交流を支えてきたのは、アートプロジェクト「TURN」。“違い”を超えた出会いで表現を生み出すことを目指し、2015年からこれまでに約80名のアーティスト、約60の施設や団体が参加してきました。 福祉施設で過ごす人々と、アーティストが出会うことで何が生まれるのか。福祉とアートが育もうとしていることには重なる点があるのか。「TURN交流プログラム」からはじまった「TURN LAND」のひとつ、〈小茂根福祉園〉でのプロジェクトについて、同園生活支援員・高田紀子さんとダンサー・大西健太郎さんに対談していただきました。 「アートはよくわからない。でもそれでやめることはない。やってみよう。小茂根福祉園の支援スタッフには『知りたい』という気持ちがあるんです」と語る高田さんと、福祉の現場に初めて訪れ「わからないからこその怖さもあった」と語る大西さん。やがて深まっていく関係の源には、いろいろな人が「合いの手」を入れるような、コミュニケーションがあったようです。

記事を読む

vol.052021.10.18福祉施設が学びあいの拠点になることで育まれるものとは?ライフの学校・田中伸弥さん

記事を読む

vol.042021.06.03VR認知症を体験して気づいた、わからない世界へ手を伸ばし続ける大切さ。シルバーウッド 下河原忠道さん

他者が見ている世界と、自分が見ている世界は違う。だからこそ日々出会う人とのコミュニケーションにおいて、それぞれの行動や語る言葉の背景にあるものを想像するのは大切だと思う。 しかし「常日頃から実践できているか」と問われると自信が持てない。知識を得ることで、他者の背景にあるものをより解像度高く考えることはできる。一方で、既に持つ知識を基準に他者をラベリングして、わかったつもりになってしまうこともある。どうすれば知識を学ぶだけではこぼれおちてしまう「なにか」を大切にできるのだろうか。 そんな悩みについて考えるヒントを与えてくれたのが、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」を運営する株式会社シルバーウッドの取り組み「VR Angle Shift」だ。 コンセプトは「あなたのAngle“視点” をShift“転換” する」。VRを活用した一人称「体験」を通じて、他者の視点が体感できるコンテンツを企業内研修などに向けて展開している。コンテンツは、さまざまな領域の当事者、専門家にヒアリングを実施し作成されており、複数のプログラムがある。 取材チームは、実際にVR Angle Shiftのプログラムを体験し、同社代表取締役 下河原忠道さんに他者の視点を疑似体験することの意義、社会から見えづらいものを可視化することの重要性について話を伺った。

記事を読む

vol.032021.04.15まだ名付けられていない感覚に出会う「遊び」の可能性とは? インタープリター 和田夏実さん

たとえば、まだ「言葉」を持たない子どもと接するとき。大人はさまざまな「言葉以外」のもの——表情、まなざし、声の響き、手や体全体のしぐさ——から、相手の個性や感情などを読み取っていく。 そこで気づくのは、世界を共有するための手段が本来、とても多様であることだ。だから、大人は子どもに対して「早く言葉を覚えてほしいな」などと思う傍らで、成長しても「今の豊かな表現を失ってほしくない」などと考えたりする。 だが、現代を生きる私たちは、すでに「わかりやすく」「便利な」言語コミュニケーションに慣れきってしまっている。巷にあふれるコピーから気軽に送れるメッセージサービスまで、「言葉」を軸にした営みの数々。そのなかで、人が生まれながらに持つ感覚をどうすれば大切にできるのだろう。

記事を読む

vol.022021.04.15「助けて」とお互いに言い合えるのが、成熟した社会。ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表 志村季世恵さん

「気づかないうちに失礼なことを言っていないだろうか」 聴覚障害のある知人と話すとき、ふと不安になり、どこか恐る恐る言葉を交わしてしまったことがある。聴覚障害という領域の当事者ではない自分が無邪気に質問することで、知人のことを無自覚に傷つけているのではないかと。 「自分自身が知らないこと、すぐに当事者になれないことには触れるべきではない」と言う人がいるが、それでいいとは思えない。 他者を傷つけてしまうことへの不安はある。でも私は、まだ知らない・わからないからという理由で、自分とは違う特徴や文化を持つ人たちとのコミュニケーションに消極的になってしまうことは、あまりにも寂しいことだと思う。 視覚障害者・聴覚障害者がアテンド(案内人)を務め、見えない世界・音のない世界を案内してくれるソーシャル・エンターテインメント施設「対話の森」は、多様な人々が出会い、じっくりと対話をすることができる場だ。 「対話の森」のプログラムの背景にどのような思いがあるのかを知ることで、異なる文化を持つ人たちとのコミュニケーションのあり方や対話を考えるヒントが得られるのではないか。 そんな思いから、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表理事として「対話の森」のプログラムをつくってきた志村季世恵さんに、お話を伺った。

記事を読む

vol.012021.04.15「お笑い」や「演劇」は他者の世界に寄り添うヒントをくれる。りんたろー。さん×菅原直樹さんが語る「介護の話」

「お笑いも介護も、まずは相手の世界に乗っかって、愛のある『演者』になるのが大切だと思うんです」 そう語るのは、介護の現場で8年間働いた経験を持つ、お笑いコンビ『EXIT』のりんたろー。さん。 劇団『OiBokkeShi』代表の菅原直樹さんは、認知症ケアに演劇的な手法を取り入れたワークショップや、高齢者や介護者と演劇作品創作の経験を踏まえ、こう返します。 「介護は『相手が見ている世界を尊重する』ことが大切。そう考えると演技は、相手を尊重し、心を通わせる一つの方法だと思うんです。介護と演劇って相性がいいんですよ」 二人の会話から浮かび上がってきたのは、「演者」としてふるまいが、介護の現場でいきるということ。お二人が介護経験のなかで感じてきたこと、介護とお笑い、演劇の関わりについて語っていただきました。

記事を読む