個と個で一緒にできること。福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉マガジンハウス

こここスタディ

ある領域の専門家をたずね、編集部メンバーが感じる福祉にまつわる疑問を聞いて学ぶシリーズです。

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記事一覧

vol.062022.04.12「私はどう生きたらいい?」を、一人で抱えない社会へ。医師・西智弘さんに聞く、地域活動と“ケア“の文化づくり

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vol.052022.03.22偏見がない人はいない。川内有緒さん×木ノ戸昌幸さん『わたしの偏見とどう向き合っていく?』イベントレポート

いま、「あなたの中には差別意識や偏見がありますか?」と聞かれたら、あなたはどんなふうに答えるだろうか。即座に「たぶんない」と答える人もいるかもしれないし、すこし考えてから、「ないように努力している」と言う人もいるかもしれない。 ではそれが、「よく知らない人と話してみて、自分が抱いていた偏見に気づいたことはありますか?」という質問や、「軽い気持ちで口に出したことが、差別的な発言だったとあとから知ったことはありますか?」という質問だった場合はどうだろう。おそらく、「ない」と言い切れる人はほとんどいないのではないだろうか。 そんな、自分自身の内側にある「偏見」や「差別意識」との向き合い方について考えるトークイベント、「わたしの偏見とどう向き合っていく?」(SPBS TOYOSU主催)が2021年10月23日に開催された。 出演者は、昨年、著書『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を上梓したノンフィクション作家の川内有緒さんと、京都にあるNPO法人「スウィング」理事長の木ノ戸昌幸さん。「偏見」や「差別意識」をめぐる対話を通じて、身近な人、そして自分自身の中にある偏見との向き合い方のヒントが提示された。オンラインで実施されたイベントの様子をレポートする。

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vol.042022.02.04居場所・つながり・役割・生産性。「望まない孤独」をめぐる対談でみえたものとは?吉藤オリィさん×奥田知志さん

自分は誰かに必要とされているんだろうか。いずれひとりぼっちになるのではないだろうか。ふとしたときにそんな不安が頭をよぎり、苦しめられた経験がある人はきっと少なくない。あるいはもっと切実に、いままさにその「孤独」の渦中にいる、と感じている人もいるかもしれない。 たとえパートナーや家族がいても、社会的地位が確保されていたとしても、私たちはそれらを突然失うことがある。絶対にひとりにならない、とは誰も言い切れないし、自助や自己責任を強く求められるいまの社会には、孤独と常に隣り合わせであるかのような緊張感がある。 どこにも居場所がなかった、という自身の学生時代の経験から分身ロボットの開発者になったロボットコミュニケーターの吉藤オリィさん。吉藤さんは、「孤独」を「自分が誰からも必要とされていないと感じ、辛さや苦しさに苛まれる状況」だと定義する。 そして、東八幡キリスト教会の牧師であり、30年以上に渡ってホームレス支援を続けているNPO法人抱樸の理事長・奥田知志さん。奥田さんは、「家族や友人、いざとなったときに頼れる人がおらず、社会という人的なネットワークからこぼれ落ちて、孤立してしまっている状態」を「社会的孤立」と呼ぶ。 「孤独」や「社会的孤立」の実態と向き合い続け、ロボット開発や生活困窮者支援といった活動を通じてその解消法を思索している吉藤さんと奥田さん。 おふたりに「孤独」や「社会的孤立」が生まれづらい社会の実現のためにはなにが必要か、というテーマで対談いただいた。

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vol.032021.10.26大切なものを失った悲しみや痛みと共に生きていくには? グリーフサポートが当たり前にある社会を目指す 尾角光美さんをたずねて

身近な人や自分にとって大切な人、あるいは最愛のペットを亡くした経験を、誰しも一度は持っているのではないだろうか。けれど私たちは、そんな「喪失体験」にどう向き合うかをこれまで誰にも教えてもらってこなかった、という気がする。 「こんなに会社を休んだら迷惑だろうか」とか、「あれから何年も経つのにまだ悲しいなんて変だろうか」なんてつい考えてしまって、喪失を起点に生まれてくる自分の感情をありのままに認めることは、どうしても難しい。 ときには、喪失の苦しみを忘れていったり、そもそもなにも感じられない自分に対して、罪悪感を覚えてしまうこともあるかもしれない。 <一般社団法人リヴオン>の尾角光美(おかく・てるみ)さんは、19歳のときに母を自殺で失ったことをきっかけに「いつ、どこで、どのような形で大切な人をなくしても、その人が必要とするサポートを確実に得られる社会の実現」を目指して団体を立ち上げ、さまざまな形でグリーフサポートを広める活動をおこなってきた人だ。 私たちは、自分が抱えるグリーフにどう向き合えばいいのか。そして周囲の人たちは、グリーフを抱える人をどんなふうに支えることができるのか。そのヒントを、尾角さんに伺った。

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vol.022021.06.24差別や人権の問題を「個人の心の持ち方」に負わせすぎなのかもしれない。 「マジョリティの特権を可視化する」イベントレポート

職場やSNSで見聞きする、さまざまな差別やハラスメント。 「なんでこんなことが起こるのだろう」「もっと平等な社会になったらいいのに」「人としての権利が当たり前に守られるべき」と、当事者の叫びに胸を痛める人は少なくないはずだ。 「私は“中立”。差別なんてしないのにな」と思うことだって、正直あるだろう。 けれど実際には、“中立”で何もしなければ差別にはあたらないという意識そのものが、差別的な社会構造に加担してしまう危険性をはらんでいる。 こう指摘したうえで、問題を個人の態度に由来するものではなく、「マジョリティの特権」から捉えようとするのが、上智大学外国語学部教授の出口真紀子さんだ。 差別や人権の問題は、これまで差別されるマイノリティ側、社会的に弱い立場の人に焦点を当てて論じられてきた。しかし、マイノリティ側が被る不利益の裏側にあるマジョリティの特権について考えなくては問題は解決しない。 そう考える出口さんの視点を学びたいと、こここ編集部は2021年5月9日、彼女が登壇するオンライン講演「マジョリティの特権を可視化する」(対話と共生推進ネットワーク主催)を取材した。

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vol.012021.04.15さまざまな側面をもつ「わたし」と「あなた」をそのまま大切にするには? 美学者 伊藤亜紗さんを訪ねて

会社では営業担当だけど、プライベートでは当然違う。実家にいるときは子どもだけど、行きつけのバーでは全然違う名前で呼ばれてる。社会に生きるわたしたちは、いろいろな「わたし」を生きています。 誰もが、無限に広くて、底なしに深い。だから、雑にカテゴリ分けされたり、レッテルを貼ってこようとする人に出会うと無性に居心地が悪くなる。わたしもあなたもそのまま、“無限”なまま、個と個で出会えたらきっともっと楽しいだろうに。 東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院准教授の伊藤亜紗さんは、さまざまな身体をもつ人とともにその身体について研究を続けています。

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